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1年で一番華やかな、年末年始のクラシック「クリスマス、ジルヴェスタ―&ニューイヤーの楽しみ」

皆さんこんにちは。クラシックソムリエの田中泰です。前回の「第九」特集はいかがでしたか? この年末、「第九」の生演奏をご堪能いただければ幸いです。さて今回は、華やかな「年末年始のクラシック」の魅力に迫ります。今年の年末年始はコンサートホールで、レッツ・エンジョイ・クラシック!

ジルヴェスター・コンサートって何?

新年を祝うドイツ・オーバーバウム橋の花火

新年を祝うドイツ・オーバーバウム橋の花火

12月の「第九」シーズンが一段落したクラシック界の次の盛り上がりは何かといえば、「年末年始のクラシック」です。お馴染みのクリスマス・コンサートから、大晦日のジルヴェスター・コンサート、そして新年を彩るニューイヤー・コンサートに至る、1年で最も華やかなクラシック・シーズンの到来です。

ここで耳慣れない言葉として登場するのがジルヴェスター・コンサート。ジルヴェスターとは、ドイツ語で「大晦日(聖ジルヴェスターの日)」を意味する言葉です。1年の締めくくりである「大晦日」の夜を華やかに楽しむジルヴェスター・コンサートが、近年日本でもすっかり定着しました。

代表的なものとしては、午前0時のカウントダウンに合わせて曲を終わらせる趣向が話題の「東急ジルベスターコンサート」や、ウィーンの名門フォルクスオーパー交響楽団を招いて華やかなオペレッタをコンサート形式で披露するサントリーホール公演など、全国各地のホールで魅力的なステージが楽しめます。

海外でも人気の高いジルヴェスター&ニューイヤー

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地、ウィーン楽友教会大ホール

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地、ウィーン楽友教会大ホール

海外のジルヴェスター&ニューイヤー・コンサートはどのような状況なのでしょう。名高いところでは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地ベルリン・フィルハーモニーで行われる「ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサート」。

豪華なアーティストが同楽団と共演するこのコンサートの人気は凄まじく、チケットは発売直後に売り切れるなど、まさに音楽ファン垂涎のコンサートです。一方、元旦にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地ウィーン楽友協会大ホールで行われる「ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート」は、シュトラウス一家のワルツやポルカをプログラムの中心に据えたゴージャスなコンサート。公演の模様は世界中にライヴ中継されるほか、1カ月後にはライヴCDや映像ソフトが発売になるなど、こちらの人気も圧倒的です。

その歴史は古く、第1回は今を遡ること76年前の1939年。名指揮者クレメンス・クラウスの指揮で行われました。2002年には日本人指揮者小澤征爾が登場し、ライヴCDが記録的な大ヒットとなったことも記憶に残る出来事です。ちなみに2016年の指揮者には、マリス・ヤンソンスが予定されていますので乞うご期待。

年末年始のクラシックを楽しみたい

「くるみ割り人形」は「白鳥の湖」「眠りの森の美女」と並ぶチャイコフスキー3大バレエ音楽のひとつ。

「くるみ割り人形」は「白鳥の湖」「眠りの森の美女」と並ぶチャイコフスキー3大バレエ音楽のひとつ。

さて、今年のクリスマスや年末年始は、クラシックを聴きながら過ごしたいとお考えの方にワンポイントアドヴァイス。まず最近のクリスマスの定番となりつつあるのが、ヘンデルのオラトリオ「メサイア」。有名な「ハレルヤ・コーラス」を含むこの傑作は、人の声の持つ力を印象的に響かせます。

バレエに興味がある方なら、クリスマス・イヴが舞台のバレエ「くるみ割り人形」もお薦めです。チャイコフスキーの美しいメロディと夢のようなステージが聖夜の気分を盛り上げてくれること間違いなし。

ジルヴェスターとニューイヤーは、共にお祭り気分で楽しめるコンサートの筆頭です。前後のスケジュールや行動エリアからコンサートを選んでみても外れなし。ジルヴェスター・コンサートの余韻に包まれながらの初詣というのも忘れ難い思い出になりそうですね。そしてニューイヤー・コンサートといえばウィンナ・ワルツが定番。

1年のスタートをとびきり華やかな雰囲気の中で過ごしてみてはいかがでしょう。きっと素敵な新年のスタートになるはずですよ。

ダニエル・バレンボイム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団:「ニューイヤー・コンサート2014」
今月の1枚

テレビやラジオを通じて4億人が視聴するというビッグ・イベントのライヴ録音。2014年は巨匠バレンボイムが5年ぶり2度目の登場。定番の「美しく青きドナウ」などのほか、平和を祈念したワルツ「平和の棕櫚」なども披露。
ダニエル・バレンボイム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団:「ニューイヤー・コンサート2014」

ウエルネスライフマガジン 2015年11月号掲載分

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