クラシックトリビア

これさえ知っておけば、安心して楽しめる!「いざ、コンサートデビュー」

皆さんこんにちは。クラシックソムリエの田中泰です。前回の「3分間クラシック入門」はいかがでしたか?「クラシックは思っていたよりも親しみやすそうだ」と感じていただけたなら、幸いです。さて今回は、クラシック・コンサートでの基礎知識、マナーや楽しみ方をお伝えします。レッツ・エンジョイ・クラシック!

コンサートには何を着て行ったらいい!?

クラシックソムリエという仕事柄、クラシックに関する様々な質問が寄せられます。特に初心者の方から多いのが「コンサートには何を着て行けば良いのでしょう?」という質問。そんな時は「服装に決まりはありません。でもせっかくの機会ですから、お洒落をして出かけるのも素敵ですよ」と答えています。

クラシック・コンサートは何も特別なものではありませんが、お洒落がとてもよく似合う場所なのです。ただし、音の出る下駄履きなどは控えた方がよいでしょう。コンサート中に最も嫌がられるのは雑音ですので。通常のコンサートでは、周囲の人に不快な印象を与えたり余計な音を出したりしないことがポイントです。しかし、“ガラ”※と呼ばれる華やかなコンサートでは正装を求められる場合もありますので、こちらは事前にチェックしましょう。

続いて多い質問が「拍手のタイミング」。一般的に、演奏終了後に演奏者への感謝の気持ちを届けるのが拍手です。オーケストラであれば指揮者が手を下ろしてから、ソロ・コンサートであればソリスト(演奏者)の演奏が終わって、緊張がほぐれる瞬間を待ってからがベストタイミング。演奏の余韻も楽しみましょう。

※ガラ・コンサート…何かを記念して特別に企画される演奏会。“ガラ”とはフランス語で、「祝祭」や「公的なパーティー」を意味します。

会場でのスマートな過ごし方は

さて、コンサートホールに足を踏み入れれば、そこからは非日常の世界。重い荷物はクロークに預けて、まずは自分の席を確認します。席がわからない場合はホールの案内係(レセプショニスト)に声をかけて、案内してもらいましょう。奥の席の人を通す時は、席から立ちあがって前を通せばスマートですよ。もしも開演時間に遅れてしまったら、レセプショニストの指示に従って静かにホール内へ入りましょう。演奏中、勝手に入るのはマナー違反ですのでご注意を。

クラシック・コンサートではほとんどの場合「休憩時間」があります。そんな時はバー・コーナーで軽く飲み物を楽しむのはいかがですか? 休憩時間を華やかな気分で過ごすのも、コンサートを楽しむ重要な要素。前半の余韻と後半への期待に話も弾みます。

後半が始まる前にはトイレを済ませておくこともお忘れなく。特にお飲み物を楽しんだ方は、演奏中にトイレに行きたくなったりしないためにもトイレは事前に済ませましょう。でも、もしも途中でトイレに行きたくなったり、具合が悪くなったりした場合には、我慢せずに退出しましょう。その場合も、出来るだけ音を立てず速やかに行動することが大切です。

コンサートの前後も素敵な時間を楽しみたい

非日常の時間を楽しむのがクラシック・コンサートの醍醐味、コンサートの“前後”も素敵な時間を過ごしたいものです。特に重要なのがアフター・コンサートの過ごし方。ホール近くのレストランで食事をしながら、コンサートの余韻を楽しむのはいかがでしょう?

例えば、サントリーホールであれば、ホール前のアーク・カラヤン広場周辺のお店や、ちょっと足を伸ばして六本木や銀座で過ごすのも素敵です。事前にお店を予約しておけばさらに安心。次のコンサートの予定が決まるのも、こんな時間なのかもしれません。

「平日の夜は早めに引き上げたい」という方には、土日祝日の昼間のコンサート(マチネ)がお薦め。そして、コンサートの前にはプログラムの予習もお忘れなく。演奏曲目や演奏者についての知識があれば、コンサートがさらに楽しめること間違いなし。最近では、開演前に出演者が演奏曲目について語る「プレ・トーク」を行うコンサートもありますので、ぜひチェックしてみてください。知れば知るほど楽しめるのがクラシック。それでは、いざコンサートヘ!

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
今月の1枚

サントリーホール前の広場(アーク・カラヤン広場)にも名を遺す20世紀最高の指揮者の1人カラヤンが指揮する「新世界」は、クラシックという新たな世界の扉を開く方にピッタリの1枚。
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

ウエルネスライフマガジン 2015年9月号掲載分

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