『おもちゃの交響曲』に登場するおもちゃの楽器は、現在、ドイツ・バイエルン州の博物館に所蔵されている。
自然の音や動物の鳴き声、人の動きなどを言語化した、擬音語・擬声語・擬態語を指す「オノマトペ」。足を「ドンドン」踏み鳴らしたり、星が「キラキラ」と輝いたり・・・そんなオノマトペが音楽になったような作品を紹介します。
まずは、フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスの『動物の謝肉祭』。〈ライオン〉の勇ましい行進に続いて〈めんどりとおんどり〉がせわしなく動き、〈ラバ〉は大きな荷物を背負って転びそう・・・ユーモラスな楽器の響きが想像力をかき立てます。13曲目の〈白鳥〉では、水面を滑るように泳ぐ白鳥の優美さがチェロで見事に表現されています。
もうひとつは、『おもちゃの交響曲』。弦楽器のメロディーに合わせ、おもちゃの楽器のカッコウ、ウズラ、ガラガラなど(下図参照)が、にぎやかな森の動物たちを演じます。作者は諸説あり、天才モーツァルトの父、レオポルト・モーツァルトの作品として世に出たこともありますが、最近では、おもちゃの楽器の生産地(ドイツ・バイエルン州)が近いことからチロル地方の神父エトムント・アンゲラー説が有力です。
出てくる動物を予想したり、鳴き声をまねしたり。どちらも小さな子どもが夢中になりそうですね。