クラシックトリビア

「クラシックざんまい」のイメージ写真

今年の秋は! 動画で手軽に 「クラシックざんまい」

家で過ごす時間が増え、生活パターンも少しずつ変化する中で、新たな趣味や楽しみを見つけてみませんか? ピアノやギターなど「自宅で練習できる楽器を始めた」という方もいらっしゃるようですが、もっと手軽に、動画でクラシック音楽を楽しんでみてはいかがでしょう。今回は、サントリーホールがお届けする「ENJOY! MUSICプログラム【2020特別編】」から、ご家庭でコンサート気分が味わえるライブ感たっぷりの動画や、現代音楽で使われる珍しい楽器の動画など、芸術の秋を豊かに過ごすためのコンテンツをご紹介します。

ソファでくつろぎながら、束の間ドナウを旅する

初めにご紹介するのは、ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世の3大ウィンナ(ウィーン風)・ワルツ※の一つで、ニユーイヤーコンサートのアンコール定番曲でもある「美しく青きドナウ」。ハプスブルク家が支配した帝政時代からオーストリア“第二の国歌”として親しまれています。

冒頭、ゆったりとしたホルンの音が響き渡り、目を閉じるとかすみがかったドナウ川が浮かび上がってくるようです。続いてピッコロ、フルート、オーボエ、クラリネットが波立つように響き合い、大きな流れとなって盛り上がっていきます。そして中盤から、ワルツのリズムに合わせて踊るタキシード姿の男性とティアラを付けた女性の優雅なバレエが、ヨーロッパ舞踏会の一夜を思わせます。

ドイツの森からオーストリア、ハンガリーを抜けて、やがて黒海へと流れつくまで・・・ご自宅のソファなどでくつろぎながら、ドナウの流れを音で感じ、10分ほどの短い空想旅行をお楽しみください。

※3大ウィンナ・ワルツ・・・「美しく青きドナウ」の他、「皇帝円舞曲」「ウィーンの森の物語」

▲こちらの画面をクリックすると動画が始まります。
(音量のボリュームにご注意ください)

心を揺さぶる響きと映像

「サントリーホールの顔」ともいうべきパイプオルガンの構造や、演奏の難しさについては以前にこのコラムで触れましたが、今回は、その荘厳な響きを迫力の映像とともに体感いただけるコンテンツのご紹介です。

照明を落とした無人の大ホールに、ぽっかりと浮かび上がる巨大なパイプオルガン。厳かに流れるメロディーは、一つの旋律がさまざまに形を変え、繰り返され重なっていく“変奏曲”というスタイルの「パッサカリア」。パッサカリアはイタリアやスペインで流行した舞曲で、バロック時代(17~18世紀)に様式化されたものです。

ここで演奏されるパッサカリアは、バロックの繁栄から1世紀以上を経た1863年生まれの作曲家兼オルガニスト、ウィルヘルム・ミッデルシュルテの手によるもの。最初に繰り返される「シ♭-ラ-ド-シ」の旋律は“音楽の父”バッハ(BACH)のスペルを音名変換※したもので、「バッハ、バッハ、バッハよ!」とオルガンを通して繰り返し叫んでいるようです。

お持ちであれば、ぜひヘッドファンで聴いてみてください。重厚なオルガンの音色が心を揺さぶります。

※音名変換…名前を音名に読み替えること。ドレミファソラシはドイツ語読みでCDEFGAH(ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー)、Bはシの♭となります

▲こちらの画面をクリックすると動画が始まります。
(音量のボリュームにご注意ください)

誰かに教えたい! 見たことない楽器たち

最後は一気に時代を越え、「現代音楽」(20世紀後半から現代までの音楽)のトリビアに足を踏み入れてみましょう。現代音楽では、見ただけではどうやって弾くのか分からない不思議な形の楽器が登場したり、おなじみの打楽器を一風変わった使い方で演奏したりすることも。ここでしか見られない楽器の魅力をご紹介します。

最初に登場する「ウォーターフォン」は、なんと楽器の中に“水”を入れて演奏します。ボディから突き出た棒を弓でこすると、まるで未来から響いてくるような金属音。空気を震わせる不思議な音色は、SF映画の効果音などにも使われているのだとか。次に出てくるのは、おなかに響く重低音でオーケストラでも独特の存在感を放つティンパニと、仏壇に手を合わせる時にチン! と鳴らす「鈴(リン)」のコラボレーション。この二つの楽器(?)がどんな合奏を聞かせてくれるのか・・・下の画面をクリックして、ぜひ確かめてみてください。

▲こちらの画面をクリックすると動画が始まります。
(音量のボリュームにご注意ください)

この他にも、サントリーホール秘蔵の豊富な動画コンテンツが満載の「ENJOY! MUSICプログラム【2020特別編】」。秋の夜長を優雅にお過ごしいただけたら幸いです

「「ベスト・オブ・五嶋みどり」五嶋みどり(バイオリン)」のCDジャケット写真
今月の1枚

1982年、ニューヨーク・フィルとの共演による衝撃のデビュー以来、常に時代の先端を歩み続けてきたバイオリニスト五嶋みどり。彼女の名演のエッセンスをギュッと詰め込んだこのアルバムはコンサートの予習にもピッタリです。
「ベスト・オブ・五嶋みどり」五嶋みどり(バイオリン)

ウエルネスライフマガジン 2020年9月号掲載分

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