
乳酸菌とは、特定の菌種を指すものではなく、腸内で糖を分解して大量の乳酸をつくりだす菌の総称です。 はじめて乳酸菌が発見されてから今日にいたるまで、250以上の乳酸菌の種類が正式に認められています。 その分類方法は諸説ありますが、ここでは代表的な分類方法で乳酸菌について理解を深めていきましょう。


生息する場所で分類する方法
乳酸菌は「植物性」のものと「動物性」 のものに大きく分けることができます。
「植物性乳酸菌」

植物性乳酸菌は、その名が示すとおり野菜や穀物などの植物に含まれる乳酸菌のことをいい、日本人にとってとても身近な菌です。
植物性乳酸菌の代表的な食物としては、しば漬けなどの漬物や
みそ、しょうゆ、
甘酒などの発酵食品に生息しています。
「動物性乳酸菌」

一方、動物性乳酸菌は、ウシやヤギなどの動物の乳に含まれている乳酸菌を指します。
乳糖を栄養とする動物性乳酸菌は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に生息しています。
このほか、人間の腸に生息する乳酸菌を「腸管系乳酸菌」として別に分けることもあります。
生物学的に分類する方法
何百種も存在する乳酸菌は、私たちと同じように名前をもっています。名前の一番頭にくるのが「属」という大きなグループであり、その次に「種」、最後に「株」という順番になっています。ですので、名前をみればその乳酸菌がどの属にあたるものなのか一目でわかります。
代表的な属には、「ラクトバチルス」「ビフィズス菌」
「乳酸球菌」「ロイコノストック」などがあげられます。
ラクトバチルス
ビフィズス菌
乳酸球菌
ロイコノストック
そのほかの分類について
いままでご紹介した分類方法以外にも、乳酸菌の形状が丸いものを「乳酸球菌」、
棒状のかたちをしたものを「乳酸桿菌」として分ける方法もあります。そのほか、乳酸を発酵するときの形式から、
「ホモ乳酸菌」と「ヘテロ乳酸菌」とに分けることもあります。ホモ乳酸発酵では糖から乳酸のみをつくり、ヘテロ乳酸発酵では乳酸以外にエタノールと二酸化炭素を生成します。
いずれにしても、これらの分類は便宜上に使われているものであり、ご紹介した以外にも複数の分類方法が存在しています。
まとめ

今回は、代表的な分類方法を例にあげながら、乳酸菌の種類についてご紹介しました。乳酸菌と一口にいっても、その種類は実にさまざまです。同じ場所に住んでいても、同じような形状をしていても、同じような名前をもっていても、私たち人間も一人ひとり違うように、それぞれの乳酸菌の特徴には違いがあります。
栄養が偏ってしまいがちな現代の食生活だからこそ、いろいろな種類の乳酸菌を積極的に摂取したいものですね。
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