
現在では、乳酸菌が私たちの健康にとって大切な存在であることはよく知られていますが、 その考えはさまざまな研究のうえに成り立っています。 乳酸菌の発見や研究の過程を知ることで、乳酸菌についてさらに理解を深めることができるでしょう。 乳酸菌の発見から現代にいたるまでの歴史を学びましょう。


偉大な科学者たちによる乳酸菌の発見と研究

1857年、乳酸菌をはじめて観察したのは、オランダのアントニ・ファン・レーウェンフックだといわれています。
その後、フランスの科学者ルイ・パスツールによって本格的な乳酸菌の研究が進められ、
発酵や腐敗が微生物によるものだということが明らかになりました。
さらに、微生物を培養する新たな方法がドイツのロベルト・コッホによって考案され、
イギリスの外科医ジョゼフ・リスターが
乳酸菌の培養をはじめて成功させます。
1899年には、パスツールの名を冠した「パスツール研究所」のティシエが、 乳酸菌のひとつであるビフィズス菌を発見します。 乳酸発酵の調査を進め、その生態を科学的に明らかにしたパスツールの没後、ティシエは、 母乳栄養児の便からビフィズス菌を分離することに成功したのです。 ビフィズス菌は、V字やY字のように、先端が枝分かれした個性的な形態をしています。 そのため、ラテン語で「枝分かれ」という意味をもつ「bifidus(ビフィズス)」と命名されました。
現在も続けられる乳酸菌の研究

ティシエがビフィズス菌を発見したその翌年に、オーストリアの モローが赤ちゃんの便から乳酸菌の一種であるアシドフィルス菌を分離することに成功し、乳酸菌の研究はさらに加速することになります。 乳酸菌の研究がスタートしてから100年以上たった現在でも、 パスツール研究所をはじめ世界中で乳酸菌研究は続けられており、新種も発見されています。
乳酸菌を広めるきっかけとなったヨーグルト
乳酸菌といえば、ヨーグルトを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? ヨーグルトが世界各地で食べられるようになるきっかけをつくったのはノーベル賞学者 イリヤ・メチニコフだといわれています。
ブルガリア旅行が結びつけたヨーグルトとの出会い

20世紀初頭ごろ、ブルガリア地方へと旅に出たメチニコフは、ブルガリア人が常食とするヨーグルトに着目し、そこから動物実験などの研究を重ねました。 この研究を機に、ヨーロッパ中の人々がヨーグルトをすすんで食べるようになりました。 また、はっ酵乳に関する研究も進められ、今日にいたっても乳酸菌のさらなる可能性が続々と見いだされています。
乳酸菌の歴史まとめ
偉大なる先人たちの発見と研究が、現在の乳酸菌への理解につながっています。 彼らのおかげで、私たちは乳酸菌の大切さを理解し、手軽に口にすることができるようになりました。 この様に先人の努力の結果、乳酸菌は世界中で私たちの生活を支えてくれているのです。
その他『乳酸菌』の情報
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乳酸菌の概要
私たちの体にすむ乳酸菌は、健康な毎日をサポートする大切な存在です。
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乳酸菌の種類
乳酸菌は、特定の菌種を指すものではなく、腸内で糖を分解して大量の乳酸をつくりだす菌の総称です。
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乳酸菌のサプリメント
現代人の生活は偏りがち。そこでおすすめなのが、私たちの健やかな毎日をサポートする乳酸菌です。
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植物性と動物性
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の、それぞれの特徴をふまえながらその違いについてご紹介します。
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善玉菌と悪玉菌
乳酸菌の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えるために取り入れたい生活習慣についてです。
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乳酸菌の働き
私たちの周りにたくさん存在している乳酸菌には、健康を守ることと、食品を加工するという役割があります。
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乳酸菌と健康
健康維持にはバランスのよい食事に加えて、乳酸菌を補うことがおすすめです。
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乳酸菌とぬか
乳酸菌とぬかの関係について探りながら、ぬかの上手な活用法についてご紹介します。
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乳酸菌とビタミン
私たちの健康に欠かせない栄養素のなかでもビタミンに的を絞って、乳酸菌との関係を探ります。