
私たちの周りにたくさん存在している乳酸菌には、大きく分けて2つの役割があります。 それは、健康を守ることと、食品を加工すること。 乳酸菌は、私たちの生活をより豊かなものにしてくれる大切な菌です。


乳酸菌がもつチカラとは?

人間には、病原菌から体を守り、けがや病気によって受けたダメージを回復する力があります。
それは、生まれながらにしてもっているものですが、加齢、睡眠不足、過労、ストレスなどによって低下していくといわれています。
食品づくりの分野で活躍する乳酸菌

乳酸菌は食品づくりの場面でも活躍しています。
乳酸菌は糖類を分解して乳酸や酢酸などを含む「有機酸」をつくりますが、この有機酸が、みそやしょうゆなどの食品の味をまろやかにしたり、
逆に酸味をつけて味を良くしたり、保存性を向上させてくれたりします。
有機酸のなかでも乳酸は、やわらかな酸味が特徴で、さまざまな発酵食品づくりに利用されています。
また、乳酸による発酵は、その過程でペプチドやビタミンなどを生成するため、食品の栄養価がより高くなるといわれています。
さらに、酵素が食品を分解することによって、消化されやすい状態になっています。こうしたことから、乳酸を使って加工された商品は、いずれも健やかな体の維持に役立つとされています。
弱酸性という環境は、悪玉菌にとって非常に居心地の悪い状態。悪玉菌はアルカリ性の環境を好むため、有機酸が増えると悪玉菌がすみにくくなるといわれています。
乳酸菌がお酒をさらにおいしくする

ヨーグルトやみそなどの発酵食品のイメージがある乳酸菌ですが、日本酒やワインなどのお酒づくりの工程でも活躍しています。
日本酒のなかでも、「生もと」や「山廃」と呼ばれる昔ながらの製法では、
蔵の中の乳酸菌に乳酸をつくらせて酒づくりの環境を整えます。
ワインでは、乳酸菌が、ブドウに含まれる酸のひとつであるリンゴ酸を乳酸に変えます。
「マロラクティック発酵」といわれる方法により、酸味を抑えて、まろやかな風味のワインに仕上がります。
乳酸菌の働きまとめ
乳酸菌は、健やかな体を維持したり、食品づくりの分野で幅広く用いられたりと、私たちの生活のなかでとても大きな役割をもっています。 乳酸菌が含まれている食品を把握し、それらをおいしくいただくことで、毎日をより豊かに彩ることができるでしょう。
その他『乳酸菌』の情報
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乳酸菌の概要
私たちの体にすむ乳酸菌は、健康な毎日をサポートする大切な存在です。
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乳酸菌の種類
乳酸菌は、特定の菌種を指すものではなく、腸内で糖を分解して大量の乳酸をつくりだす菌の総称です。
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乳酸菌のサプリメント
現代人の生活は偏りがち。そこでおすすめなのが、私たちの健やかな毎日をサポートする乳酸菌です。
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乳酸菌の歴史
乳酸菌の発見や研究の過程を知ることで、乳酸菌についてさらに理解を深めることができるでしょう。
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植物性と動物性
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の、それぞれの特徴をふまえながらその違いについてご紹介します。
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善玉菌と悪玉菌
乳酸菌の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えるために取り入れたい生活習慣についてご紹介します。
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乳酸菌と健康
健康維持にはバランスのよい食事に加えて、乳酸菌を補うことがおすすめです。
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乳酸菌とぬか
乳酸菌とぬかの関係について探りながら、ぬかの上手な活用法についてご紹介します。
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乳酸菌とビタミン
私たちの健康に欠かせない栄養素のなかでもビタミンに的を絞って、乳酸菌との関係を探ります。