口臭ケアにおすすめの方法とは?
口臭のおもな種類や原因についても解説

口臭は健康な人にもあるにおいですが、起床時やにおいの強い食事をとったあとなどは特に気になる、という方もいるでしょう。

口臭は、自分で気付かないまま周囲を不快にさせている場合もあり、極めて社会的な健康問題といえるかもしれません。

この記事では、口臭の種類や口臭を引き起こす原因について解説し、口臭ケアの方法を取り上げます。口臭が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

1.口臭にはおもに4種類がある

口臭とは、周囲の人を不快にしてしまうレベルの、口から出る息のにおいのことです。大きく分けて、口臭は4つの種類に分けられます。

1-1.生理的口臭

健康な人にもある口臭で、起床時や空腹時、緊張時などに発生しやすくなっています。これは唾液の分泌が少なくなり、口腔内に細菌が増えることで、口臭の原因物質(揮発性硫黄化合物)が作られるためです。

生理的口臭は、食事をして唾液量が増えたり、歯磨きなどで細菌や原因物質を減らしたりすることで軽減されます。

なお、生理的口臭には、年齢に応じた口臭や、女性のホルモンバランスの変化による口臭なども含まれます。

1-2.外因的口臭

においの残るネギやニンニクなどの食品、タバコなどの嗜好品を原因とする口臭のことです。飲食等を原因とする外因的口臭は、時間の経過とともに解消します。

1-3.心因性口臭

口臭の検査をして異常がない場合でも、「口臭が強い」と思い込んでいるケースがあり、精神的に不安定な場合やストレスがある場合に見られることがあります。

また、ストレスによって唾液が減少し、口臭の原因を作ることはあります。

1-4.病的口臭

何らかの病的な原因で発生する口臭のことです。呼吸器系・消化器系の病気、肝臓疾患などの病気、高血糖の状態で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の80%以上は口腔内に原因があります。

具体的には、歯周病や虫歯、歯垢、舌苔、義歯の汚れ、唾液の減少などが挙げられます。

2.口臭の原因物質とは?

前述した4種類の口臭のうち、正常な生活で発生する生理的口臭や外因的口臭は、治療の必要はありません。そのため、においの質や強度が問題となるいわゆる「口臭」には含めないとされています。

社会生活上で問題になっている口臭のおもな原因は、口腔内で発生する揮発性硫黄化合物という物質です。

揮発性硫黄化合物は、歯垢や舌苔、唾液中にいる細菌が、食べかすや粘膜細胞などのタンパク質・アミノ酸を分解することで発生します。特に、歯周病や舌苔から多くの揮発性硫黄化合物が発生します。

3.口臭を防ぐためのケア方法

口臭を防止するには、適切なケアをして口腔内を清潔に保ち、食生活にも気を付けることが大切です。それでは、ケア方法について詳しく解説していきます。

3-1.歯磨きや舌清掃をする

口臭の80%以上は口腔内に原因があるため、まずは口腔内を清潔に保つようにしましょう。

毎食後に歯磨きをするのが理想的ですが、難しい場合は、口臭予防のガムなどを使うのも効果的です。歯磨きの際は、歯間ブラシやフロスを使って、歯垢をしっかり取り除いてください。

それに加えて、舌清掃を行なうのも効果的です。

口臭のもとになる揮発性硫黄化合物は、舌の上で最も多く発生します。舌の表面に付着している舌苔(白い苔状のもの)を除去すると、口臭予防につながります。

舌清掃は舌を傷付けないように、できれば専用のブラシを用意し、次のような手順で行ないましょう。

  • 1. 起床時に一日1回行なう

  • 2. 鏡を見ながら、舌の奥に舌苔が付いていないか確認する

  • 3. 舌ブラシを一番奥に当て、力を入れすぎないようにしながら、軽く手前に引く

  • 4. 1回ごとに舌ブラシの汚れを水道水で流し、3回ほど繰り返す

舌ブラシがない場合は、やわらかい歯ブラシやタオルで代用できますが、舌の粘膜を傷付けないようにやさしく行ないましょう。

3-2.歯科医院で定期検診を受ける

定期的に歯科医院で健診を受け、口臭の原因になる歯周病や虫歯がないかチェックしてもらいましょう。特に歯周病は痛みもなく進行するので、家族などから口臭の指摘をされた場合は、早めに受診して治療を受けてください。

また、専門家に歯石除去や歯の清掃をしてもらうのもおすすめです。

3-3.規則正しい食生活を心がける

口臭予防には、規則正しい食生活を心がけ、唾液の分泌を盛んにすることが大切です。

例えば、朝食を抜くと唾液の分泌が促進されないため、口腔内の雑菌が減りません。このように、不規則な食生活は唾液の分泌にも悪影響をおよぼすことから、口臭を悪化させる原因になります。

また、口臭予防には、アルカリ性食品を多く摂取するのがおすすめです。アルカリ性の食品とは、カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウムを含む食品です。これらを多く含む緑黄色野菜や海藻類、果物などを積極的に食べましょう。

口臭予防には口腔内のケアを積極的に行ないましょう

口臭は、おもに口腔内の状態に起因します。したがって、口臭予防には口腔内を清潔に保つことが何よりも大切です。

毎日の歯磨きや歯間ブラシなどでの清掃に加え、舌清掃を取り入れると口臭ケアに有効です。もし、歯周病や虫歯などがある場合は、歯科医院を早めに受診し、専門的な治療を受けましょう。

監修者情報

氏名:福田尚美(ふくだ・なおみ)
歯科医師臨床研修終了後、審美歯科・ホワイトニング専門医院に勤務。現在は一般歯科・小児歯科非常勤勤務のかたわら歯科医師としての知識と経験を生かし、歯科医師webライター、歯科企業やオンラインセミナーのサポートなども行なっている。