口臭の原因とは?口臭の予防法についても解説

「臭っていないかな?」「大丈夫かな?」と、口臭を気にする方は多いのではないでしょうか。口臭は自分で気付きづらく、他人も指摘しづらいため、気付いていないこともあるかもしれません。

口臭を予防して爽やかに過ごすには、どうすればよいのでしょうか。今回は、口臭の原因や予防方法について解説します。

1.そもそも口臭とは?

口臭とは、口や鼻を通して出てくる悪臭のことで、特に限度を超えるような悪臭のことを口臭といいます。口臭には、大きく分けて以下の4種類がありますが、その原因の多くは口腔内にあります。

  • ・生理的口臭:唾液の分泌が少ない、空腹時や起床直後などに生じる口臭

  • ・外因的口臭:喫煙や、においのあるニンニク・ネギなどの食品による口臭

  • ・心因的口臭:ストレスなどの精神的な要因によって生じる口臭

  • ・病的口臭:何らかの病気が原因となって生じる口臭

自分の舌を見てみると、表面に白いものがついていないでしょうか。この白いものは舌苔(ぜったい)と呼ばれています。舌苔がある方は、舌をきれいに掃除することで、ある程度の口臭を予防できるでしょう。

なお、おもな口臭の原因物質とされているのは、メチルメルカプタンや硫化水素、ジメチルサルファイドなどです。それでは、次章で口臭の原因を詳しく見ていきましょう。

2.口臭の原因

前述したように、口臭の原因の80%以上は口腔内にありますが、原因は口腔だけではありません。飲食物や生理的要因などによって、口臭が発生することもあります。

2-1.口腔(口の中)が原因

口臭の大部分は、口の中にあるガスが原因です。私たちの口腔内には、嫌気性菌が住んでいます。この嫌気性菌がタンパク質やアミノ酸を分解して、揮発性硫黄化合物であるメチルメルカプタンや硫化水素、ジメチルサルファイドを発生させているのです。揮発性硫黄化合物のうち、硫化水素とメチルメルカプタンが全体のおよそ90%を占めています。

揮発性硫黄化合物は、おもに歯周病や口内炎、舌苔や唾液などで作られます。なかでも歯周病と舌苔は、揮発性硫黄化合物が作られる原因となりやすいので注意しましょう。

2-2.飲食物や嗜好品が原因

ニンニクやネギなどを食べると口臭が発生しやすいのは、含まれているアリル化合物やセレニウム化合物などのガスが原因です。これらのガスが腸を介して肺から排出され、口臭が強くなってしまうのです。タバコなどの嗜好品も、口臭の原因になります。

ニンニクやタバコなどが口臭の原因の場合、ある程度の時間が経つと自然に改善されていくため、特に治療は必要ありません。

2-3.生理的口臭が原因

起床直後や空腹時、緊張したときなどは誰でも口臭が強くなります。これらのタイミングは唾液の分泌量が少なくなって、口腔内で細菌が増殖しやすいためです。細菌が揮発性硫黄化合物を産生し、口臭が発生します。

生理的な要因で起こる口臭は、歯磨きや水分補給などによって改善が可能です。そのため、治療の必要はありません。

2-4.ストレスなど精神的なものが原因

ストレスなどを感じて唾液の分泌量が減ることで、口臭が発生することがあります。

また、自分では口臭が強いと思い込んでいても、実際に検査すると口臭の発生は見られない「自臭症」というケースもあるでしょう。このケースは、精神が不安定な場合に見られることが少なくありません。

3.口臭の予防法

多くの口臭は舌苔が原因のため、口臭の予防には、まず舌ブラシを使って舌をきれいに掃除することが大切です。舌の奥から手前に向かって軽く引き、汚れが舌ブラシにつかなくなるまで何度か繰り返します。起床後に1回舌磨きをするだけで、口臭の予防が可能です。

歯周病が原因の場合は、歯医者を受診して治療を受けてください。歯周病による口臭は自分で気が付かないことも多いため、定期的に歯科健診を受けることが大切です。

口臭の原因を知って対策を行ないましょう

口臭の原因としては、口腔内から発生する揮発性硫黄化合物、ニンニクなどの食品やタバコなどの嗜好品が挙げられます。口臭の多くは舌苔が原因で発生しているため、予防するには舌を日々清掃することが重要です。

起床後は、舌ブラシに汚れがつかなくなるまで、奥から手前に向かって軽く引きながら舌苔を落とします。また、定期的に歯科健診を受診し、歯茎や歯に異常がないかを見てもらうことも大切です。

監修者情報

氏名:福田尚美(ふくだ・なおみ)
歯科医師臨床研修終了後、審美歯科・ホワイトニング専門医院に勤務。現在は一般歯科・小児歯科非常勤勤務のかたわら歯科医師としての知識と経験を生かし、歯科医師webライター、歯科企業やオンラインセミナーのサポートなども行なっている。