目次
1.吐血について
吐血とは、食道や胃など消化管からの出血によって血を嘔吐することです。食道静脈瘤が破裂したり、胃潰瘍から出血したりすると、吐血する場合があります。
吐血の量や吐き出す血の色は原因疾患によって異なり、色は鮮血色から黒いものまでさまざまです。
「いきなり吐血して倒れたりすると聞いたことがあるけれど、本当?」
「吐血は、どのような病気が原因になるの?」
このように吐血に対して、恐怖感を覚える人も少なくないのではないでしょうか。
吐血を起こしうる疾患のなかには食道静脈瘤や腹部大動脈瘤などの重大な病気もあるため、正しく理解することが大切です。
今回は、吐血の原因疾患や吐血につながる危険因子などを解説します。
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吐血とは、食道や胃など消化管からの出血によって血を嘔吐することです。食道静脈瘤が破裂したり、胃潰瘍から出血したりすると、吐血する場合があります。
吐血の量や吐き出す血の色は原因疾患によって異なり、色は鮮血色から黒いものまでさまざまです。
病気以外の要因で、吐血につながりうるものを解説します。
喫煙は、胃潰瘍や腹部大動脈瘤など、吐血をともなう病気を発症する原因です。タバコに含まれるニコチンは胃液の分泌を促進するため、胃壁を荒らしてしまいます。また、腹部大動脈瘤の最大の原因は、喫煙がもたらす血管の老化現象だと考えられています。
ストレスは、胃潰瘍や大動脈瘤など吐血を招く危険因子の一つです。ストレスにより胃酸過多が引き起こされることで胃潰瘍につながったり、大動脈の血管壁がもろく弱くなった部分がふくらみ、瘤(こぶ)ができたりすることがあります。
吐血する可能性がある病気について解説します。
食道静脈瘤とは、食道静脈に瘤ができる病気です。食道静脈瘤が破裂すると大出血による大量の吐血を起こすため危険性が高いとされています。食道静脈瘤による吐血は、鮮血色を呈します。
喀血を起こす原因疾患は、気管支拡張症や非結核性抗酸菌症など多種多様です。喀血の色調は新鮮な鮮血色であることが多く、気泡を含む場合もあります。寝ているときに喀血して血を飲み込んでしまうと嘔吐することもあり、その場合は胃液によって黒褐色に変色した血液が吐き出されます。
大動脈瘤のなかでも、腹部大動脈瘤は特に頻度が高い疾患です。原因の多くは血管の老化現象によるもので、喫煙や高血圧、脂質異常症、高血糖の状態などが引き金となって発症します。腹部大動脈瘤は自覚がほとんどなく、現象のないまま破裂して吐血や血便などの大量出血を起こし、激痛が生じるケースも見られます。
胃潰瘍による出血が起こると、吐血する場合があります。胃潰瘍で吐血した場合、血の色は胃酸の影響を受けて、どす黒い色になっています。下血した場合には、タールのような黒色便となります。
胃潰瘍はみぞおちの痛みをともなうことが多く、食後に胸やけやげっぷなどの現象とともに痛みが出るケースもあります。飲酒は節度ある適度な量にし、喫煙やピロリ菌感染にも注意が必要です。
食道静脈瘤や腹部大動脈瘤、胃潰瘍などの疾患では、吐血をともなう場合があります。喫煙やストレスは吐血を起こす疾患の危険因子になる場合もあるため、日頃から禁煙やストレス対策に意識的に取り組むことも大切です。
腹部大動脈瘤などの疾患は危険性が高いため、健康診断などで指摘されたときには適切な治療を受けなければなりません。吐血につながる疾患を正しく理解して、予防に努めましょう。
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。
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