1.イカに含まれる栄養素について
イカに含まれるおもな栄養素には、タウリンと銅(Cu)があります。ここでは、それぞれの特徴について解説しましょう。
1-1.タウリン
タウリンとは、タンパク質が分解される際に生成されるアミノ酸と同じような栄養素です。臓器や組織など、体内に幅広く存在しており、生命維持のために重要な働きをしています。おもに魚介類や軟体動物に多く含まれているのが特徴です。
タウリンには、次のような効果があります。
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・悪玉コレステロールを減らす
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・心臓や肝臓の機能向上
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・視力回復
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・インスリン分泌促進
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・血圧を下げて正常な血圧を維持する
人体でタウリンを生成することは可能ですが、それだけでは必要な量は確保できません。そのため、食品から補う必要があります。
1-2.銅(Cu)
銅(Cu)とは、骨・肝臓・血液・脳など、体内の幅広い臓器や組織に分布しているミネラル成分です。おもに魚介類・肉類・豆類・軟体動物(イカ・タコ)などに含まれています
銅(Cu)には次のような効果があります。
2.イカを使った料理レシピ
ここでは、以下を使ったレシピ3品を紹介します。
2-1.イカの簡単姿焼き
まず紹介するのはサッと作れる「イカの簡単姿焼き」です。
【材料】2人分
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・スルメイカ 2杯
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・サラダ油 小さじ2
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・酒 小さじ2
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・焼肉のタレ(市販品・甘口) 大さじ2
【作り方】
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1. スルメイカはワタと軟骨を取り除き、水でしっかり洗います。ゲソは食べやすいサイズにカットし、胴は表面全体に約5mm幅の切り込みを入れましょう。
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2. サラダ油を入れたフライパンを熱し、1のスルメイカを焼きます。熱で両面の色が変化したら酒を入れ、火が通るまでフタをして蒸し焼きにしましょう。
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3. 焼肉のタレを加え、中火~弱火で全体にタレを絡めたら、皿に盛って完成です。
イカは加熱し過ぎると硬くなる性質があるため、火加減には注意しましょう。
2-2.イカとじゃがいもの白ワイン風炒め
次に紹介するレシピは、おつまみにも最適な「イカとじゃがいもの白ワイン風炒め」です。
【材料】2人分
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・イカ 2杯
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・じゃがいも 1個
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・にんにく 1片
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・オリーブ油 大さじ1
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・白ワイン 大さじ2
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
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1. イカは内臓と軟骨を取り、胴を約8mm幅で輪切りにします。ゲソは食べやすい大きさにカットしておきましょう。
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2. じゃがいもは皮をむいて8mm幅の半月切りにし、熱容器に並べます。ラップをして電子レンジ(600W)で約4分加熱しましょう。
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3. にんにくはみじん切りにします。
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4. オリーブ油を敷いたフライパンを中火で熱し、にんにくを炒めましょう。にんにくの香りがしてきたら、1のイカを加えます。
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5. イカの色が変わったら2のじゃがいもを入れて加熱し、白ワインも入れましょう。
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6. 水分がなくなってきたら、塩・こしょうとパセリのみじん切りを加え、炒め合わせたらできあがりです。
白ワインが味を決めるシンプルなレシピです。
2-3.イカのエスニックフライ
最後に紹介するレシピは、サクサクの食感が特徴の「イカのエスニックフライ」です。
【材料】2人分
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・イカ 2杯
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・薄力粉 50g
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・片栗粉 10g
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・パプリカパウダー 小さじ1
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・クミンパウダー 小さじ1
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・炭酸水 100ml
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・揚げ油 適量
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・レモン 1/4個
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・レタス 適量
【作り方】
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1. イカは内臓と軟骨を取り除きます。胴は1.5cm幅の輪切りに、ゲソは2等分にしましょう。レモンはくし型切りにします。
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2. 薄力粉・片栗粉・パプリカパウダー・クミンパウダーをボウルの中でしっかり混ぜ合せたら、イカを加えて粉を付けます。さらに炭酸水を入れて、軽く混ぜましょう。
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3. 170~180度に温めた揚げ油に、2を1つずつ入れます。表裏をひっくり返しながら1分半~2分程度、こんがりと焼き色が付くまで揚げましょう。
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4. レタスを敷いた器に盛り付けて、レモンのくし型切りを添えたら完成です。
炭酸が抜けるとカリッと揚げられないため、炭酸水を混ぜたらすぐに揚げましょう。そのためにも、あらかじめ揚げ油を温めておくことが大切です。
イカをうまく食生活に取り入れて元気になろう!
イカにはタウリンや銅(Cu)といった、健康な体を維持するために重要な栄養素が多く含まれています。タウリンはコレステロールの吸収を抑えたり、肝臓や心臓の機能向上を手助けしてくれたりする重要な存在です。銅(Cu)は、免疫力の向上や貧血予防といった効果があります。
しかし、タウリンは十分な量を体内で生成できません。そこで、タウリンを多く含む食品であるイカを食生活に取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。