目次
1.トイレの回数が多い「頻尿」とは?
頻尿とは「尿が近い、尿の回数が多い」という症状をいいます。
具体的には「昼間の排尿回数が8回以上」ある場合が該当するので、心あたりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょう。
「夜中に何度も尿意で目覚めてしまう」「水分を多く摂っていないのに尿の量や回数が多い」など、尿の問題で日常生活に支障をきたしていませんか?
これらはいずれも「頻尿」による症状の可能性があります。
頻尿の大きな原因は、加齢や生活習慣によるものなどが挙げられますが、一方で病気によって頻尿になってしまう場合もあります。
ここからは、具体的にどの程度を「頻尿」というのか、またその原因について解説します。
目次
頻尿とは「尿が近い、尿の回数が多い」という症状をいいます。
具体的には「昼間の排尿回数が8回以上」ある場合が該当するので、心あたりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょう。
頻尿が起こるのは、いくつかのパターンが考えられますが、なかでも代表的なものは、以下のパターンです。
尿意がない、または少しの尿意程度でも、出かける前や電車に乗る前に心配だからといってトイレに行く方も多いでしょう。これらは、膀胱がためることができる最大容量よりも早くに、少量の尿を何度かに分けて排尿することによる頻尿であり、病気ではありません。
水分摂取量が過剰なことにともない、腎臓で作られる尿量が増え、結果的に排尿の頻度が高まる場合もあります。脱水防止として適量の水分摂取がすすめられますが、必要以上の水分は排泄されるだけで、頻尿の原因としては多いです。
また、美容や健康のために無理に水分を多く摂る方もいますが、多く摂れば摂るほど血流の改善や美容的に効果をもたらすという根拠はありません。
急にやってくる強い尿意や我慢できないほどの尿意により、不安で何度も排尿をする傾向がある場合は「過活動膀胱」が考えられます。女性の場合は女性ホルモンのエストロゲンの低下や骨盤の緩みによるもの、男性の場合は前立腺肥大症が関わっている場合もありますので、医療機関への受診をするようにしましょう。
排尿してもスッキリせず、またすぐにトイレに行きたくなる場合は「不完全尿閉による頻尿」が考えられます。排泄しきれなかった尿が膀胱に残存したままなので、時間をおかずに再び膀胱内の尿がいっぱいになり、頻回に尿意をもよおすものです。
腎臓・膀胱の機能に影響が起こることもあるため、この場合も医療機関への受診をおすすめします。
昼間は気にはならないものの、夜間、就寝の意思を持って布団に入ってから、朝起きて布団から出るまでの間に、何度も尿意をもよおすことを「夜間頻尿」と呼びます。
加齢にともない夜間頻尿を自覚する方の割合は高くなり、高齢になるほどトイレに行く回数が増えていく傾向がみられるようです。実際、70代以上の20~30%ほどの方が、夜間に3回以上の排尿があるという報告もあります。
高齢者の場合、夜間頻尿にともない、寝不足などで睡眠の質が低下することから日中の生活への影響や、夜間の暗いなかを歩行することでの転倒の危険が考えられるでしょう。
この夜間頻尿は、以下のような原因が考えられます。
夜間頻尿の原因も、2章でご紹介した「過剰な水分摂取にともなう頻尿」と同様、水分摂取量が過剰であるケースが考えられます。
このケースの場合、まずは自分が一日でどのくらいの水分量を摂取しているのかを確認し、以下の基準以上を摂取している場合は改善を図るのがおすすめです。
一日3食の食事以外で摂取する水分量をご自身の体重の2~2.5%にし、24時間で排泄する尿量は体重1kgあたり20~25ml程度が望ましいでしょう。
体重50kgと60kgの方の一日に摂取する水分量は、以下のようになります。
・50kgの体重の場合:1,000~1,250ml
・60kgの体重の場合:1,200~1,500ml
また、カフェインを含む飲みものは利尿作用があります。そのため、寝る直前には節度ある適度な量にするようにしましょう。
頻尿は病気によって引き起こされる場合もあるため、特に注意が必要です。頻尿が症状として現れる代表的な疾患の一つに、前立腺肥大症(男性の場合)があります。
前立腺肥大症は、前立腺の内側が肥大し尿道や膀胱を圧迫して、夜間頻尿をはじめ、排尿時の勢いが弱まったり、腹部に力を入れないとうまく排尿できなかったりするなど、排尿に関してさまざまな症状を呈する病気です。
その他に、高血圧、睡眠障害、糖尿病などの病気が原因となっている可能性もあるでしょう。
また、病気の治療のために飲んでいる薬剤の影響で頻尿になることもあります。
これまで述べてきたように、頻尿の原因は一つとは限りません。水分を多く摂りすぎているなど生活習慣が原因の場合もあれば、睡眠障害や前立腺肥大症などさまざまな病気の影響によることもあります。
病気が原因であれば治療が必要となりますので、気になる場合はご自身で判断をせず医療機関へご相談ください。
毎日の排尿がストレスにならないように早めに原因を見つけて対処しましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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