目次
1.アミノ酸とは
アミノ酸は、たんぱく質を構成している物質のことです。自然界のなかにはたくさんのアミノ酸がありますが、たんぱく質をつくる成分となるのはわずか20種類のみで、1つでも欠けているとたんぱく質を合成することができません。人の体を構成する要素としては水の次に多いことから、アミノ酸は私たちの体にとっては必要不可欠なものといえるでしょう。
たんぱく質を摂取すると体内でアミノ酸に分解されるため、日頃の食事からは自然と摂取できています。
たんぱく質は、エネルギーをつくりだして筋肉や皮膚・髪など体を構成するために重要な栄養素です。
このたんぱく質を構成し、20種類あるうちの一つでも欠けるとたんぱく質として合成できない要素が、アミノ酸です。人の体を構成する要素では水に次いで多いもので、私たちの体をつくるために欠かせない要素となっています。
今回は、そのアミノ酸の働きや種類について解説します。
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アミノ酸は、たんぱく質を構成している物質のことです。自然界のなかにはたくさんのアミノ酸がありますが、たんぱく質をつくる成分となるのはわずか20種類のみで、1つでも欠けているとたんぱく質を合成することができません。人の体を構成する要素としては水の次に多いことから、アミノ酸は私たちの体にとっては必要不可欠なものといえるでしょう。
たんぱく質を摂取すると体内でアミノ酸に分解されるため、日頃の食事からは自然と摂取できています。
アミノ酸はおもに以下の2種類にわけられます。
20種類のアミノ酸のうち、人が体内で合成できないものを必須アミノ酸といいます。
バリン・ロイシン・イソロイシン・ヒスチジン・メチオニン・スレオニン・トリプトファン・フェニルアラニン・リジンの9種類で、これらは食事から補う必要があります。
必須アミノ酸を食事から効率的に摂るためには、「アミノ酸スコア」に注目するとよいでしょう。アミノ酸スコアは、食品中に必須アミノ酸がバランス良く含まれているかどうかを示す指標で、スコアが100に近い食品ほど良質なたんぱく質といえます。
なお、アミノ酸スコアが100の食品として代表的なものは、あじ、さけ、まぐろ、豚肉、鶏肉、牛肉、牛乳、卵など、比較的身近な食品です。そのため、通常の食事を摂っていれば必須アミノ酸が不足することはありません。
体内で合成できない必須アミノ酸に対し、体内で糖質や脂質から合成できるものは、非必須アミノ酸と呼ばれます。
グリシン・アラニン・セリン・アスパラギン酸・アスパラギン・グルタミン酸・グルタミン・アルギニン・システイン・チロシン・プロリンの11種類です。
ここからは、アミノ酸の摂取によって期待できる効果について説明します。
必須アミノ酸であるバリン・ロイシン・イソロイシンは総称して「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」と呼ばれます。このBCAAは筋肉の分解を抑え、筋肉の維持や増強を担う役割を持っており、筋肉内の必須アミノ酸のなかで約30~40%はBCAAで構成されています。そのため、BCAAは筋肉量を増やしたい人や、肺の疾患を持つ人が消耗した呼吸筋の損傷を防ぐためなどに有効な成分です。なお、筋肉量を増やしたい人は、並行して運動も行なう必要があります。
BCAAが多く含まれる食品は、鶏肉・牛肉・まぐろの赤身・かつお・卵・牛乳などです。
オルニチンは「遊離アミノ酸」と呼ばれるものの一つで、細胞や血液などに存在し、肝臓においてアンモニアの分解を促す働きがあります。一般的にはしじみに含まれる成分として知られていますが、きのこにもたくさん含まれています。なかでも、ぶなしめじはしじみの約5倍のオルニチンが含まれているとされています。
アルギニンは、成長ホルモンの分泌の促進や、脂質代謝の促進、免疫機能を高めるなどの働きがある成分です。アルギニンを主要成分とした輸液の点滴は、術後の感染症予防など、回復のサポートを期待して利用されています。
アミノ酸はたんぱく質を合成するための全20種類ある成分で、各要素によって筋肉をつくったり、免疫機能を高めたり、肝臓の働きをサポートするなどの効果があるとされています。
アミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸があり、必須アミノ酸は体内で合成することができません。そのため、食事から能動的に摂取する必要があります。その際、押さえておきたいのが、「アミノ酸スコア」です。スコアが高値な食品ほど良質なたんぱく質を含み、効率的に必須アミノ酸を摂ることができます。
スコアの高い食品は肉や魚、牛乳や卵など、日々の食事において身近な食品が多いため、食事でたんぱく質をしっかり摂れていればアミノ酸が不足することはないでしょう。
しかし、バランスの良い食事自体は私たちの健康維持にとっても非常に重要です。アミノ酸摂取のためだけでなく、日頃からバランスの良い食事を心がけましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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