生活リズムは何で決まる?整える方法を解説

生活リズムが崩れてしまい、どのように整えれば良いのか迷うこともあるでしょう。生活リズムは、実際の時間と体内時計との時差をなくすことが重要なポイントとなります。

そこで注目したいのが、毎朝の習慣です。

この記事では、生活リズムを決める基準や整える方法について解説します。「最近、生活リズムが崩れてきた」と感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.生活リズムは何で決まるのか

人の体には約25時間周期の体内時計が備わっていますが、一日は24時間のため、約1時間の時差が発生することになります。時差を調整せずに生活していると、体のリズムが少しずつずれてしまいます。

体内時計と実際の時間がずれている状態が続くと、理想的な時間に寝たり起きたりすることが困難になります。さらに、時差を修正しないまま無理に24時間のサイクルに合わせて生活を送ると、眠気や頭痛、倦怠感などの不調が現われます。

そこで、体内時計を24時間に調整するために毎日必要となるのが、体内時計のリセットです。体内時計のリセット方法には、「朝日を浴びること」と「朝食を食べること」が挙げられます。朝日は、脳内にある時計を調整し、朝食は内臓の時計を調整します。

2.生活リズムを整える方法

体内時計と実際の時間のサイクルを合わせるには、日々の生活習慣が重要です。
ここでは、生活リズムを整える具体的な方法について解説します。

2-1.朝日を浴びる

体内時計は、外部のさまざまな刺激によって修正されています。特に、光は強い刺激となるため、朝日を浴びることは生活リズムの調整に効果的です。

なお、朝日には、体内時計を早めて24時間に調整する効果が期待できます。朝日を浴びるタイミングは起床直後が特に良いとされているので、朝起きたらカーテンを開けて、朝の光を部屋中に取り込みましょう。

2-2.夜に強い光を浴びない

生活リズムを整えるためには、夜に光を浴びないようにしましょう。これは、夜の光に体内時計を遅らせる効果があるためです。

夜遅い時間になるほどその効果は強まり、室内で長時間照明を浴びただけでも体内時計が遅れてしまいます。特に、昼白色や昼光色などの白い光の蛍光灯は、体内時計を遅らせる作用が強いため、夜はオレンジがかった暖色系の照明がおすすめです。日中と夜間で浴びる光を調整すると、生活リズムが整うでしょう。

2-3.朝食をきちんと食べる

栄養バランスの良い朝食をきちんと食べることで、体を目覚めさせ生活リズムを整えられます。特に、ごはんやパンなどの炭水化物は、脳のエネルギー源になる重要な栄養素です。

さらに、肉・魚・卵などのたんぱく質も摂取すると、体温と代謝アップの効果が期待できるでしょう。

体内時計は、食事をとる時間を基本にして、活動と休息を決めているといわれています。そのため、朝食を抜いてしまうと体内時計が25時間のままで修正されず、時差によって体調を崩すことになるでしょう。

2-4.運動や入浴習慣を見直し良質な睡眠を取る

しっかり眠るためには、生活リズムを整え、睡眠と覚醒のリズムを一定に保つことが重要です。>睡眠の質を高めるためには、いくつか注意すべきポイントがあります。

まず、寝る直前の食事は避けることが大切です。食事をすると消化活動が活発になり、睡眠を妨げます。

また、運動を習慣化することも良質な睡眠を維持するために重要ですが、激しすぎる運動は睡眠を妨げるおそれがあります。そのため、習慣化するには、散歩や軽いランニングなどの有酸素運動を選びましょう。特に、就寝の約3時間前に運動をすることで、寝つきが良くなることが期待できます。

快眠は、入浴のタイミングも重要です。寝つきを良くするためには、就寝の2~3時間前に入浴することをおすすめします。約38度のお湯なら25~30分、約42度のお湯なら約5分浸かってみましょう。

入浴は、半身浴でも効果的です。38~39度のお湯に腹部まで浸かり、30分程度入浴すると寝つきが良くなります。ぜひ、自分に合った入浴の方法を試してみてください。

生活リズムを整えて健康的な毎日へ

体内時計と実際の時間に生じる約1時間の時差を調整せずに過ごすことは、体調不良を引き起こす原因となります。そのため、生活習慣を見直して体内時計をしっかり調整することが大切です。

朝はしっかり太陽光を浴びて目を覚ましてから、バランスの良い朝食をとり、夜は明るい光を避けて、暖色系の穏やかな照明を使うことが理想といえます。

健康的な毎日を送れるよう、このように日々の生活を見直してみてください。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医