プロテインとは?プロテインの種類と効果を解説

プロテインといえば、筋トレやスポーツなどを日常的に行なっている人が飲んでいるというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。プロテインは筋肉をつくることに加え、私たちの体に欠かせない栄養素を含んでいます。

今回はプロテインの働きや、摂取すると期待できることについて解説します。

1.プロテインとは?

ここからは、プロテインの具体的な説明と、摂取する目的について解説します。

1-1.プロテインとはなにか

プロテインとは、いわゆるたんぱく質のことを指します。人間の体において筋肉・臓器・皮膚・髪などをつくる材料となり、また、ホルモン・酵素・抗体などの体の機能を調整する成分となる重要な栄養素です。

たんぱく質には豊富な種類があり、そのどれにも20種類のアミノ酸が結合し構成されています。20種類のアミノ酸には、体内ではつくることができない必須アミノ酸と、体内でつくられる非必須アミノ酸に区別され、必須アミノ酸をバランス良く摂取できる食品は特に「良質なたんぱく質」と呼ばれています。

良質なたんぱく質とされる食品は、おもに肉・卵・大豆製品などです。たんぱく質を多く含むことで知られる食品が挙げられるでしょう。

たんぱく質が不足すると、成長期の子どもの場合は成長障害が起こったり、貧血、体力や免疫力の低下、筋肉が付きにくくなったりするなど、身体的にさまざまな問題を生じるとされています。

1-2.低栄養とたんぱく質

健康的な体を維持するための栄養が十分に摂れていない状態を「低栄養」といいますが、なかでもたんぱく質とエネルギーがどちらも十分に摂れていない状態は「PEM」(Protein energy malnutrition)と呼ばれています。

一般的には加齢にともなって食事量は減少し、味付けがあっさりしているものを好むようになる人が多く、それゆえに食事の偏りが起きやすくなります。そのような食事の偏りが長く続くと食事から摂るたんぱく質やエネルギーが不足傾向となり、PEMのリスクも高まるのです。

また、高齢者のなかには、生野菜や果物・肉を摂る機会が減ってビタミンやミネラルが不足したり、固いものや繊維が多い食品を摂りづらくなって食物繊維の摂取量も不足したりするケースも見られます。そのため、できる限り食べやすい状態で食事からの栄養素をしっかりと確保することが大切です。

2.プロテインの種類や効果

プロテインと一言でいってもいくつかの種類があり、それぞれに異なる効果があります。
プロテインを摂取する場合は、各種類の目的をしっかりと理解したうえで摂取することが大切です。

2-1.ホエイプロテイン

ホエイプロテインとは、牛乳由来のプロテインで吸収が速いという特徴があります。
ホエイとは、乳由来の透明な成分で、別名は乳清ともいいます。ヨーグルトを食べるときにときどき透明な液体がありますが、これもホエイです。おもにトレーニング後の栄養補給のために利用されます。

2-2.カゼインプロテイン

カゼインプロテインとは、ホエイプロテイン同様、牛乳由来のプロテインです。吸収がゆるやかという特徴があります。

2-3.ソイプロテイン

ソイプロテインとは、大豆由来のプロテインです。カゼインプロテインと同様で吸収がゆるやかという特徴があります。

また、どのプロテインでもたんぱく質のほかに糖質やビタミン・ミネラルを含むことが多く、一部の栄養素が強調されているケースもあります。そのため、食事とのバランスを見て特定の栄養素を摂りすぎることがないように注意が必要です。

3.プロテインの摂取で期待できる効果

栄養補助食品としてのプロテインは、例えば海外遠征などで食事が摂れずたんぱく質や糖質が不足しやすいとき、運動後にすぐ食事が摂れないときなどに栄養補給として利用することができます。また、就寝前のたんぱく質補給として利用してもよいでしょう。

ただし、たんぱく質の摂りすぎによる健康問題は今のところ十分に知られていませんが、今後の研究で何らかの影響が明らかになることも考えられます。エネルギーの摂りすぎにもつながるため、過剰摂取に注意しましょう

プロテインは普段の食事からもしっかり摂りましょう

プロテインはたんぱく質のことで、私たちの体をつくるうえで大切な栄養素です。そのため、プロテインを摂取する場合は、日々の食事から摂取するたんぱく質とのバランスを見て、過剰摂取にならないように心がけましょう。

栄養補助食品としてのプロテインは、製品によって含まれているたんぱく質や量が異なり、それぞれに特徴があります。栄養素の補給は食事から摂ることを基本として、不足しやすいときにうまく利用するようにするのが大切です。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。