7つの健康習慣とは?健康と生活習慣の関係についても解説

健康は何ものにも代えがたいものです。人生100年時代といわれる今、いかに健康を保てるかが重要視されています。

健康寿命とは、介護や寝たきりなど日常生活が制限されることなく、生活できる期間のことです。男女で平均すると、平均寿命と健康寿命には約10年もの差がありますが、どうすれば健康な状態を維持できるのでしょうか。

今回は、米国・カルフォルニア大学のブレスロー教授が提唱した7つの健康習慣、健康と生活習慣の関係について解説します。

1.健康と生活習慣の関係

日本人が死亡する原因として、生活習慣の乱れなどが原因で起こる生活習慣病に起因する病気であることが多い傾向にあります。

生活習慣病は、育った環境や遺伝的な要素も関係するものですが、名前のとおり運動習慣や食生活などの生活習慣が大きく関わっています。

ブレスロー教授は、今から40年以上前に生活習慣と健康にどのような関係があるのかを調べ、そこで提唱されたのが「ブレスローの7つの健康習慣」です。7つの健康習慣を実践するかどうかで、その後の寿命も大きく変わるといわれています。

年齢や実施する健康習慣の数によって変わりますが、寿命に約10年もの差が出ることもあるのです。

2.ブレスローの7つの健康習慣

それでは、実際にブレスロー教授が提唱した、7つの健康習慣を紹介します。

【7つの健康習慣】

  • ・喫煙をしない

  • ・定期的に運動をする

  • ・アルコールは節度ある適度な量にする

  • ・一日7~8時間睡眠をとる

  • ・適正体重を維持する

  • ・朝食を毎日食べる

  • ・間食をしない

どれも特別なものではありませんが、習慣化が難しいケースもあるでしょう。自分の生活をまずは振り返り、実践できるものから始めてみてください。

2-1.喫煙をしない

喫煙は、歯周病など多くの疾患を引き起こす要因です。喫煙を若いうちから始めるほど、循環器疾患のリスクが上がり、死亡率も高くなるとされています。

その他には、関節リウマチや子宮外妊娠、閉経後の骨密度低下などにも関係しています。さらに、喫煙は血管を収縮させて血行を悪くしたり、ビタミンCの消費によりシミなどを増やしたりすることから、美容にとっても大敵です。

2-2.定期的に運動をする

運動不足は、肥満や2型糖尿病、脂質異常症や高血圧の原因となるものです。少し古いデータにはなりますが、日本で2007年に運動不足で死亡した人は5万人にものぼります。

それに対し、日頃から運動をよく行なっている人は、高血圧や糖尿病などの罹患率・死亡率が低くなっています。

運動は健康の維持・改善に働くだけでなく、心の健康を守る効果もあるため、体と心の健康をともに守れるよう、運動を取り入れてみましょう。健康状態に問題がないようなら、30分以上の運動を週に2日以上行なうことから始めてみてください。

2-3.アルコールは節度ある適度な量にする

アルコールは肥満や高血圧、糖尿病や脂質異常症などの原因になり、節度を超えた過度な飲酒はアルコール性脂肪肝・肝炎・肝硬変にもつながることがわかっています。

そのため、お酒を飲む際は、食事をしながら適量範囲で飲むようにし、強いお酒を飲む場合は薄めて飲むなどの工夫をするようにしましょう。また、肝臓を休める目的で週2日の休肝日をつくるのがおすすめです。

2-4.一日7~8時間睡眠をとる

睡眠不足は、生活習慣病になるリスクを高めます。

例えば、眠りが浅かったり夜遅くまで起きていたりする人は、交感神経の働きが活発になっている状態が続くため、高血圧になりやすいとされています。また、インスリンの作用が発揮されにくくなり、血糖値も上がりやすくなるので注意が必要です。

「一日の睡眠時間は8時間程度が良い」と聞いたことがあるかもしれませんが、大事なのは睡眠時間の長さだけではなく質です。質の良い睡眠については、朝起きたときによく眠れたと感じられるかどうかを目安としましょう。

2-5.適正体重を維持する

肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症の原因となり、低体重は卵巣機能の低下や筋力低下による運動器の障害などの原因となります。太りすぎも痩せすぎも健康にとっては良くないため、適正体重を維持することが大切です。

適正体重を維持する手段の一つとして、BMIを目安にするとよいでしょう。性別を問わず、BMI22が標準の数値です。BMIが25以上になると肥満、18.5未満になると低体重となるため、身長が160cmの人は64kg以上で肥満、47.4kg未満で低体重となります。

2-6.朝食を毎日食べる

朝食は、体内時計と密接な関係にあります。体内時計は朝食を抜くことで狂ってしまい、体温や血圧のコントロール、睡眠リズムやホルモンの調節に影響をおよぼすため、朝食を食べる習慣を付けましょう。朝食をしっかりとることで、血糖値の急激な上昇や便秘の改善も期待できます。

2-7.間食をしない

食べすぎは肥満を招く原因です。間食をすると、一日の摂取カロリーが消費カロリーより多くなり、肥満につながることがあります。間食をとるとしても、一日200kcal程度に抑えましょう。

また、単に食べたいものを食べるのではなく、食事で摂取できない栄養素を補うように意識してみてください。

健康作りは日々の生活習慣から

私たちの健康は、生活習慣によって大きく左右されます。なかでも、アメリカのブレスロー教授が提唱した「7つの健康習慣」は、実践の有無によりその後の寿命にまで影響を与えるといわれています。

喫煙をやめ、定期的に運動を行ない、アルコールは節度ある適度な量を心がけましょう。また、しっかり睡眠をとったり、適正体重を維持したりすることも大切です。

7つの習慣すべてを一度に実践するのは難しいケースもあるかもしれないので、まずはできそうなものからチャレンジしてみてください。良い生活習慣を心がけて、健康な体を手に入れましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。