1.50代が疲れやすくなる原因
50代の方が疲れやすくなる原因には、一時的なものと病気などにより長期間にわたって疲れるものが挙げられます。
1-1.一時的に疲れやすくなる
一時的な疲れの原因として考えられるものは、更年期障害、長時間労働、夏バテ、睡眠不足、過度なダイエットなどです。
更年期障害は加齢によって性ホルモンの分泌量が減少し、動悸や息切れ、血圧の変化、頭痛などの症状が起こることです。
季節によっては夏バテが疲れやすさの原因となっていることもあるでしょう。暑いことが原因で脱水症状や食欲の低下による栄養不足、エアコンの効いた室内と暑い室外の激しい温度差が、自律神経に負担をかけ、疲れにつながります。
睡眠不足は、疲れだけでなく精神面や判断力の不安定さの原因にもなります。この状態が続くと糖尿病など生活習慣病の悪化にもつながるでしょう。
また、極端なダイエットによって体が栄養不足になることで疲れやすくなることもあります。女性の価値観として痩せていることが良いという方もいますが、誤ったダイエットは適切な食生活ができず栄養不足となる原因です。
1-2.疾患などにより長期的に疲れやすくなる
慢性的に疲れが出る疾患には、起立性調節障害、慢性疲労症候群などが考えられます。
まず、起立性調節障害は小学校高学年から高校生のような思春期に起こることが多い症状です。目眩や立ちくらみなどにともなって倦怠感も症状に含まれます。
慢性疲労症候群は生活が著しく損なわれるような強い疲労を主な症状とする病気です。睡眠や休みを十分にとっても疲労感が回復しなかったり、集中力や考える力が下がったり、また、体温調節が難しくなるなど、さまざまな症状がみられます。
2.50代の疲れの対策方法
疲労の対策としてできることを紹介します。
2-1.日常生活のなかでの対策方法
日常生活では、適正体重の維持、栄養バランスの良い食事、質の良い睡眠を行なうことが疲労感のケアにつながります。また、栄養バランスの取れた食事は夏バテの対策にもなります。特に、水分量の多い夏野菜を食べると夏バテで熱くなった体を冷やすことも期待できるでしょう。
睡眠不足は疲労の直接的な原因になります。運動量の多い動物ほどよく眠ると知られており、人間にとっても睡眠は疲労回復に欠かせない方法だと考えられています。
2-2.仕事などにおける対策方法
職場で起こるストレスの原因には、長時間労働やパワハラなどによる労働環境の悪化が挙げられます。
仕事でのストレスを解消するには、休養を取ったり会社側が職場内のコミュニケーションを積極的に取れる環境を整えるなどの施策が必要になります。
休養については単純にだらだら過ごすのではなく、前向きな気持ちになれるような時間を過ごすことが大切です。散歩やスポーツ、ショッピングに出かけるなど、自分に合う方法でリフレッシュをしましょう。
2-3.医師への相談も視野に入れる
疲労感の原因はさまざまです。先述のように、何らかの疾患に罹患していることも考えられることから、場合によっては医師の診察を受けることも視野に入れましょう。
更年期障害、起立性調節障害などの疾患による疲労であれば、医療機関を受診し適切な検査・治療を行えば、疲労の改善が期待できます。
疲れやすさの原因を特定しましょう
50代の方が疲れやすい原因として考えられることと、その対策方法を紹介しました。
50代の疲れやすさは、更年期障害のほか、社会的立場によるストレス、何らかの疾患など、さまざまな原因が考えられます。
疲れの解消には睡眠や休養が大切です。特に休養は、ただ家でおとなしくしているだけでなく、体を動かしたりするなどして気持ちのリフレッシュにも努めましょう。
それでも疲れが回復しない場合や、疲れの原因がはっきりしないときは医師の診察を受けることも検討してみてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医