40代の美容は何をするべき?年齢に合ったケア方法を紹介

「最近なんだか肌の色がぱっとしない」「これってもしかしてシミ?」などと、感じることはないでしょうか?

40代になると、自分の肌に変化を感じる方が増えてきます。これにはホルモンが大きく関係しているため、年齢に合った肌ケアが大切です。

今回の記事では、40代の肌トラブルの原因や、体の内外から美肌を作るケア方法を紹介します。

1.40代の肌の特徴や肌トラブルが現れやすくなる理由

40歳を超えると、体にさまざまな不調や悩みを感じる方が増えてきます。なかでも、くすみやゴワつき、色ムラなど加齢によって不調を感じる肌が「年齢肌」です。

ここでは、40代になると肌トラブルを起こりやすくなる理由を解説します。

1-1.40代は肌トラブルが起こりやすい年齢

多くの女性が肌の不調を感じ始めるのは、更年期前後です。

例えば、「シミ」も40代の肌に見られる不調の一つです。30~40代の女性の頬には、肝斑(かんぱん)と呼ばれる薄いシミができたり、中高年になると顔や腕に老人性色素斑というシミが現れたりします。これらのシミは、日光を浴びてメラニンを合成するメラノサイトが活性化し、多くのメラニンが作られることで起こります。

次に、「色ムラ」は年齢による血行の悪化が原因です。血のめぐりが悪くなると肌の赤みが減り、顔色にムラが出てしまいます。

「くすみ肌」は肌のターンオーバーが遅くなり、古い角質層がたまることが原因です。また、活性酸素は肌のなかの脂質を酸化し、たんぱく質と結合すると、角質層を黄色にくすませます。

つまり、これまでに積み重なった紫外線の影響や活性酸素、そして血流の悪化によって起きるトラブルが年齢肌です。

1-2.2つのホルモンの減少が年齢肌を加速

年齢肌には、加齢とともに減少する2つのホルモンが大きく関わっています。1つ目は、眠っている間に分泌される成長ホルモンです。成長ホルモンはターンオーバーを促し、肌を保湿するセラミドの産生をサポートします。そのため、成長ホルモンが減少すると、年齢肌が加速することになります。

2つ目は、肌を酸化から守る女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。女性ホルモンは、おもに次のような働きを持ちます。

  • ・活性酸素から細胞を守る

  • ・メラニンの生成を抑える

  • ・肌の水分を保つ

  • ・コラーゲンの働きをサポートする

そのため、加齢によって女性ホルモンが減ると、肌の抗酸化力が衰えていきます。

成長ホルモンと女性ホルモンの働きの低下が、40~50代の年齢肌が加速する原因のひとつだといえるでしょう。

2.40代が取り組むべき美容ケア

年齢を感じさせない、イキイキとした素肌のためにはシミ・色ムラ・くすみへの対策が大切です。ここでは40代の肌悩みに合った、肌ケアのポイントを紹介します。

2-1.紫外線対策をする

年齢肌の原因の80%は、紫外線が引き起こす光老化ともいわれています。紫外線はシミやシワの原因となり、肝斑を濃くします。

紫外線には波長の長さによって種類が変わり、そのうちの一つであるUV-Aは肌の奥にある真皮層まで浸透し、コラーゲンやヒアルロン酸を作り出す細胞にダメージを与えます。一方、UV-Aよりも強いエネルギーのUV-Bは、傷付いたDNAの修復力を低下させます。

紫外線から肌を守るには、日焼け止めクリームが有効です。顔や首、腕などの洋服で隠れない部分に使い、こまめに塗り直します。日焼け止めクリームを選ぶ際、UV-A対策にはPA値の高さを、UV-B対策にはSPF値の高さをチェックしましょう。

また、日傘や帽子で紫外線を遮ることも効果的です。

2-2.抗酸化力のある食品を摂取する

女性ホルモンの減少によって抗酸化力が衰えると、肌がくすんできたり、メラニンの産生が増えてシミができたりします。年齢肌に気が付いたら、抗酸化食品を積極的に食事に取り入れましょう。

抗酸化成分には、ビタミンA・C・Eやポリフェノール、カロテノイドなどがあり、それぞれ次のような食品に多く含まれています。

成分名 食品
ビタミンA うなぎ、まぐろ、にんじん
ビタミンC ピーマン、パプリカ、ブロッコリー
ビタミンE アーモンド、全卵使用のマヨネーズ
ポリフェノール ・ゴマ(セサミノール)
・ブルーベリー(アントシアニン)
・大豆(イソフラボン・サポニン)
・そば(ルチン)
・緑茶(カテキン)
・紅茶、ウーロン茶(タンニン)
カロテノイド ・かぼちゃ、ほうれん草、にんじん(β-カロテン)
・トマト、すいか(リコピン)
・えび、かに、さけ(アスタキサンチン)

これらの食材を上手に取り入れながら、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

2-3.肌をしっかり保湿する

年齢肌では、コラーゲンやセラミドなどの保湿成分が低下して潤いが足りなくなっています。スキンケアの三本柱は洗う・補う・守ることです。

洗顔料をしっかり泡立て、ゴシゴシとこすらずに優しく洗ってください。洗顔後は、たっぷりと化粧水や美容液でケアし、保湿成分を含むクリームなどで密封して潤いを閉じ込めましょう。

2-4.早めに就寝する

成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。しっかり眠って、細胞分裂を促し、ターンオーバーのリズムを整えましょう。また、成長ホルモンは保湿成分の産生もサポートするため、早めに寝て肌の回復時間を作ることが大切です。

2-5.適度な運動を心がける

肌の奥にある真皮には、毛細血管が通っています。この毛細血管が血行不良になると、酸素や栄養が肌に十分に届かなくなり、肌のくすみや色ムラにつながってしまいます。

毛細血管の血行をスムーズにするには、運動が効果的です。健康的な肌の色を目指すなら、日頃から運動を行なう習慣をつけましょう。

丁寧なケアと適切な生活習慣で若々しい40代の肌に

成長ホルモンや女性ホルモンが減少し始める40代は、肌にトラブルが起こりやすくなります。年齢に負けない肌のためには、紫外線対策や保湿という丁寧なスキンケアを行なうことが大切です。そして、適切な食事・運動・睡眠は、体の内側から健やかな素肌を作ります。

年齢に合ったケアを行なって、明るい笑顔の似合う美肌を保ちましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。