1.30代が美容で気を付けるべきこととは?
30代は、年齢自体によるもの、年齢からくる立場(仕事や妊娠など)をきっかけに、シミをはじめとした肌トラブルが表面化しやすい年代といえるでしょう。
シミの種類には、鼻あたりに小さく現れる雀卵斑(そばかす)、中高年以降に見られる老人性色素斑(日光黒子)などがありますが、30代~40代では肝斑と呼ばれるシミがよく見られます。
どのシミも紫外線によりメラニンが多く作られることにより発生するため、新たなシミを作らないためには紫外線対策が大切です。
また、メラニンは妊娠中にも生成されやすくなるため、シミが増えたり、脇の下やお腹など体の一部が黒ずんだりするケースもあります。
さらに、働く女性の方は、食生活の偏りから摂取カロリーや必要な栄養素が極端に不足しているとされています。食事をしていても必要な栄養が摂れていないと、健康だけでなく美容にも影響が出てしまうため、忙しい方ほど食事の仕方には注意が必要です。
2.30代の美容法 – 肌のケア
ここでは具体的なお肌のケアについて紹介します。
2-1.ぬるめのお風呂に入る
スキンケアの基本である保湿の観点から、乾燥予防のためにはぬるめのお風呂に入ることが良いとされています。
また、入浴の際はお湯に浸かる時間は長くなり過ぎないようにして、体を洗うときはお肌に優しい素材のものを使いましょう。石鹸などの成分がお肌に残らないように洗い流すことも大切です。
洗顔では、洗顔料を泡立て、手がお肌に直接触れないように泡だけで優しく行なうのがよいでしょう。
2-2.お風呂上がりに保湿する
お肌の水分を保つために、お風呂のあとにはしっかり保湿することが大切です。
化粧水や美容液で水分を与えたら、その上からクリームを塗ってうるおいを閉じ込めましょう。
洗顔だけではメイクなどを落としきれないことがあります。
2-3.紫外線対策をしっかりする
紫外線は、シミだけでなくシワ、ときには腫瘍の原因になることもあるため、外出時には日焼け止め、日傘、サングラスや帽子を使いましょう。
日焼け止めの選び方としては、長時間さらされると健康への影響が出るとされるUV-Aへの対策はPAを、UV-Aよりも強く、日焼けの原因になりうるUV-B対策にはSPF、それぞれの指標を見て選ぶ必要があります。
普段の生活ではPA(++)・SPF30ほど、外で長い時間を過ごす場合はPA(+++)・SPFは50あたりを選び、これらを数時間おきに塗り直して使用するとよいでしょう。
3.30代の美容法 – 肌以外のケア
健康なお肌を作るために欠かせない運動・食事・睡眠について説明します。
3-1.適度な運動を行なう
体を動かすと血流が良くなり、酸素や必要な栄養素が体全体に運ばれるため、お肌の血色の良さにつながります。
有酸素運動を行なえば、お肌のため以外にも生活習慣病の予防、気分転換や睡眠の周期を整えることにもつながります。
3-2.栄養バランスの良い食事をとる
スキンケアには、化粧水や美容液などでの外側からだけでなく、食事などによる内側からのケアも大切と考えられています。
食事の偏りによるエネルギーや栄養不足に陥らないようにするためにも、栄養バランスの良い食事が求められます。5大栄養素であるビタミンやたんぱく質、炭水化物や脂質、無機質がまんべんなく摂れるように心がけましょう。
特にビタミンでは、抗酸化成分であるビタミンA・C・Eの積極的な摂取がおすすめです。
3-3.質の良い睡眠を取る
睡眠中は肌の修復が行なわれるため、質の良い睡眠は良い肌を作るために欠かせません。また、睡眠不足は自律神経にも影響し、血行が悪くなることや体温の低下の原因にもなります。
質の良い睡眠を得る方法の一つとして、ゆったりと入浴することがおすすめです。ぬるいお湯に浸かるとストレスのケアができ、同時に体を眠りやすい状態へと整えることができるでしょう。
紫外線対策や日常生活からケアしていきましょう
30代は、忙しく仕事をする一方で、妊娠・出産を経験する方も多い年齢といえます。年齢によるものだけでなく、そういったライフステージの変化によって、今まで気にならなかった肌トラブルが顕著に感じられることも往々にしてあるでしょう。
健やかなお肌を保つには、外出時の紫外線対策に加え、適度な運動、栄養バランスのとれた食事、質の良い睡眠が大切になります。これらは美容の問題のみならず、健康の維持にも役に立つ生活習慣です。
肌が気になってきたと思ったら、健康のためにも、食事・運動・睡眠といった日常生活を今一度見直してみましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医