寝不足を解消し快眠へ導くには?生活習慣の整え方を紹介

「せっかく寝たのに、夜中に何回も起きてしまう……」
「ベッドに入っても、なかなか寝付けない……」
「午前中は眠気で仕事がはかどらない……」

こんな悩みをお持ちの方は意外と多いかもしれません。
しかし、よくあることだと放置してしまうと、長引く寝不足で体に負担がかかってしまいます。

今回は、寝不足を解消するための生活習慣の整え方をご紹介します。

1.寝不足を解消するための生活習慣の整え方

適切な睡眠時間は人それぞれですが、十分な睡眠は体や心の疲れを癒すためにとても重要です。

1-1.就寝2~3時間前に入浴する

質の良い睡眠をとるためには、入浴によって体を温めることが有効です。

入浴による睡眠の効果を得るにはタイミングも大切です。午前や午後など早い時間の入浴には効果がないので、夕方、夜に入浴するとよいでしょう。

ただし、就寝直前の入浴はぐっすりと深い睡眠をとるには良いとされていますが、寝つきを悪くしてしまう可能性があります。そのため、就寝前2~3時間前の入浴が理想とされています。

お湯の温度は、ぬるめのお湯なら30分程度、熱めのお湯なら5分が目安です。

1-2.運動習慣を身につける

睡眠の維持には、“習慣的な運動”が効果的です。

毎日継続して運動する習慣をつけましょう。日々の運動習慣によって寝つきが良くなり、睡眠も深くなります。

しかし、運動もやりすぎは禁物です。体力に見合わない激しい運動は睡眠を妨げてしまいます。日常生活のなかで少し早歩きをするなど、あまり激しすぎない有酸素運動がおすすめです。

1-3.規則正しい食生活を心がける

一日の途中でエネルギーが切れてしまうと、睡眠の質にも影響してしまいます。そのため、良い睡眠のためには朝食が重要です。

食べるものは、脳のエネルギー源となる糖分を意識するとよいでしょう。

快眠のためには夜遅くの食事をなるべく控えることも大切です。睡眠中に胃の中に食べ物が残っていると、胃腸は消化活動をしなければならないため睡眠を妨げる原因になってしまいます。

1-4.睡眠を取り巻く環境を整える

夜ぐっすり眠るには、寝るときの環境を整えることも大切です。毎日の眠りを支える寝具で睡眠の質が変わります。

例えば、敷布団が硬すぎると血の巡りが悪くなったり、痛みを感じたりする場合があります。反対に敷布団がやわらかすぎても、体が深く沈んでしまうため、かえって腰に負担がかかり眠りにくくなります。さらに腰痛の原因になる場合もあります。

また、枕も快適な睡眠には大切です。

枕を選ぶポイントは高さにあります。枕は、敷布団に対して首の角度が約5度になるものを選ぶのがおすすめです。高さの合った枕で眠ると肩や首への負担を減らすことができます。

逆に自分の体形に合った高さの枕になっていない場合は、安定感がなくなるため注意しましょう。

2.なかなか寝不足が解消されない場合は医療機関へ相談を

寝不足が続くなど自分の睡眠状態に不安を感じた場合は、見過ごさずに医療機関へ相談をしましょう。

睡眠障害を放置すると、着実に心と体の健康に害をおよぼします。
最近では専門的な睡眠外来(不眠外来、スリープクリニック)などもあるので、睡眠障害を感じているのであれば受診も検討してみましょう。

寝不足を断ち切ってイキイキとした毎日を

睡眠は私たちの心身の健康を保つためにとても重要です。

寝不足を解消するためには、就寝の2~3時間前の入浴や運動習慣をつけることのほか、規則正しい食事をとること、枕や敷布団など睡眠時の環境づくりも大切です。

ぐっすりと眠ることができれば体や心を癒すことにもつながるので、今回紹介した方法を取り入れて寝不足の改善を目指してください。質の良い睡眠で、イキイキとした毎日を送りましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。