若さを保つための食べ物は?老化が進む生活習慣と防止法も紹介

「いつまでも若さを保ちたい」
そう願う人は多いのではないでしょうか。
年齢を重ねることは避けようがありませんが、年齢は等しく重ねているはずなのに見た目の若さは人によって異なります。この違いはなぜ生まれるのでしょうか。

今回は、老化が進む原因やその対策についてお伝えします。

1.老化の原因や加齢との違いとは何か?

「加齢」と「老化」は同じものと考えている人もいるでしょう。しかし、この2つは異なるものです。ここでは加齢と老化の違いと、老化の要因について説明します。

1-1.加齢と老化の違い

「加齢」とは、生まれたときからどのくらい年齢を重ねたのかを表すものです。

例えば、まったく同じ日に生まれた2人は、40年後も同じ40歳になっています。見た目では何歳かわからなくとも、年齢を重ねること自体は誰にでも起こるものです。

一方で「老化」は、成人してからの加齢にともない、体の機能そのものが衰えていくことを指します。同級生や同期の仲間など、年齢は同じなのに、久しぶりに会うと実年齢よりも老けて見える、または若々しく見えたことがあるという人もいるでしょう。

つまり、加齢は平等に起こりますが、老化には個人差があるのです。遺伝的要因もありますが、老化においては生活習慣や環境によって大きな差が生まれます。

いわゆる「見た目年齢」を左右する大きな要素の一つは「肌」です。肌がきれいな人は、若々しく見える傾向があり、肌の若さを保つには乾燥を防ぐことが重要です。

見た目年齢を若く見せたいという人は、老化の原因を知り、対策をしていきましょう。

1-2.老化の原因とは

老化の原因の一つは、体の酸化です。酸化は、呼吸するたびに発生している「活性酸素」によって引き起こされ、この活性酸素が人の体にサビをもたらし、老化に関与したり、肌のシワや悪玉コレステロールの増加に関係したりすることが示唆されています。

また、老化は自律神経の乱れも関与しています。

自律神経は、私たちが生きるための内臓の働きや血液循環、消化などあらゆる体の機能をコントロールしています。しかし、加齢とともに崩れやすくなり、それによって体の健康や老化にも大きく影響するといわれているのです。

さらに、見た目年齢を左右する肌に影響しやすいのは、腸内環境の乱れです。

腸の働きが鈍化することで、悪玉菌が腸内に増えやすくなります。その結果、肌の老化にもつながりやすく、老けた印象を与えやすくなるのです。

2.若さを保つための食べ物や生活習慣とは

では、どうしたら老化を防ぐことが期待できるのでしょうか。ここからは、老化防止が期待できる方法をお伝えします。

2-1.抗酸化力を高め若さを保つ

老化の要因となる活性酸素から体を守る「抗酸化力」は、もともと私たちの体内に備わっていますが、年齢を重ねると抗酸化力は低下していくことがわかっています。

そこで、体の酸化に対抗するには、抗酸化力を持つ栄養素を含む食品を積極的にとることが効果的です。

抗酸化力を持つ栄養素は具体的に、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどです。

βカロテンは緑黄色野菜や果物に多く含まれ、ビタミンCは野菜や果物、ビタミンEは種実類、植物油(大豆・コーン・サフラワー油)や小麦胚芽などに多く含まれています。

2-2.自律神経を整える

自律神経は、おもに活動的なときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経の2つに分かれており、お互いがバランス良く働くことで心身の健康が保たれているのです。

交感神経の働きは年齢を重ねても大きく変わらないとされていますが、副交感神経の働きは年齢にともなって低下しやすいといわれています。

血管拡張を導く副交感神経の働きが低下すると、血管の収縮が過剰になりやすく、その結果、血流の低下などをまねき、あらゆる細胞に栄養や酸素が行き渡りにくくなる可能性があります。この状態が続くと、体の機能も低下しやすく、さまざまな不調や老化の要因となりやすいのです。

副交感神経の働きを促すには、「ゆっくり」がポイントとなります。

例えば、ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経を刺激する簡単な方法です。また、朝の時間帯は急激に活動モードに変わりやすいため、副交感神経の働きが下がりすぎないようにゆっくり朝食をとることが大切です。

また、ストレスによっても自律神経の乱れは起こりやすく、体内に活性酸素は増加傾向になります。先ほどお伝えした食事からの抗酸化成分をしっかり補い、活性酸素から細胞を守りましょう。

2-3.腸内環境を整える

腸内環境が悪化すると、腸内で悪玉菌が増えることにより腐敗産物の産生が進み、ふきでものができやすくなったり、シミやシワなどが現れやすくなったりします。

悪玉菌が増える要因として、たんぱく質や脂質の多い食習慣、ストレスの多い環境、便秘などが挙げられ、これらをなるべく避けることが大切です。

また、悪玉菌を抑える働きのある善玉菌を増やすためには、善玉菌そのものであるプロバイオティクス(納豆・乳酸菌飲料・ヨーグルトなど)と善玉菌を増加させるプレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖が含まれる食品)を摂取する方法もあります。

若さを保つためには、生活習慣や食事を見直そう

加齢と老化には明確な違いがあります。

加齢は文字どおり年齢を重ねることで、誰にでも平等に起こるものです。一方の老化は、生活習慣や環境などによって個人差が出ます。

見た目の若さを保つには、乾燥を防ぎ健やかな肌を維持することが大切です。また、体の若さを保つには、自律神経や腸内環境を整える生活習慣を意識することや、抗酸化力を持つ食品を意識してとることが有効です。これらは老化の防止だけでなく、健康維持にもつながります。

いつまでも若々しく見られるためにも、今回お伝えしたなかでできることから取り入れてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。