目次
1.油の役割とは?
油は脂質の仲間であり、たんぱく質や炭水化物とともに主要なエネルギー源の一つです。
たんぱく質や糖質に比べて2倍以上のエネルギーがあり、細胞膜やホルモンをつくる主要な成分でもあります。
他にも、ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンやリコピン・βカロテンなどカロテノイドの吸収をサポートする役割も担っています。
近年は、健康志向の高まりにより油の種類に気を遣いはじめたという人は多いのではないでしょうか。
一方で、「油は太る」といったイメージから、なるべく摂らないようにしているという人もいるかもしれません。
今回は油が体でどのような役割を担っているのかを解説し、過剰摂取による健康への影響や、積極的に摂りたい油の種類についてご紹介します。
ぜひ体に良い油を食事に取り入れて、美と健康を手に入れましょう。
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油は脂質の仲間であり、たんぱく質や炭水化物とともに主要なエネルギー源の一つです。
たんぱく質や糖質に比べて2倍以上のエネルギーがあり、細胞膜やホルモンをつくる主要な成分でもあります。
他にも、ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンやリコピン・βカロテンなどカロテノイドの吸収をサポートする役割も担っています。
体にとって必要不可欠な油ですが、摂り過ぎてしまうと肥満を招き生活習慣病の原因になるため注意が必要です。
揚げ物などの油っこい食事が中心の人は、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取が多くなる傾向があります。
飽和脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを増やす原因になることから、循環器疾患のリスクが高まるとされています。おもに、ラード・バター・鶏肉の皮・乳脂肪・ココナッツミルク・パーム油などに多く含まれているので、これらの摂り過ぎには注意が必要です。
また、トランス脂肪酸の摂り過ぎも血液中の悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させます。
トランス脂肪酸は、揚げ物やショートニング、マーガリンを使った食品に多く含まれていることから、スーパーなどで売られている揚げ物総菜やスナック菓子、クッキーなどの洋菓子類には注意しましょう。
また、調理方法は揚げるよりは焼く、焼くよりは蒸す・煮るといった工夫をすることによって油を減らすことができます。
前章で述べた飽和脂肪酸やトランス脂肪酸はなるべく避けたい脂質ですが、一方で健康や美容にとっては望ましい脂質も存在します。
ここでは、その具体例について解説します。
脂肪酸は脂肪を構成する要素の一つであり、分子構造の違いから不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の2つに分類されます。
不飽和脂肪酸は、魚や植物の油に多く含まれている成分です。私たちの体内でつくり出すことができず、食べ物から摂取する必要がある脂肪酸です。
不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類され、一価不飽和脂肪酸に代表されるオレイン酸はオリーブオイルに豊富に含まれており、血液の健康状態を守りたい方におすすめの油です。
多価不飽和脂肪酸は、さらにn-3系とn-6系に分類されます。
近年注目されているのが、n-3系脂肪酸です。青魚のサラサラ成分で知られるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)やα-リノレン酸があり、α-リノレン酸は体のなかでIPA、さらにDHAへと変化します。
魚のほかにもアマニオイル・エゴマ油などの食用油やクルミにも多く含まれているので、毎日の食事にも取り入れやすいでしょう。しかし、不飽和脂肪酸は光・空気・熱に弱く酸化しやすいので、魚やアマニオイル・エゴマ油などの食用油を使用する場合は、加熱調理よりもカルパッチョやドレッシングなどのようにそのままの状態で使う料理が向いています。
また、n-6系脂肪酸はリノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸(ARA)などがあり、日本人が摂取するn-6系脂肪酸の98%はリノール酸です。
リノール酸は、サフラワー油・コーン油・大豆油などの食用油がおもな摂取源となっています。かつてはリノール酸も体に良い成分といわれてきましたが、現在では、悪玉コレステロールだけでなく、善玉コレステロールも減少するケースが指摘されており、過剰摂取には注意が必要です。植物性の油すべてが健康に良いというわけではありません。
γ-リノレン酸は母乳や月見草などの珍しい植物に、アラキドン酸(ARA)は魚・肉・卵などに含まれています。
若々しい体を保つためには、バランスの良い食生活が重要です。
質の良い油を摂りめぐりがスムーズになることで、全身のすみずみまで栄養と酸素がいきわたり、若々しい体を保つことができるでしょう。
しかし、前述したように肉などの油っこい食べ物を中心とした食生活は、飽和脂肪酸の摂り過ぎになり、血液がドロドロになってしまう原因になってしまいます。こういった食事はめぐりを悪くして、さまざまな健康への悪影響をおよぼす可能性があります。
若々しく健康的な体をつくるために、飽和脂肪酸の多い食品はなるべく控えてn-3系脂肪酸の多い油を積極的に摂取しましょう。
健康を維持するためには、油の摂り過ぎは禁物です。しかし一方で、不足しても不調を招いてしまいます。
油の特徴や種類を理解し、量や質にも気を付けることが大切です。
ポイントは、肉など動物性の脂肪はなるべく減らし、青魚などのn-3系脂肪酸の多い食品は積極的に摂ることです。
そして、摂り過ぎが懸念されている菜種油などのn-6系脂肪酸の油は減らす努力をすることが必要です。
今回お伝えしたことを実践して、美と健康的な毎日を手に入れましょう。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり) 外科医として地方中核病院に勤務中。 消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。 資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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