高血圧とは?
初期症状や改善方法について解説

日本には、約4,000万人もの高血圧の患者の方がいるといわれています。

生活習慣病による死亡とも大きな関係があることから、高血圧の予防は健康を維持するうえでとても大切です。
高血圧では、一体どのような初期症状が起こるのでしょうか。

今回は、高血圧の初期症状や改善方法を解説します。

1.高血圧とは?

日本高血圧学会の基準では、診察室で測ったときの収縮期血圧の値が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上である状態を高血圧と呼んでいます。自宅で測る場合は、収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上だと高血圧です。

1-1.高血圧の要因

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2種類があります。

本態性高血圧は、食塩の過剰摂取や肥満、運動不足、ストレスなどが原因です。
一方で、二次性高血圧とは、甲状腺や副腎、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因で起こるものです。日本人のほとんどは、病気に関係なく起こる本態性高血圧によって高血圧になります。

1-2.高血圧は遺伝するのか?

高血圧は、遺伝によっても発症する可能性がある病気です。ご家族に高血圧の方がいる場合、自分も高血圧になる可能性があることがわかっています。

身近に高血圧の方がいる場合は、自分も高血圧になるリスクが高いことを認識してください。定期的に健康診断や人間ドックなどを受けて、血圧をチェックするようにしましょう。

2.高血圧の初期症状について

高血圧は、初期症状がほとんどないまま症状が進行してしまうことが少なくありません。そのため、高血圧を指摘されても「何も症状がないから大丈夫だろう」と、特に治療せず放置してしまう方がいます。

たしかに、症状が何もないのに治療する必要性を実感するのは難しいかもしれません。しかし、血圧が高い状態が続くと、確実にさまざまな合併症を引き起こします。

3.高血圧の対策方法

高血圧を放っておくとはじめさまざまな疾患のリスクが上昇します。知らない間に体をむしばむ原因となるため、血圧が気になり始めたら対策を行ないましょう。

3-1.有酸素運動を行なう

ウォーキングや軽いジョギング、水泳や自転車などの有酸素運動は、高血圧の改善に効果的です。

ややきついと感じる程度の運動を、できるだけ毎日30分以上行なうようにしましょう。一度に30分行なうのではなく、合計が30分になれば問題ありません。

3-2.食生活を改善する

まず大事なのは、塩分の摂取量を減らすことです。成人男性では一日に7.5g未満、成人女性では6.5g未満が目標値とされています。

血圧を下げる働きのある、カリウムが多く含まれている野菜や果物を積極的に食べることも大切です。野菜は、毎日一皿以上食べるように心がけましょう。

お酒を飲むことが多い方は、節度ある適度な量にするのも効果的です。なお。節度ある適度な飲酒量としては、一日あたり純アルコール摂取量20g程度とされています。

3-3.生活習慣を改善する

ストレスは、血圧を上げる原因です。自分なりのストレス解消法を見つけて、溜め込まないようにしましょう。

ウォーキングやジョギング、ガーデニングや旅行など、楽しいと感じるものに時間を使うようにしてみてください。

タバコを吸う習慣がある方は、禁煙にチャレンジしましょう。

高血圧を改善して健康な体を手に入れよう

高血圧は、気付かないうちに大きな病のもととなる厄介な状態です。自覚症状がなくても、高血圧と指摘されたら対策を行なうようにしましょう。

高血圧の対策をするためには、まず減塩を心がけることが大切です。ほかにウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、禁煙も行ないましょう。

高血圧になっても自覚症状はほとんどありませんが、健康を守るためにもできることから始めてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。