1.メンタルや行動などに現れるストレス症状について
ストレスを受けると、メンタル面や身体的な面で何かしらのサインが出てくることが多いでしょう。たとえば、些細なことでイライラしたり、お腹が痛くなったりするなどの経験をした方も多いのではないでしょうか。
ストレスによって見られる症状は、以下のようなものがあります。
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・気分が沈みやすい、元気が出ない
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・イライラして怒りっぽくなる
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・理由もなく不安になる
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・胸がソワソワする
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・何回も確認しないと気が済まない
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・誰もいないのに人の声が周りから聞こえてくる
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・食欲がわかない
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・夜中に目が覚めて熟睡できない
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・息苦しさを感じる
もちろんこれらの症状が現れているからといって、必ずしも心の病気とは言い切れません。しかし、症状が長く続くときは、医療機関を早めに受診しましょう。
2.ストレスの原因とは
ストレスの原因は、生理的なものから心理的なもの、社会的なものとさまざまです。生理的なストレスとしては睡眠不足や空腹、病気などが挙げられます。心理的・社会的なものは学校や職場などで感じる緊張や不安、怒りや恐怖などが代表的です。
このほか、寒さや暑さ、有害物質といった物理的・化学的なものもストレスの原因となります。人が感じるこれらのストレスのうち、特に多いのが心理的・社会的ストレスです。
また、一見すると喜ばしいことのように思える進学や就職、結婚や出産などもストレスとなります。ストレスが体にとって良いものとなるか悪いものとなるかは、ストレスを受け止める人によって変わるのです。
ストレスをうまく受け止めて適応できた場合は問題ありませんが、適応できずストレスを受け続けると心や体に症状となって現れてしまいます。
場合によってはストレスによる消化性潰瘍や高血圧を引き起こすことがあるので注意しなければなりません。
3.ストレスを感じた場合の適切な対処法
ストレスに気付かず、そのままストレスを受け続けた場合、体調を崩してしまう原因になります。
眠れない、怒りっぽくなるなどストレスのサインが見られたら、適切な対処をするようにしましょう。
3-1.ストレスを感じた際の対処法
まずは、自分の心や体からストレスを受けているサインが出ていないかどうかを観察することが大切です。そのためにも、ストレスを受けるとどういったサインが出るのかを知っておく必要があります。
もし自分の状態を観察してストレスのサインを感じたら、次のようなセルフケアをしてみましょう。
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・ヨガやストレッチを行なう
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・休憩をしっかり取る
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・楽しいと感じる活動を増やす
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・前向きなイメージをもてるようにする
ヨガやストレッチのほか、集中呼吸法を行なうと身体的な症状を軽減できるでしょう。休憩を取ることも大切です。ポジティブな感情を増やしてネガティブな感情をやわらげるために、楽しいと感じる活動を増やすことも効果があります。
気分が良くなるような状況や環境をイメージして、自分の気分をコントロールするのもよいでしょう。
3-2.専門機関を受診する
気分が沈んだり、何をするにも元気が出なかったりなどの症状が続いているときは、専門機関やかかりつけ医に相談するようにしてください。もし日常生活に支障が出ていると感じたら、早めに相談しましょう。
また、その他に次のような状態が続く場合も要注意です。
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・急に痩せたり太ったりした
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・表情に元気がなくなった
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・一人になりたいと思うことが増えた
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・休みや遅刻が増えた
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・ミスや物忘れが増えた
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・他人の視線がやけに気になる
特に心の病気は、自分ではなかなか気付かないことが多くあります。このような状態が続いている場合もできるだけ早めに相談してください。
ストレスは溜め込まずうまく解消しよう
ストレスを受けた状態が続くと、メンタル面や身体面でさまざまなサインが見られます。気分が沈みやすくなった、イライラして怒りっぽくなったなどの症状があったら、ストレスが溜まっているのかもしれません。
ストレスを感じる原因としては、暑さや寒さ、病気や睡眠不足、進学や就職など環境の変化も挙げられます。心の病気はなかなかわかりづらいものですが、急に痩せたり表情が以前より暗くなったりした場合は早めに医療機関を受診するようにしてください。
また、ストレスが溜まっているサインを感じたら、ヨガやストレッチを行なったりいつもより休憩をしっかり取ったりするなど、体のことを気にかけるようにしましょう。
ストレスは人によって受け止め方が異なります。日常生活に支障があると思った場合は、無理せずに相談するよう心がけてください。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。