「大麦若葉」とは?期待される効果や摂取したほうが良い人の特徴

一日に摂取する野菜の目安量は350gとされています。しかし、近年20代以上の平均野菜摂取量は、目安量に達していません。

そこで野菜不足が気になる人におすすめしたいのが栄養たっぷりな大麦若葉です。
大麦若葉には、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。そのため、不足しがちな栄養素を補うためにはピッタリな素材です。さらに栄養補給だけではなく、食物繊維による便通改善の効果も期待されています。

そこで今回は、大麦若葉に期待できる効果や摂取したほうが良い人の特徴についてご紹介しましょう。

1.大麦若葉とは

そもそも大麦は、イネ科の植物であり、西アジアが原産です。1m程度の高さまで成長し、稲穂の形によって二条大麦と六条大麦の2種類に分類されます。

大麦若葉は、大麦に穂が出る前の若葉のことであり、全体の大きさは約20~30cm。青汁の原料として使用されるケースが多く、青野菜独特の臭いが控えめです。

ビタミンやミネラルなどの栄養素はもちろん、特に食物繊維が豊富なところが特徴。

ブロッコリーやほうれん草と比較しても、大麦若葉のほうが食物繊維を多く含んでいます。

2.大麦若葉の摂取で期待される効果

栄養豊富な大麦若葉には、どのような効果があるのでしょうか。
ここでは、大麦若葉を摂取することで期待できるおもな効果をご紹介します。

2-1.排便促進作用

大麦若葉に含まれている不溶性食物繊維は、水分を吸収する能力に優れており、水に溶けにくいのが特徴です。

食物繊維は、胃や小腸などで分泌される消化酵素によって分解されずに大腸まで到達。大腸内で便の材料となり、腸内環境を整えることにも利用されます。

その結果、排便を促す作用が期待できるでしょう。

2-2.血清脂質値(コレステロール値)の改善

大麦若葉由来の物質を摂取したことで、コレステロール値(LDL-C)の減少が見られたという報告があることから、大麦若葉には、コレステロール値(LDL-C)の改善効果が期待できるでしょう。

2-3.血糖値の改善

大麦若葉は、血糖値の改善も期待できます。大麦若葉に多く含まれている食物繊維には、血糖値を安定させる作用があるとされているためです。

大麦の摂取後、血糖値およびインスリン濃度の上昇が抑制されたという報告もあります。

3.大麦若葉の摂取をおすすめしたい人

大麦若葉には、排便促進・コレステロール値改善・血糖値の改善といった効果が期待できるとご紹介しました。
ここからは大麦若葉の摂取をおすすめしたい人の特徴について解説します。

3-1.便秘気味の人

大麦若葉は、便秘が気になる人におすすめです。

大麦若葉には、ブロッコリーやほうれん草などの野菜よりも豊富に食物繊維が含まれています。

食物繊維は、お腹の調子を整え便秘を予防するとされており、便秘気味の人にピッタリな栄養素になります。

3-2.生活習慣病が気になる人

大麦若葉には、コレステロール値や血糖値の改善効果も期待できます。

3-3.野菜不足が心配な人

普段の食事で不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を摂取したい人にも大麦若葉はおすすめです。

特に現代に生きるほとんどの日本人は、食物繊維が不足している状態といわれています。厚生労働省では一日350g以上の野菜を摂取するように推奨している一方で、20代以上の世代では、推奨する量を摂取できていません。

不足している栄養素を補うために、豊富な栄養素を含む大麦若葉を積極敵に摂取しましょう。

健康的な毎日のために大麦若葉を摂取しよう

大麦若葉は、不足しがちな栄養素を効率よく摂取できるおすすめの素材です。特に、普段の食事では不足しがちな、食物繊維を豊富に含んでいるのがポイントです。

食物繊維には、便通や血糖値の改善効果があるとされています。さらにコレステロール値の改善にも効果的です。現代では、野菜をしっかり食べることが難しい人も多いため、効率よく摂取するのであれば大麦若葉の摂取がすすめられます。

毎日の食生活に大麦若葉をうまく取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医