目次
1.モリブデンとは
モリブデンは微量ミネラルの一種で、おもに肝臓と腎臓に多く存在しています。モリブデンは体内で作り出せないので食事などで摂取しなければなりません。モリブデンは体のなかで酵素と結びつくことで、糖分や脂質などの代謝を助けたり、鉄分の働きを助けたりします。
あまり聞き慣れない栄養素である「モリブデン」。モリブデンは人間にとって必要な栄養素であるのですが、性別や年齢によって必要な量が細かく異なります。
今回は、モリブデンを豊富に含む食べ物やその働き、レシピについて解説します。
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モリブデンは微量ミネラルの一種で、おもに肝臓と腎臓に多く存在しています。モリブデンは体内で作り出せないので食事などで摂取しなければなりません。モリブデンは体のなかで酵素と結びつくことで、糖分や脂質などの代謝を助けたり、鉄分の働きを助けたりします。
ここでは、モリブデンの一日の摂取量の目安や、特に豊富に含まれている食べ物を紹介します。
モリブデンの目安量や推奨量などは、年齢や体重によって異なります。
赤ちゃんに対する目安量(※)は、男女とも共通で以下のようになります。
・0~5カ月児:2µg
・6~11カ月児:5µg
男性における推奨量(※)に関しては以下の通りになります。
・1~5歳:10µg
・6~7歳:15µg
・8~11歳:20µg
・12~14歳:25µg
・15~74歳:30µg
・75歳以上:25µg
女性における推奨量(※)も紹介します。男性と推奨量が異なりますので、よく確認しましょう。
・1~5歳:10µg
・6~9歳:15µg
・10~11歳:20µg
・12歳以上:25µg
上限量(※)は18歳以上において男性が600µg、女性500µgとされています。なお、18歳未満に関しては、上限量は設定されていません。
モリブデンは偏った食生活をしていなければ十分に摂ることができます。平均的な摂取量は225µgで、大豆を多く使った食事であれば300µg以上摂ることができます。
他の重金属に比べて比較的毒性が低いため、不足や過剰となることをそれほど心配する必要はないでしょう。
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
モリブデンは、穀類、豆類、きな粉、焼きのり、ごまなどに多く含まれています。
ここでは、モリブデンが豊富に含まれる、効率良く摂取できるレシピを紹介します。
調理時間は20分程度で、納豆から多くのモリブデンを摂取することができます。
下味にしょうゆを使っていますが、食べるときにお好みで辛子しょうゆなどを添えてもよいでしょう。
・長芋:250g
・納豆:1パック
・刻みねぎ:適量
・しょうゆ:小さじ1
・片栗粉:大さじ1.5
・焼きのり(八つ切り):8枚
・サラダ油:小さじ1
・白ごま:適量
1. 長芋の皮をむいてすりおろします。
2. 長芋、納豆、刻みねぎ、しょうゆ、片栗粉をよく混ぜ合わせます。
3. フライパンにサラダ油を熱します。焼きのりに2を適量載せ、山芋の面を下にして中火で焼きます。焼き色が付いたらひっくり返してのりの面を軽く焼きましょう。
4. 器に盛り付け、白ごまを散らせば完成です。
調理時間は30分程度で、大豆とおからからモリブデンが摂れます。チーズの濃厚な味わいと春雨の食感が軽めの赤ワインと相性が良いお料理です。
ワンポイントアドバイスとして、鶏胸肉を炒める際は、肉に8割程度火が通るように炒めてください。
・春雨:70g
・鶏胸肉:150g
・水煮大豆:150g
・おから:100g
・ミックスチーズ:80g
・豆乳:150ml
・ほうれん草:50g
・チキンコンソメ:1個
・塩:適量
・こしょう:適量
・オリーブ油:大さじ3
1. 春雨は湯で戻し、3cm幅に切って水気を切ります。ほうれん草は軸を落とし3cm幅に切りましょう。鶏胸肉は2cm幅に切り分け、水煮大豆は水気を切っておきます。
2. 耐熱皿におからと戻した春雨を敷きます。
3. フライパンにオリーブ油大さじ1を熱し、中火にかけます。鶏胸肉を焼き、塩、こしょうで味を付けます。
4. 3に水煮大豆を入れて炒め、油を全体にまとわせてチキンコンソメと豆乳を加えて弱火で熱します。
5. 4が沸いてきたら、ほうれん草を加えて熱を通します。
6. 5を2の上から注ぎ、その上にオリーブ油大さじ2とミックスチーズをかけましょう。
7. 250度に予熱したオーブンで20分加熱して完成です。
モリブデンは穀物や豆類などに多く含まれているため、日本人にとっては比較的不足しにくい栄養素です。体にとっては重要な栄養素であるモリブデンは、糖分や脂質などの代謝や鉄分の働きを助ける重要な役割を持っています。
今回ご紹介したモリブデンを効率良く摂取できるレシピを参考に料理を作り、モリブデンを摂るように心がけてみましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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