1.ビタミンDの働きについて
まずはビタミンDの特徴や体内での働き、一日に摂る目安量などを解説します。
1-1.ビタミンDとは
ビタミンDは、水に溶けない脂溶性ビタミンの一種です。
体内での作用は腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を助けることであり、骨の健康のために重要な働きを担っています。
ビタミンDが欠乏すると、骨折のリスクを高めることが示唆されているため、不足しないように注意が必要です。
ビタミンDには、きのこ類に含まれるビタミンD2と、魚類に含まれるD3が存在しています。
ただしビタミンD2については、きくらげなどには豊富に含まれていますが、ほかの市販のキノコにはあまり含まれていません。日光に当てることでビタミンDを増やすことができるため、購入後は2時間程度天日干しをするとよいでしょう。
また、ビタミンDは私たちの体内においても日光を浴びることによって合成が可能です。
日焼けが気になる人や、日照時間の少ない冬場などは食事からの摂取を心がけましょう。
1-2.ビタミンDの一日の摂取量
ビタミンDの一日摂取量についてご紹介します。
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
目安量は、各性別・年代の人々が良好な栄養状態を維持するのに十分な量のことを指します。
また、日光によりビタミンDが生成されるため、ビタミンDの摂取については日照時間も考慮することが大切です。
2.ビタミンDを含む食べ物
ここでは、ビタミンDを多く含んでいるおもな食材と、100gあたりに含まれているビタミンD量についてご紹介します。
2-1.魚介類
2-2.きのこ類
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・干ししいたけ(17.0㎍)
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・きくらげ(乾燥:85.0㎍、ゆで:8.8㎍)
2-3. その他の食材
参照:文部科学省「食品成分データベース」
3.ビタミンDを摂れるレシピ
ビタミンD補給を目指したメニューをご紹介します。
3-1.「さんまの蒲焼き黒酢さっぱり」
【材料】(2人分)
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・さんま 2尾
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・小麦粉 大さじ1.5
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・麺つゆ(2倍希釈タイプ) 50ml
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・水 50ml
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・黒酢 大さじ1
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・サラダ油 大さじ1
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・山椒 小さじ1/2
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・みょうが 1/3本
【作り方】
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1. さんまは頭と内臓を取り、腹開きにし、縦半分、横3等分に切り分ける。小麦粉を全体にまぶしておく。
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2. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、さんまを身側から焼く。焦げ目がついたら裏返し、皮面を焼き、皿に取りだす。
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3. 強火で熱したフライパンに麺つゆと水を入れ、煮立ってきたらさんまを入れて黒酢を回しかける。
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4. 3の調味料が蒸発し始めたら、さんまを絡めながら調味料の液体がなくなるまで加熱する。
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5. 4を皿に盛り付け、1㎜角にカットしたみょうがを上から散らし、仕上げに山椒を振りかけたら完成。
【ポイント】
さんまに含まれるビタミンDが摂れる一品。
さんまを焼くときにはなるべく動かさずにじっくり加熱することがポイントです。
3-2.「あさりとじゃこの玉子焼き」
【材料】(2人分)
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・あさり(缶詰) 40g
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・万能ねぎ 大さじ2
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・ちりめんじゃこ(しらす干し) 大さじ1
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・卵 2個
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・塩 少々
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・砂糖 少々
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・しょうが 1片
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・にんにく 1片
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・ごま油 大さじ1
【作り方】
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1. あさりはざるにあけて汁気を切っておく。万能ねぎは小口切りにする。しょうがとにんにくはそれぞれ皮をむき、みじん切りにする。
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2. ボウルに卵を割り入れて、あさり、万能ねぎ、ちりめんじゃこ、塩、砂糖を加えてかき混ぜる。
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3. フライパンを中火にかけ、ごま油を入れてにんにく、しょうがを加えて炒める。香りがでてきたら卵液を一気に流し入れる。
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4. 3を菜箸で10回ほどかき混ぜ、弱火にして2~3分焼く。裏返してさっと焼いたら盛り付けて完成。
【ポイント】
じゃこと卵はビタミンDを豊富に含んでいます。
あさりとじゃこの旨味と塩味でおいしく食べられるため、塩と砂糖は控えめでOKです。
卵を裏返すときにはしっかり焼いてないと崩れやすいため、薄めのきつね色になるまで焼いてから裏返すとよいでしょう。
ビタミンDを食事で摂取し骨の健康を保ちましょう
ビタミンDは人の骨の健康を守るために大切な栄養素です。
日光によってもビタミンDは生成されるため、日常生活においては可能な範囲で適度な日光浴を心がけるとよいでしょう。
もちろん食品からも補給できますので、今回ご紹介した食材やレシピも参考にしてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医