1.コエンザイムQ10(coq10)とは
コエンザイムQ10とは動植物の体内で合成される脂溶性の物質で、細胞内でエネルギーをつくり出すうえで欠かせない成分です。ヒトの体内でも合成されており、体のほとんどの細胞に含まれています。
コエンザイムQ10は「キノン」と呼ばれる構造を持っており、生物界に広くあちこちに分布する(ユビキタス:ubiquitous)ことから「ユビキノン」とも呼ばれています。ユビデカレノンやビタミンQという名称も、コエンザイムQ10の別名です。
ヒトの体内には、体内で合成されたコエンザイムQ10と食事などから供給されたコエンザイムQ10がありますが、これらは年齢とともに減少していくことが知られています。特に、心臓などの活発に働く臓器ではコエンザイムQ10の減少が顕著です。
コエンザイムQ10は年齢とともに減っていくことから、コエンザイムQ10を含む食品を積極的に摂取することをおすすめします。
2.コエンザイムQ10(coq10)を含む食品
コエンザイムQ10を豊富に含む食品として、大豆やピーナッツ、ゴマ、ホウレンソウ、ブロッコリー、イワシ、豚肉、牛肉、鶏肉などが挙げられます。ただし、毎日の食事だけから十分な量のコエンザイムQ10を摂るのは、困難といえるでしょう。例えば、一日30mgのコエンザイムQ10を摂取するためには、イワシでは約6匹、牛肉となると約1kgを食べる必要があるためです。
サプリメントで手軽に補いながら、日々の食事でもコエンザイムQ10の豊富な食材を取り入れていくと、無理なく摂取することができます。
3.コエンザイムQ10(coq10)が摂れるおすすめレシピ
コエンザイムQ10を効率よく摂取できるレシピを紹介します。
3-1.ブロッコリーとナッツのサラダ
コエンザイムQ10の豊富なブロッコリーとピーナッツを一緒に摂れるレシピです。
【材料】(作りやすい分量)
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・ブロッコリー(小) 1株
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・ミックスナッツ(無塩タイプ) 20g
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・マヨネーズ 大さじ1.5
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・ヨーグルト 大さじ1
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・粗挽き黒こしょう 適量
【作り方】
塩分の過剰摂取を控えるため、ミックスナッツは無塩の製品を選びましょう。ミックスナッツの代わりにピーナッツのみを使うのもおすすめです。
3-2.イワシとれんこんのオープンサンド
イワシもコエンザイムQ10が豊富な食材です。薄力粉をつけて焼いたイワシの香ばしさと歯ごたえのあるれんこん、バゲットの食感が食欲をそそります。
【材料】(2人分)
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・イワシ(15cm程度) 6尾
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・れんこん 6cm
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・うずら卵 6個
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・スプラウト 1/2パック
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・バゲット 6cm
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・塩 少々
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・こしょう 少々
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・薄力粉 大さじ1
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・カレー粉 小さじ1
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・マスタード 大さじ1
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・オリーブ油 適量
【作り方】
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1. イワシを手開きにする。れんこんは縦半分に切ってから薄切りにし、さっと水にさらして水を切る。スプラウトは洗って根を切り落とし、水気をしっかり切る。
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2. 薄力粉とカレー粉を十分に混ぜ合わせてバットに入れる。バゲットを1㎝幅の斜め切りにする。
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3. フライパンにオリーブ油を薄く敷いたら、うずら卵で目玉焼きを作って取り出す。
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4. フライパンにオリーブ油を敷き、れんこんをしんなりするまで炒めて、塩、こしょうで味つけしてから取り出す。
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5. イワシの両面に塩、こしょうをしてから、2の粉をまぶす。フライパンにオリーブ油を多めに敷いてイワシの両面をこんがりするまで焼く。
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6. バゲットを軽くトーストし、マスタードを塗って皿に載せる。バゲットにスプラウト、れんこん、イワシ、うずら卵の目玉焼きの順番で載せていく。
イワシの臭みを抑えるために、開いたあとで内臓や血合いをしっかり取り除き、水気を十分に切っておきましょう。あらかじめフライ用に開いてある大きいイワシを用いて、バゲットに載るサイズに切ると手間が省けて便利です。
コエンザイムQ10を摂取してアクティブな毎日を
コエンザイムQ10は生物のエネルギー生成に関わる物質であり、ヒトにとっても必要不可欠な成分です。
体内で合成されるコエンザイムQ10の量は加齢にともなって減少することが知られています。
活気あふれる日々のサポートに、コエンザイムQ10の豊富な食品を積極的に摂取していきましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。