血圧が高い人におすすめの食事とは?注意点やレシピを紹介

高血圧は、さまざまな健康リスクを高める危険因子です。

しかし、高血圧の初期では、ほとんど自覚症状がないケースも多く、気付かないうちに健康リスクを抱えていることもあります。

高血圧を予防するためのポイントは、減塩を意識した食生活です。

今回は、血圧が高い人が注意すべき食事やおすすめレシピを紹介します。

1.「血圧が高い」とはどういう状態?

ここでは、血圧が高い状態の定義と、高血圧による病気リスクを解説します。

1-1.血圧が一定の値以上に高くなっている状態

高血圧とは、血圧が一定の基準値以上に高い状態を指します。一般的に高血圧とされる判断基準は、診察室で血圧を測った場合、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上です。

家庭で血圧を測定した場合は、収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg以上、もしくは拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg以上で高血圧とされます。

高血圧のおもな原因は、塩分の多い食生活や肥満、自律神経の乱れ、喫煙、加齢や遺伝などが挙げられます。

1-2.血圧が高い状態が続くと病気リスクが高まる

高血圧の状態が続くと、血管内皮へのストレスから血管の壁が厚くなり、深刻な病気を発症するリスクが高まります。

2.血圧が高いときに食事で注意すべき点

血圧が高い人が、食事で注意すべき点について解説します。

2-1.塩分を摂り過ぎない

血圧が高い人は、塩分を摂り過ぎないように意識しましょう。日本高血圧学会では、高血圧患者の塩分摂取量は、一日6g未満に抑えるよう強くすすめています。塩分を多く摂っている場合は、積極的に減塩することが大切です。

2-2.カリウムを含む食品を食生活に取り入れる

高血圧が気になる人は、カリウムを含む食品がおすすめです。カリウムには、体内にある余分な塩分(ナトリウム)を排出させる働きがあります。過剰な塩分を排出することで、体内の塩分とカリウムのバランス調整が可能です。

カリウムを豊富に含むパセリやほうれん草などの野菜や、バナナやキウイフルーツなどの果物を積極的に摂ると、塩分過多を調節する助けになります。

3.血圧が高い人におすすめの食事レシピ

ここからは、血圧が高い人におすすめの食事レシピを紹介します。

3-1.ラム肉と野菜のトマト煮込み

まず紹介するのは、「ラム肉と野菜のトマト煮込み」です。ラム肉に含まれている不飽和脂肪酸は、血圧を下げる助けがあるとされています。調理時間は約25分、カロリーは302kcalです。

【材料】(2人分)

  • ・ラム肉(薄切り) 180g

  • ・にんにく 1/2片

  • ・玉ねぎ 1/4個

  • ・黄パプリカ 1/2個

  • ・ブロッコリー 1/2株

  • ・トマト水煮缶 1/2缶

  • ・オリーブ油 小さじ2

  • ・顆粒コンソメの素 小さじ1

  • ・塩 小さじ1/8

  • ・砂糖 少々

(A)

  • ・クミンパウダー 適量

  • ・コリアンダーパウダー 適量

  • ・シナモンパウダー 適量

【作り方】

  • 1.食べやすい大きさにカットしたラム肉に(A)を揉み込みます。

  • 2.にんにくをみじん切りにし、玉ねぎは薄くスライスしましょう。種を取った黄パプリカは食べやすい大きさにカットし、ブロッコリーは小房に分けておきます。

  • 3.オリーブ油を敷いた鍋を弱火にかけ、カットしたにんにくと玉ねぎを炒めましょう。にんにくの香ばしい香りがしてきたら、ラム肉と黄パプリカを加えます。

  • 4.ラム肉の色が茶色に変化したら、トマト水煮缶、顆粒コンソメの素、塩、砂糖を入れ、約10分煮込みましょう。

  • 5.最後にブロッコリーを加え、1~2分煮たら完成です。

減塩対策のために、下味に塩を使わずスパイスで味付けをしているところがポイントです。スパイスには、ラム肉が持つ特徴的なクセをマイルドにする効果もあります。

3-2.きのこのおひたし

次は、たっぷりのきのこが味わえる「きのこのおひたし」を紹介します。

きのこ類には食物繊維やカリウムが含まれており、血圧を下げる助けがあるとされています。調理時間は約10分、カロリーは47kcalです。

【材料】(作りやすい分量)

  • ・しいたけ 3枚

  • ・エリンギ 50g

  • ・しめじ 1/2株

  • ・えのき茸 1/2株

  • ・だし 200ml

  • ・みりん 大さじ1/2

  • ・しょうゆ 大さじ1

【作り方】

  • 1.石づきを取ったしいたけを、2~3mmの幅で薄切りにします。

  • 2.エリンギは食べやすい大きさに切り、しめじとえのき茸は根元部分をカットします。しめじは食べやすいように小房に分け、えのき茸は縦半分に切ります。

  • 3.だし、みりん、しょうゆを入れた鍋を熱し、沸騰したらカットしたきのこを加えましょう。

  • 4.2~3分煮たら火を止めて完成です。

きのことだしの旨味が楽しめる、塩分控えめのおひたしです。

3-3.アボカドとパパイヤのフルーツサラダ

最後に、彩鮮やかな「アボカドとパパイヤのフルーツサラダ」を紹介します。調理時間は約10分、カロリーは220kcalです。

【材料】(2人分)

  • ・アボカド 1/2個

  • ・パパイヤ 1/4個

  • ・バナナ 1/2本

  • ・ぶどう(レッドグローブ) 10粒

  • ・ライム 1個

  • ・EVオリーブ油 大さじ2/3

  • ・塩 少々

  • ・はちみつ 小さじ1

  • ・黒こしょう 少々

【作り方】

  • 1.アボカドは縦半分に包丁で切り込みを入れ、ねじるように割って種を取り出します。

  • 2.アボカドの皮をむき、縦に6等分に切ったら横半分にカットしましょう。

  • 3.パパイヤは種と皮を取り除き、縦に4等分に切ったあと横半分にカットします。

  • 4.バナナは、約7mmの厚さで輪切りにしましょう。

  • 5.ライム果汁、塩、はちみつをボウルに入れてしっかり混ぜたら、EVオリーブ油を加えさらに混ぜ合わせてドレッシングを作ります。

  • 6.アボカド、パパイヤ、バナナは、ドレッシングに一度浸してからお皿に盛りましょう。ぶどうをお皿に盛り付けたら、ドレッシングを上から回しかけ、黒こしょうを振って完成です。

ライムの代わりにレモン果汁を使うのもよいでしょう。ぶどうは、皮ごと食べられる品種を選ぶのがポイントです。

血圧が高い人は食事を見直してみましょう

血圧が高いと感じる人は、食生活を見直してみましょう。日本人の食生活は、塩分が多い傾向にあるため、意識して塩分を控えることが大切です。

余分な塩分(ナトリウム)を排出しやすい作用のある、カリウムを摂取することもおすすめです。カリウムは、パセリやほうれん草などの野菜やバナナやキウイフルーツなどの果物に多く含まれているため、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。

血圧が高い状態が長く続くと、さまざまな健康リスクが高まります。体の不調が出る前に、食生活を見直してみましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。