ビタミンB2を多く含む野菜・食材を解説|
一日の摂取量や欠乏時の症状とは?

ビタミンB2は人間にとって必要な栄養素です。体の組織を構成したり体の調子を整えたりする働きがあるため、欠かすことができません。

普段、ビタミンB2はどのような食材から摂取すればよいでしょうか。

そこで今回は、ビタミンB2を含む野菜・食材、一日の摂取量や欠乏時の症状、効率良く摂取できるレシピを紹介します。

1.ビタミンB2とは?

ビタミンB2の働き、ビタミンB2の一日の摂取量を見ていきましょう。

1-1.ビタミンB2について

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、エネルギー代謝や成長に関わる重要な栄養素です。例えば、健康な髪や肌をつくるために欠かせません。

特に妊娠授乳期の女性や食事量の少ない方は、意識的に多く摂りたいビタミンです。

1-2.ビタミンB2の一日の摂取量(18~69歳)

ビタミンB2の上限量は特に設けられておらず、通常の食事では過剰となることで健康を害する例はありません。ビタミンB2は過剰になるとすぐにおしっことして体の中から出ていくため、影響を受けにくいとされています。

ビタミンB2の必要量または目安量は以下のとおりです。

ビタミンB2の食事摂取基準(㎎/日)

性別 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 推定平均必要量 推奨量 目安量
0~5カ月 0.3 0.3
6~11カ月 0.4 0.4
1~2歳 0.5 0.6 0.5 0.5
3~5歳 0.7 0.8 0.6 0.8
6~7歳 0.8 0.9 0.7 0.9
8~9歳 0.9 1.1 0.9 1.0
10~11歳 1.1 1.4 1.0 1.3
12~14歳 1.3 1.6 1.2 1.4
15~17歳 1.4 1.7 1.2 1.4
18~29歳 1.3 1.6 1.0 1.2
30~49歳 1.3 1.6 1.0 1.2
50~64歳 1.2 1.5 1.0 1.2
65~74歳 1.2 1.5 1.0 1.2
75歳以上 1.1 1.3 0.9 1.0
妊婦 +0.2 +0.3
授乳婦 +0.5 +0.6


※1歳未満は目安量
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2.ビタミンB2を多く含む野菜・食材

ビタミンB2は納豆、ブロッコリー、うなぎ、干ししいたけ、脱脂粉乳、牛乳、卵に多く含まれます。ここでは、ビタミンB2が特に多く含まれている野菜、肉や魚介類、その他の食材で分類して紹介します。

2-1.ビタミンB2の多い野菜

食品名 ビタミンB2含有量
(100gあたりmg)
乾燥とうがらし 1.40
わらび(生) 1.09
菊のり 0.89
ブロッコリー(焼き) 0.40

(文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)

2-2.ビタミンB2の多い肉・魚介類

食品名 ビタミンB2含有量
(100gあたりmg)
しろさけ 6.38
いなごの佃煮 1.00
どじょう 1.00
うなぎ(かば焼き) 1.00

(文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)

2-3.ビタミンB2の多いその他の食材

食品名 ビタミンB2含有量
(100gあたりmg)
干しのり 2.68
焼きのり 2.33
味付けのり 2.31
乾燥まいたけ 1.92
干ししいたけ 1.74
乾燥わかめ 1.50

(文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)

3.ビタミンB2が摂れるおすすめレシピ

最後に、ビタミンB2が豊富に含まれていて、効率良く摂取できるレシピを紹介します。

3-1.カマンベールチーズのアヒージョ

調理時間は15分程度で、ブロッコリーからたっぷりビタミンB2が摂れます。

【材料】(2人分)

  • ・カマンベールチーズ 1個

  • ・ソーセージ 3本

  • ・ミニトマト 5個

  • ・ブロッコリー 30g

  • ・にんにく 1~2片

  • ・オリーブ油 100ml

  • ・塩 小さじ1/4

  • ・粗挽き黒こしょう 適量

【作り方】

  • 1.カマンベールチーズは8等分に切ります。ソーセージは食べやすいサイズに切り、ミニトマトはヘタを取ります。ブロッコリーは小房に分けます。

  • 2.にんにくは、みじん切りにしましょう。

  • 3.小さなフライパンかスキレット(今回は直径15cmのものを使用)に、みじん切りにしたにんにくとオリーブ油、塩を入れて弱火にかけます。

  • 4.にんにくの香りが立ってきたら、1を入れて加熱します。

  • 5.カマンベールチーズが溶けてきたら、粗挽き黒こしょうを振りかけて完成です。

ソーセージやミニトマト以外にも、きのこ類や下ゆでしたじゃがいもなどを入れてみるのもおすすめです。

3-2.春菊の塩昆布あえ

調理時間は10分程度で、春菊や昆布からビタミンB2を摂取できます。

【材料】(2人分)

  • ・春菊 1袋

  • ・塩 適量

  • ・塩昆布 5g

  • ・ごま油 小さじ1

【作り方】

  • 1.春菊はよく洗い、塩を加えた熱湯でゆでます。冷水に春菊をさらして、水気を絞り、3~4cmの長さに切ります。

  • 2.春菊、塩昆布、ごま油をよく混ぜ合わせます。

塩昆布は製造会社によって含まれる塩分の量が異なるため、好みで加減してください。

ビタミンB2が多く含まれている野菜を意識して摂取してみましょう

ビタミンB2は牛乳や卵、納豆、ブロッコリーなど身近な食品に多く含まれています。

今回紹介したレシピを参考にビタミンB2を意識して摂取するように心がけてみましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。