目次
1.ビタミンB6はどのような栄養素?
まずは、ビタミンB6の基本的な働きや一日の摂取目安量などを解説します。
1-1.ビタミンB6の働き
私たちが生きるうえで起こる、さまざまな生体反応をサポートするために「酵素」というものが存在します。ビタミンB6は、この酵素を助ける補酵素として働き、脂質の吸収やたんぱく質の代謝に関わっているビタミンです。
また、ビタミンB6は免疫機能の維持にも関わってきます。
1-2.ビタミンB6の一日の摂取量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンB6の摂取量については、次のように一日の目安量と上限量が設定されています。
・目安量(mg/日)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18~29歳 | 1.4 | 1.1 |
30~49歳 | 1.4 | 1.1 |
50~64歳 | 1.4 | 1.1 |
65~74歳 | 1.4 | 1.1 |
75歳以上 | 1.4 | 1.1 |
妊婦 ※付加量 | - | +0.2 |
授乳婦 ※付加量 | - | +0.3 |
・上限量(mg/日)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18~29歳 | 55 | 45 |
30~49歳 | 60 | 45 |
50~64歳 | 55 | 45 |
65~74歳 | 50 | 40 |
75歳以上 | 50 | 40 |
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
なお、上記のように目安量と上限量が設定されていますが、一般的な食事している方の場合、ビタミンB6を過剰摂取しても健康上に何らかの不調は見られないとされています。
2.ビタミンB6を含む食べ物
ビタミンB6を多く含む食べ物は、肉類や魚類、卵や牛乳、豆類や穀類などです。以下に、具体的な食材と100gあたりに含まれているビタミンB6量を紹介します。
食品名 | 100gあたりの成分量 |
---|---|
パセリ(乾) | 1.47mg |
まぐろ赤身(生) | 1.08mg |
しょうがパウダー | 1.03mg |
ビーフジャーキー | 0.85mg |
豚ヒレ肉(焼き) | 0.76mg |
若どりむね肉(皮なし・焼き) | 0.66mg |
ささみソテー | 0.65mg |
大豆(乾) | 0.59mg |
まさば水煮 | 0.48mg |
玄米 | 0.45㎎ |
卵黄(生) | 0.26mg |
牛乳 | 0.03㎎ |
3.ビタミンB6を摂れる食事メニュー
ここからは、ビタミンB6をおいしく補給できるメニューを2品紹介します。
3-1.さば缶とほうれん草の食べるカレースープ
ビタミンB6を含む、さばの缶詰を使った一品です。さばには、悪玉コレステロールの減少をサポートする、不飽和脂肪酸も多く含まれています。
【材料】(2人分)
-
・さばの水煮缶詰 1缶
-
・ほうれん草 1/2束
-
・玉ねぎ 1/4個
-
・水 400ml
-
・カレー粉 小さじ1
-
・塩 小さじ1/8
【作り方】
-
1. 沸騰させたお湯でほうれん草を下ゆでし、4cm程度の長さに切り分けます。
-
2. 玉ねぎは皮をむき、薄く切ります。
-
3. 水を入れた鍋を中火にかけて、沸騰したら2を入れます。さばの缶詰を粗めにほぐし、鍋に汁ごと加えます。
-
4. 玉ねぎに火が通ってから、ほうれん草とカレー粉、塩を加えて完成です。
3-2.たっぷりキャベツと豚肉の蒸し煮
豚肉でビタミンB6が摂取できるメニューです。調理にあまり水分を使わないため、野菜の甘味を感じられるでしょう。
【材料】(2人分)
-
・しゃぶしゃぶ用の豚肉 180g
-
・キャベツ 1/4個
-
・玉ねぎ 1/4個
-
・塩 適量
-
・こしょう 適量
-
・酒 大さじ3
-
・だしの素 小さじ1/2
-
・きざみねぎ 適量
-
・ぽん酢 適量
【作り方】
-
1. キャベツは2㎜程度に細く切り、玉ねぎは薄く切ります。
-
2. キャベツと玉ねぎを鍋に入れ、その上に豚肉を薄く広げながら重ね、塩・こしょうをかけます。同じように3~4回重ねたら、最後にだしの素と酒を加えてフタをします。
-
3. 2の鍋を火にかけて煮立ったら中火~弱火にし、10分ほど熱します。
-
4. 皿に3を盛り付けたら、きざみねぎを散らし、ぽん酢をかけて完成です。
ビタミンB6は普段の食事から不足しないように摂ろう
ビタミンB6は体内でさまざまな働きをし、私たちの健康を保つうえで欠かせない栄養素です。免疫機能の維持にもかかわるため、食事から補給することを心がけましょう。
ビタミンB6は肉・魚・卵・大豆製品などに多く含まれているため、これらを含めたバランスの良い食事を摂ることがおすすめです。
ここで紹介したレシピも参考にして、ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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