ビタミンB1を多く含む野菜・食材とは?
代謝アップにおすすめのレシピも紹介

みなさんは、普段の食事でビタミンを摂るように心がけているでしょうか?五大栄養素で、生命維持に不可欠といわれているビタミンを意識的に摂取することは、とても重要です。

今回は、そのビタミンの一種であるビタミンB1について解説します。また、ビタミンB1が多く含まれている食材や、それらの食材を使用したおすすめのレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ビタミンB1とは?

ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、人体の調子を整えるためのさまざまな働きをもつビタミンの一つです。まずは、ビタミンB1の働きや一日の摂取量目安を見ていきましょう。

1-1.ビタミンB1の働き

ビタミンB1は、糖やアミノ酸の代謝に関わっている水溶性のビタミンです。体に必要な栄養素であり、欠乏すると脳を含む神経系への障害、代表的な疾患では脚気(かっけ)などを起こすおそれがあります。

1-2.ビタミンB1の一日の摂取量

ビタミンB1の一日の摂取量について、18~69歳の成人男性が1.3~1.4mg、女性は1.1mgが推奨です。上述したように、不足すると脳や神経などに不調をきたすおそれがあります。

一方、ビタミンB1を過剰摂取しても、尿中に速やかに排出されることもあり、一般的な食事を摂取している人のなかで、健康に何らかの障害が見られたケースはないようです。そのため、ビタミンB1の一日の摂取量に上限量は設定されていません。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2.ビタミンB1を多く含む野菜・食材

ビタミンB1をしっかりと摂取するには、どのような食材を食事に取り入れると良いのでしょうか。野菜・果物と肉・魚、豆・穀物などに分けて、代表的なものを見ていきましょう。

2-1.ビタミンB1を多く含む野菜・果物

ビタミンB1を多く含む野菜や果物には、次のようなものが挙げられます。

食品名 100gあたりの成分量
切り干し大根 0.35mg
ブロッコリー(焼き) 0.27㎎
ドライマンゴー 0.27㎎
にんにく 0.23㎎
モロヘイヤ(生) 0.18㎎
アスパラガス(油炒め) 0.15㎎
玉ねぎ(油炒め) 0.12㎎
ほうれん草(生) 0.11㎎
アボカド(生) 0.10㎎
オレンジ 0.10㎎
パイナップル 0.09㎎

参考:文部科学省「食品成分データベース」

2-2.ビタミンB1を多く含む肉・魚

ビタミンB1を多く含む肉や魚系には、次のようなものが挙げられます。

食品名 100gあたりの成分量
豚ヒレ(焼き) 2.09㎎
豚もも(焼き) 1.19㎎
豚ひき肉(焼き) 0.94㎎
豚ロース(焼き) 0.90㎎
たらこ(焼き) 0.77mg
かつお節 0.55㎎
豚ウインナーソーセージ(焼き) 0.38㎎
アトランティックサーモン(ソテー) 0.31㎎
まさば(焼き) 0.30㎎
魚肉ソーセージ 0.20㎎

参考:文部科学省「食品成分データベース」

2-3.ビタミンB1を多く含む豆・穀物など

ビタミンB1を多く含む豆・穀物には、以下のようなものが挙げられます。

食品名 100gあたりの成分量
玄米 0.41㎎
グリーンピース(生) 0.39㎎
強力粉(全粒粉) 0.34㎎
枝豆(ゆで) 0.24㎎
薄力粉 0.21㎎
オートミール 0.20㎎
ひきわり納豆 0.14mg

参考:文部科学省「食品成分データベース」

3.ビタミンB1が摂れるおすすめレシピ紹介

ビタミンB1が多く含まれる食材を、おいしく摂取できるレシピを2品紹介します。

3-1.モロヘイヤとツナのごまあえ

モロヘイヤを使うことで、ビタミンB1を摂れるメニューです。材料のすりごまは、白ごまと黒ごまのどちらを使っても問題ありません。

【材料】(2人分)

  • ・モロヘイヤ 1パック

  • ・ツナ缶 1缶

【A】

  • ・すりごま 大さじ1

  • ・しょうゆ 小さじ1/2

  • ・砂糖 小さじ1/2

【作り方】

  • 1. モロヘイヤの葉先を取って熱湯で軽くゆでたら冷水につけ、水分を絞って食べやすい大きさに切ります。

  • 2. 【A】をボウルにすべて入れ混ぜ、そこに1と油を切ったツナ缶を入れて混ぜたら完成です。

3-2.豚ヒレの煮込み ジェノバ風

ビタミンB1を多く含む、豚ヒレやグリーンピースを使った一品です。グリーンピースや玉ねぎはたくさん入れると、さらに味に深みが出るでしょう。

【材料】(2人分)

  • ・豚ヒレ肉 約300g

  • ・塩 少々

  • ・こしょう 少々

  • ・玉ねぎ 1.5個

  • ・グリーンピース 1/2カップ

  • ・マッシュルーム 5~6個

  • ・固形ブイヨン 1/2個

  • ・水 1カップ

  • ・白ワイン 1/3カップ

  • ・オリーブ油 適量

  • ・市販のバジルソース 大さじ2

  • ・生バジル(飾り用) 適量

【作り方】

  • 1. 玉ねぎをタテに薄切りにし、マッシュルームは大きいものを4つに、小さいものを半分に切ります。

  • 2. 豚ヒレ肉のスジを取り、1.5cmほどの厚さに切ります。塩・こしょうをふり、オリーブ油を敷いた鍋で肉の表面に焼き色が付くまで熱したら、鍋から一度取り出します。

  • 3. 2の鍋にオリーブ油をさらに加え、1の玉ねぎを色が透き通るまで炒めます。そこにマッシュルームを入れて、全体に油がなじんだら白ワインを入れます。

  • 4. 白ワインを沸騰させてアルコールを飛ばし、水、固形ブイヨン、2の豚ヒレ肉を入れます。沸騰したら、弱めの中火にして15分ほど煮込みます。

  • 5. 4にグリーンピースを入れてさらに5分ほど煮込み、火を止める直前にバジルソースを加えたら、塩・こしょうで味を調整します。
    6. 5を皿によそい、生バジルを飾って完成です。

ビタミンB1を多く含む野菜を摂取して健やかな日常を過ごしましょう

今回は、ビタミンB1の働きやビタミンB1を摂取できる食材、それらの食材を使用したレシピを紹介しました。

ビタミンB1は糖やアミノ酸の代謝に関わる栄養素で、不足すると健康にも影響をおよぼします。そのため、日頃の食事から意識して摂取することが大事だといえるでしょう。

今回紹介した食材を参考に、普段からビタミンB1を含む食材が摂取できているか、今一度確認してみてください。

また、今回紹介したレシピのなかには簡単に作れるものもあるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。