必須アミノ酸であるロイシンを多く含む
食品やおすすめの食事メニュー

筋肉と深い関わりのある物質「ロイシン」。たくましい体を目指す人のサポートをする栄養素だといえるでしょう。ロイシンは体内で作ることができないため、食事から摂る必要があります。

そこで今回は、ロイシンを多く含む食品やおすすめのレシピを紹介します。

1.ロイシンとは?

まずは、ロイシンの特徴と働きについて解説します。

1-1.ロイシンは必須アミノ酸の一種

ロイシンは必須アミノ酸の一種であり、筋肉の合成に深く関わっている物質です。必須アミノ酸には9種類あり、そのうちのロイシン・バリン・イソロイシンを分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼びます。分岐鎖アミノ酸は、特に筋肉と関係がある物質です。

冒頭でも触れたように、ロイシンを含む必須アミノ酸は体内で作られないため、食べ物から摂取する必要があります。とはいえ、これらの物質は通常の食事でも十分に摂取できるため、ロイシンが不足することはほとんどないでしょう。

1-2.ロイシンの働き

ロイシンは、筋肉量の維持や増加に関する、たんぱく質同化作用が強いという特徴があります。さらに、たんぱく質の合成を促進する働きがあるため、筋肉を大きくしたい方にとって重要な物質だといえるでしょう。

また、分岐鎖アミノ酸(ロイシン・バリン・イソロイシンの3種)は、筋肉のエネルギー源になりやすいとされています。

このように、ロイシンは筋肉に対して重要な働きをするため、トレーニング時に摂取するとよいでしょう。

2.ロイシンやその他の分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含む食品

ここでは、ロイシンやその他の分岐鎖アミノ酸を多く含む食品を紹介します。

2-1.ロイシンを多く含む食品

ロイシンを多く含む食品には、次のようなものが挙げられます。

食品名 100gあたりの成分量
かつお節 5900㎎
ビーフジャーキー 4400㎎
パルメザンチーズ 4300㎎
するめ 4300㎎
豚ヒレ肉(焼き) 3200㎎
しらす干し 3100㎎
若鶏むね肉(焼き) 3100㎎
いり大豆 3100㎎

参考:文部科学省「食品成分データベース」

2-2.ロイシン以外の分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含む食品

ロイシン以外の分岐鎖アミノ酸を含むおもな食品には、次のようなものが挙げられます。

魚類:まぐろ、かつお など
肉類:牛肉、豚肉、鶏肉 など
その他:卵、豆腐、牛乳 など

3.ロイシン・分岐鎖アミノ酸(BCAA)が摂れるおすすめレシピ

ここでは、ロイシンやその他の分岐鎖アミノ酸が摂取できる、おすすめのレシピを3つ紹介します。

3-1.関西風ねぎ焼き

卵やかつお節で、ロイシンなどが摂取できる一品です。エビや豚肉など、好みに合わせて具材を追加するのもよいでしょう。

【材料】(2人分)

  • ・青ねぎ 2束

  • ・天かす 20g

  • ・卵 2個

【A】

  • ・薄力粉 100g

  • ・だし 100ml

  • ・砂糖 ひとつまみ

  • ・塩 ひとつまみ

  • ・サラダ油 小さじ1

  • ・ソース 適量

  • ・マヨネーズ 適量

  • ・かつお節 適量

【作り方】

  • 1. 青ねぎを小口切りにします。

  • 2. 【A】をしっかりと混ぜたら、そこに1と天かす、卵を入れて軽く混ぜます。

  • 3. サラダ油を敷いたフライパンを熱し、2を半分流し込みます。厚みが約1cmになるように丸く形を整えます。

  • 4. 片面を中火で約3分焼いてひっくり返したら、フライパンにフタをして、約4分蒸し焼きにします。

  • 5. 4分経ったら、ひっくり返してさらに2分焼きます。

  • 6. 皿に載せて、ソース・マヨネーズ・かつお節をかけて完成です。

  • 7. 2の残りも同じ手順で仕上げます。

3-2.かつおのユッケ風

分岐鎖アミノ酸を多く含むかつおを、摂取できるメニューです。同じく分岐鎖アミノ酸を多く含む、まぐろで作るのもおすすめです。

【材料】(2人分)

  • ・かつおのタタキ 140g

  • ・きゅうり 1/2本

【A】

  • ・コチュジャン 小さじ2

  • ・砂糖 小さじ2.5

  • ・しょうゆ 小さじ1/2

  • ・ごま油 小さじ1

  • ・白ごま 適量

  • ・おろしにんにく 適量

  • ・卵黄 1個

【作り方】

  • 1. かつおのタタキを1cm角に小さく切り、きゅうりはかつおのタタキよりも小さめのサイコロ状に切ります。

  • 2. 【A】をしっかりと混ぜ合わせたら、1とあえます。

  • 3. 皿に盛り、中央に卵黄を載せたら完成です。

3-3.ささみの柚子こしょう焼き

ささみもロイシンを多く含む食材です。ささみがパサパサの食感になってしまうため、焼きすぎないように注意しましょう。

【材料】(2人分)

  • ・ささみ 4本

  • ・獅子唐辛子 6本

  • ・小麦粉 大さじ1/2

  • ・サラダ油 大さじ1

【A】

  • ・砂糖 大さじ1/2

  • ・しょうゆ 大さじ1

  • ・みりん 大さじ1

  • ・酒 大さじ1

  • ・柚子こしょう 小さじ1/2~

【作り方】

  • 1. スジを取ったささみを一口大に切り、小麦粉を全体にまぶします。

  • 2. ヘタを取った獅子唐辛子に数ヵ所切り込みを入れます。

  • 3. 【A】をすべて混ぜます。

  • 4. サラダ油を敷いたフライパンを熱して、1と2を焼きます。ささみに火が通ったのを確認し、3を加えて全体になじませたら完成です。

食品から効率良くロイシンを摂取しよう

必須アミノ酸の一種であるロイシンは、筋肉の合成に深く関わっている物質です。さらに、分岐鎖アミノ酸(ロイシン・バリン・イソロイシン)は、筋肉にエネルギーを供給する役割があります。

しかし、これらの物質は体内で作られないため、食事からの摂取が必要です。健康的な体を意識したい人は、今回紹介したロイシンや分岐鎖アミノ酸を含む食品を、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。