1.ビフィズス菌について
ビフィズス菌にはどのような働きがあるのでしょうか。
1-1.そもそもビフィズス菌とは?
ビフィズス菌とは乳酸菌の一種であり、私たち人間や動物の腸のなかに存在する善玉菌です。乳児の腸内に多く存在している菌でもあり、正常な状態では腸内細菌の20%ほどは乳酸菌が占めているとされています。
ビフィズス菌は糖を分解して乳酸だけでなく酢酸もつくり出す特徴があることから、乳酸菌とは別のものと区別されることもあります。
ビフィズス菌は酸に弱い性質があり、口から摂取したあとも生きたまま腸に届きやすくするためにさまざまな研究が行なわれているのです。
1-2.ビフィズス菌の働き
ビフィズス菌は、腸内で有害な菌である悪玉菌の増殖を抑えることで、腸の働きを良くしてくれます。それによって食中毒菌や病原菌に負けない体づくりに役立っていたり、腐敗産物の生成を抑えたりするような腸内環境づくりを担っているのです。
乳酸菌にはビタミンを生成する働きもあり、なかでもビフィズス菌はビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンKを合成することが知られています。
ビタミンは、私たちの健康を保つために必要な栄養素です。栄養バランスのとれた食事と、乳酸菌の力も活用し、ビタミンが不足しないように気を付けましょう。
2.ビフィズス菌を多く含む食品と一緒に摂りたい食品
ビフィズス菌を効率良く摂りたい方に、おすすめの食品を紹介します。
2-1.ビフィズス菌を含む食品
健康的な腸内とは、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が多い状態です。
そこで、ビフィズス菌や乳酸菌そのものを含むヨーグルト、乳酸菌飲料、味噌、漬物などを直接摂ることで、腸内の善玉菌を増やすことに役立ちます。
2-2.ビフィズス菌と一緒に摂りたい食品
善玉菌のエサとなるオリゴ糖を摂ると腸内の善玉菌が増え、健康的な腸内環境につながります。
オリゴ糖は、大豆、玉ねぎ、ねぎ、ごぼう、アスパラガス、にんにく、バナナなどに含まれています。また、市販の特定保健用食品をうまく活用することも一つの方法です。
3.ビフィズス菌を効率良く摂れるおすすめレシピを紹介
ここでは、ビフィズス菌を含むヨーグルトを使ったメニューを紹介します。ヨーグルトを飽きずに食べ続けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.アボカドとヨーグルトのディップ
まずは、アボカドとヨーグルトのディップを紹介します。
【材料】(2人分)
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・アボカド 1/2個
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・玉ねぎ(みじん切り) 大さじ1
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・ヨーグルト 大さじ2/3
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・レモン汁 適量
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・塩 適量
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・こしょう 適量
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・パプリカ(粉末) 適量
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・クラッカーなど 適量
【作り方】
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1. アボカドは種と皮を取り、適当な大きさに切ります。みじん切りにした玉ねぎは水にさらしておきましょう。
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2. アボカドをボウルに入れてスプーンなどで潰し、水気を切った玉ねぎのみじん切り、ヨーグルト、レモン汁、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせます。
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3. クラッカーとともに器に盛りつけて、パプリカ(粉末)を振りかけたら完成です。
完熟しているアボカドを使うと、おいしく作れます。今回はクラッカーを添えましたが、クラッカーの代わりにバゲットもおすすめです。
3-2.チーズinかぼちゃボールの豆腐クリームサラダ
続いて紹介するのは、ヨーグルトを使った「チーズinかぼちゃボールの豆腐クリームサラダ」です。
【材料】(2人分)
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・かぼちゃ 1/8個
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・にんじん 1/4本
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・ブロッコリー 1/4個
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・プロセスチーズ 15g
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・アーモンド 15g
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・絹ごし豆腐 60g
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・プレーンヨーグルト 大さじ2
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・マヨネーズ 大さじ2
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・塩 ひとつまみ
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・こしょう 少々
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・サニーレタス 1枚
【作り方】
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1. かぼちゃは種とワタを取り、皮ごと2cm角にカットします。耐熱容器に重ならないように並べて、ぬらしたキッチンペーパーをのせてラップをかけましょう。電子レンジで約3分、かぼちゃの皮まで竹串が通るようになるまで加熱し、ラップを取って粗熱を取っておきます。
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2. にんじんは1cm角にカットし、かぼちゃと同様にして電子レンジで約2分、竹串が通るようになるまで加熱します。
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3. ブロッコリーは小さい房ごとに分け、かぼちゃと同様にして電子レンジで1分ほど加熱しましょう。
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4. アーモンドは粗めに刻みます。プロセスチーズはかぼちゃの数と同じ数になるように切り分けましょう。
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5. ラップにかぼちゃをのせ、手で真ん中を押してへこませてチーズを置き、それを包みながら茶巾絞りの要領でラップを絞り、ボール型に成形します。
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6. ボウルに絹ごし豆腐を入れて、泡だて器で潰しながら滑らかになるように混ぜます。プレーンヨーグルトとマヨネーズを加え、塩、こしょうで味を調えましょう。
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7. かぼちゃボール、にんじん、ブロッコリー、アーモンドを加えて軽く混ぜ合わせ、サニーレタスを敷いた器に盛りつけたら完成です。
アーモンドは、くるみなどほかのナッツに代えてもOKです。かぼちゃを電子レンジで加熱する際は、ペーパータオルをぬらし、ラップと一緒にかけると水分が飛ばずに、しっとりと仕上がります。
ビフィズス菌を摂って健康習慣を身につけましょう
ビフィズス菌をはじめとする善玉菌は、私たちの健康を保つために重要な存在です。
ビフィズス菌はオリゴ糖を分解して増殖する性質を持っているため、オリゴ糖も一緒に摂ることがおすすめです。
健康的な毎日を過ごすために、ビフィズス菌を定期的に摂る習慣を始めてみませんか。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。