腸内環境を整える腸活レシピ・効果が期待できる方法を紹介

私たち人間の腸内には、驚くことにおよそ100兆個もの腸内細菌がいて、種類もおよそ1,000種類にもおよびます。そのうち2割が善玉菌、1割が悪玉菌、残りの7割がどちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌です。

腸内環境を保つためには、最も多く存在している日和見菌にアプローチすることが重要です。日和見菌は善玉菌と悪玉菌のうち、優勢なほうに味方する菌として知られていますので、まずは善玉菌の働きを優位にする必要があります。

では、どのようにして善玉菌を増やせばよいのでしょうか。今回は、腸内環境を整える方法や腸活に効果があるレシピなどを紹介します。

1.腸活とは?

腸活とは、腸内環境を改善する方法のことです。いきいきとした毎日を過ごすためにも、腸活はとても大切になります。腸内環境を整えるためには、日和見菌を味方につけることが重要です。

善玉菌が優位になると、腸内が弱酸性に保たれるため、悪玉菌は増殖できません。逆に悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなると、便秘や下痢などのお腹の不調をきたします。つまり、善玉菌の働きを活発にして腸内環境を整えることで、お腹の不調を改善できる可能性があります。

腸活の効果は、これだけではありません。免疫機能を高める効果も期待できます。人間の免疫細胞の約60~70%は、腸の中にあるのをご存知でしょうか。

免疫細胞は、細菌やウイルスなどの病原体が体内で悪さをするのを食い止める働きがあります。そのため、腸活で腸内環境を整えて免疫細胞が活性化すれば免疫力が高まり、体を健康に保てます。

2.効果が期待できる腸活の方法

腸活の方法には、さまざまなものがあります。無理なくできそうなものから始めてみてください。

2-1.朝起きてからコップ一杯の水やお茶を飲む

朝起きたら、まずはコップ一杯の水やお茶を飲みましょう。朝から水分をしっかり摂取することで腸が刺激されるため、腸の働きが活発になります。水分不足も解消され、便秘の改善にもつながります。

2-2.発酵食品を摂る

発酵食品には、善玉菌のエサとなる乳酸菌が含まれています。ヨーグルトやキムチ、納豆、チーズなどを食べるようにしましょう。

2-3.食物繊維を摂る

食物繊維は、そのものが善玉菌のエサとなります。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は腸を刺激して排便を促し、水溶性食物繊維は有害物質を外に出す働きがあることが特徴です。不溶性食物繊維はごぼうや玄米、水溶性食物繊維はバナナやキャベツなどに多く含まれています。

2-4.オリゴ糖を摂る

オリゴ糖は善玉菌のエサとなり、菌を増やす働きがあります。大豆やたまねぎ、ねぎ、バナナなどに多く含まれています。

2-5.脂肪やたんぱく質の摂り過ぎに注意する

肉類などの脂肪やたんぱく質は、悪玉菌のエサになるものです。摂り過ぎは腸内環境に悪い影響を与えるため、注意しましょう。

2-6.体を動かす

体の外側から腸を刺激するのも効果的です。お腹をつかんで足を肩幅に開き、骨盤を大きく回します。腹筋に力を入れ、肛門を閉めながら回すのがポイントです。

3.腸内環境を整える「腸活レシピ」を紹介

ここからは、腸内環境を整えるのに役立つ腸活レシピを紹介します。今日の献立にぜひプラスしてみてください。

3-1.チーズinかぼちゃボールの豆腐クリームサラダ

最初に紹介するレシピは、チーズやかぼちゃを使ったサラダです。

【材料】2人分

  • ・かぼちゃ 1/8個

  • ・じんじん 1/4本

  • ・ブロッコリー 1/4個

  • ・プロセスチーズ 15g

  • ・アーモンド 15g

  • ・絹ごし豆腐 60g

  • ・プレーンヨーグルト 大さじ2

  • ・マヨネーズ 大さじ2

  • ・塩 一つまみ

  • ・こしょう 少々

  • ・サニーレタス 1枚

【作り方】

  • 1.種とワタを取ったかぼちゃを皮ごと2cm角に切り、耐熱容器に入れてぬらしたキッチンペーパーをかぶせてラップをかけ、電子レンジで約3分加熱します。

  • 2.にんじんを1cm角に切り、1と同様にして約2分加熱しましょう。

  • 3.ブロッコリーは小房に分け、1と同様にして約1分加熱します。

  • 4.アーモンドを粗く刻み、プロセスチーズはかぼちゃと同じ数に切り分けましょう。

  • 5.ラップに1のかぼちゃを載せ、真ん中をくぼませて4のプロセスチーズを入れ、包み込むように丸く成形します。

  • 6.ボウルに絹ごし豆腐を入れてつぶしながらなめらかになるまで混ぜ、プレーンヨーグルトとマヨネーズ、塩、こしょうを入れて味を調えましょう。

  • 7.6のボウルに5のかぼちゃ、2のにんじん、3のブロッコリー、4のアーモンドを加えて軽く混ぜ、サニーレタスを敷いた器に盛り付けたら完成です。

3-2.納豆オクラ豆腐

次に紹介するのは、納豆オクラ豆腐です。

【材料】2人分

  • ・オクラ 5本

  • ・納豆 1パック

  • ・塩 適量

  • ・しょうゆ 小さじ1

  • ・絹ごし豆腐 150g

【作り方】

  • 1.オクラは塩をまぶして板ずりをし、熱湯で茹でます。

  • 2.茹でたオクラを小口切りにし、納豆とよく混ぜてしょうゆを加えましょう。

  • 3.半分に切った豆腐を器に盛り付け、2を載せたら完成です。

3-3.糸こんにゃくのキムチ炒め

最後に、糸こんにゃくを使ったキムチ炒めを紹介します。

【材料】2人分

  • ・糸こんにゃく 1袋

  • ・にんにく 1/2片

  • ・にら 1/2束

  • ・白菜キムチ 50g

  • ・ごま油 大さじ1/2

  • ・鶏ガラスープの素 小さじ1/2

  • ・オイスターソース 小さじ2

  • ・塩 適量

  • ・白ごま 適量

【作り方】

  • 1.糸こんにゃくは熱湯で約2分茹でて湯切りをし、食べやすい長さに切っておきます。

  • 2.にんにくをみじん切り、にらを4cmにカットします。

  • 3.フライパンにごま油を熱し、糸こんにゃくを入れて中火で炒めましょう。

  • 4.糸こんにゃくの水分がなくなってきたら、白菜キムチを入れて炒めます。

  • 5.全体に火が通ったら、鶏ガラスープの素とオイスターソースを入れて炒め、塩で味を調えましょう。

  • 6.器に盛り付け、白ごまを振ったら完成です。

腸活レシピで腸内環境を整えよう

腸内環境が気になる方は、腸活を始めてみてはいかがでしょうか。腸活は、便秘や下痢などお腹の不調を改善するだけでなく、免疫力を高める働きもあります。

発酵食品や食物繊維、オリゴ糖は、善玉菌を増やす助けができる代表的な食べ物です。朝起きてからコップ一杯の水を飲んだり、体を動かして腸を刺激したりするのもおすすめです。

今回紹介した腸内環境を整える腸活レシピも取り入れて、腸内環境を整えていきましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。