ビタミンEを含む野菜|不足すると生じうる症状や働きについても解説

ビタミンEが多く含まれる野菜を知っていますか?ビタミンEは、抗酸化作用がある脂溶性ビタミンで、活性酸素の除去や老化の防止につながるとされています。

今回は、ビタミンEの働きや不足すると起こりうる症状、ビタミンEが多く含まれる野菜についてご紹介していきます。

1.ビタミンEとは

ビタミンEとは、水に溶けない性質がある脂溶性ビタミンの一種です。ビタミンEは、人の細胞膜や脂質に多く存在し、体の機能を正常に保つ働きをしています。

1-1.種類

ビタミンEには、天然のトコフェロールとトコトリエノールが存在し、それぞれα-、β-、γ-、δ-の4種類ずつあることが知られています。そのうち、生理活性が最も強いのがα-トコフェロールで、体内のトコフェロールの9割を占めています。

1-2.吸収と働き

ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、脂質と一緒に腸管からリンパ管を通って体内に吸収されます。また、ビタミンEは、活性酸素の働きを抑制する作用があることから「抗酸化ビタミン」ともいわれているのです。

ビタミンEの働きは、おもに以下のようなものがあります。

  • • LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぐ

  • • 細胞内の過酸化脂質の生成を抑制する

  • • 血管を健やかに保つ

  • • 赤血球の損傷を防ぐ

  • • 老化防止作用

2.ビタミンEが不足すると生じうる症状

ビタミンEの不足は、以下のような症状をもたらすといわれています。

  • • 神経や筋肉への損傷による血行不良・頭痛・肩こり

  • • 抗酸化機能の衰えから、紫外線の刺激によってシミ・シワなどの肌トラブル

  • • 血液中のコレステロールが酸化しやすくなる

3.ビタミンEを含むおもな野菜

ビタミンEのうち、α-トコフェロールは種実類や油脂類、豆類、穀物類、魚介類などの食品に豊富です。また、野菜類にも多く含まれています。

文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」でのビタミンEはα-、β-、γ-およびδ-トコフェロールとして記載がされています。
野菜に多く含まれているビタミンEは、おもにα-トコフェロールとγ-トコフェロールです。
そのためここでは、α-トコフェロールとγ-トコフェロールを多く含む野菜の種類と含有量についてご紹介していきます。

3-1.α-トコフェロール含有量

α-トコフェロールを含むおもな野菜は以下になります。

(可食部100gあたり)

野菜類 α-トコフェロール(㎎)
とうがらし/乾 30.0
ドライトマト 18.0
西洋かぼちゃ/焼き 6.9
ブロッコリー/焼き 6.0
オレンジピーマン/油炒め 5.2
ほうれん草/油炒め 4.8
西洋かぼちゃ/ゆで 4.7

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

3-2.γ-トコフェロール含有量

γ-トコフェロールを含むおもな野菜は以下になります。

(可食部100gあたり)

野菜類 γ-トコフェロール(㎎)
えだまめ/冷凍 8.2
なす/素揚げ 7.5
とうがらし 6.9
玉ねぎ/油炒め 6.3
えだまめ/ゆで 5.8
なす/天ぷら 5.5
日本かぼちゃ/ゆで 3.8

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ビタミンEを摂取して若々しい毎日へ

ビタミンEは、抗酸化機能が高く体にとって非常に大切な働きをしている栄養素です。

ビタミンEには、活性酸素の除去や老化防止作用があり、ビタミンEが不足すると神経障害や抗酸化力の低下などが生じる可能性があります。

ビタミンEの多い野菜は、とうがらしやかぼちゃ、玉ねぎ、えだまめ、なすなどです。
脂質と一緒に吸収されるビタミンEは油で炒めることによって効率的に吸収されます。

毎日の食卓にビタミンEの多い野菜を取り入れ若々しく健康な毎日を目指していきましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。