ポリアミンと納豆の関係とは?
おもな働きや納豆を使ったレシピも紹介

アンチエイジング効果で注目されているポリアミン。実は納豆に多く含まれており、食事を通じて、手軽に体内へ取り入れることができます。

今回はポリアミンと納豆の関係、ポリアミンの働きを解説します。ポリアミンを多く含む納豆を使ったおすすめレシピも併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.ポリアミンについて

ポリアミンとは、アミノ基を2つ以上持つ炭化水素のことです。普段あまり耳にしない名前ですが、ほとんどすべての生物の細胞に含まれています。

代表的なポリアミンには、プトレシン、スペルミジン、スペルミンの3種類があり、人間の体内にはこれらすべてが膵臓や肝臓などを中心に、体のあらゆる組織に存在しています。この3種類のポリアミンは、酵素によって相互に変換され、体内で適した濃度になるように適宜調整されているものです。

2.ポリアミンのおもな働き

ポリアミンは、人間の健康を維持するために必要な細胞の増殖や分化に不可欠な成分です。多くの細胞の働きに寄与するもので、具体的には以下のような役割を持ちます。

  • ・細胞膜の安定

  • ・たんぱく質の合成

  • ・遺伝子の発現と紫外線などの有害物質からの保護

  • ・抗炎症作用

  • ・抗酸化作用

さらに、ポリアミンのなかの一つであるスペルミンには、飢餓状態に陥った際に自ら栄養素の産出を促進する効果(自食作用)や、免疫細胞へ間接的に働きかけることで長寿を望める効果があると考えられています。

3.ポリアミンと納豆の関係

ポリアミンは体内でも合成されるものの、年齢を重ねるとともにその機能も衰えていきます。

ポリアミンは食品から摂取するとそのまま吸収される特徴があるため、ポリアミンを多く含む食品を積極的に取り入れることで、体内のポリアミンを増やすことが可能です。

そこで積極的に摂取したいのが、納豆です。納豆1パックには、日本人が必要とするポリアミン摂取量(一日あたり)のおよそ1/5が含まれているというデータもあり、ポリアミンが豊富に含まれています。

納豆の原料となる大豆以外では、魚介類にもポリアミンは多く含まれているとされているため、伝統的な和食中心の食事を摂ることが効率的なポリアミンの摂取方法といえるでしょう。

4.ポリアミンを多く含む納豆を使ったレシピを紹介

ポリアミンが豊富に含まれる納豆ですが、そのまま食べ続けると飽きてしまうこともあるかもしれません。そこで、ちょっとしたアレンジを加えてみましょう。

ここからは、手軽においしく納豆を食べられる2種類のレシピをご紹介します。

4-1.エリンギとオクラの納豆和え

【材料】(2人分)

  • ・エリンギ 1パック

  • ・オクラ 5本

  • ・納豆(ひきわり) 1パック

  • ・塩 適量

  • ・サラダ油 小さじ1/2

  • ・からし 適量

  • ・しょうゆ 適量

【作り方】

  • 1. エリンギは半分の長さにしてから薄切りにします。

  • 2. フライパンにサラダ油を熱し、1で下ごしらえしたエリンギをしんなりするまで炒め、塩で味を調えます。

  • 3. オクラは塩をまぶして板ずりをし、塩を加えた熱湯でゆで、食べやすい大きさに切ります。

  • 4. 納豆(ひきわり)をよく混ぜ、からし、しょうゆで味を調えて、2、3で調理したものとよく混ぜ合わせ、完成です。

4-2.キツネ納豆梅風味

【材料】(4人分)

  • ・油あげ 2枚

  • ・納豆 80g

  • ・長ネギ 5センチ

  • ・からし 小さじ1/2

  • ・しょうゆ、または付属の納豆たれ 小さじ1/2

  • ・梅干し 2個

  • ・大葉 6枚

【作り方】

  • 1. 油あげはお湯にサッと通し、余分な油を落とし、ペーパータオルで水気をふき取ります。

  • 2. 長ネギのみじん切り・納豆・からし・しょうゆを混ぜ合わせ、1で下ごしらえした油あげを半分に切り、中を開いて詰めてから、つま楊枝で止めます。

  • 3. フライパンに2で用意したものを並べ、弱火で焼き色がつくまで焼きます。

  • 4. 種をとってたたいた梅干しとちぎった大葉をお好みでのせて完成です。

ポリアミンの摂取には納豆を中心とした食習慣がおすすめ

ポリアミンは体内のあらゆる場所で活躍しており、日常生活を健康で過ごすために大切な成分です。

そのポリアミンを多く含む食品の一つが納豆です。納豆を食べることで、健康を維持しやすくエネルギッシュな日々を過ごすことが期待できるでしょう。

長く健康に過ごすためにも、今日から新しい食習慣として、納豆を食べてみてはいかがでしょうか。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。