1.肌がカサカサしてしまうおもな原因
肌がカサカサするのは、次のような原因があります。
新陳代謝が低下し、古い角質がはがれ落ちない
皮脂や汗の分泌量が少ない
空気の乾燥
不適切な生活習慣(入浴時の温度や不十分なスキンケアなど)
病気による肌の乾燥
運動不足が原因で皮脂や汗の分泌量が低下すると、肌が乾燥します。暖房器具の過度な使用や湿度の低下など、空気の乾燥が肌のカサつきにつながることも多いでしょう。お風呂の温度や入浴後のスキンケア不足も、肌が乾燥する原因です。内臓の疾患や皮膚の病気などで、乾燥肌になるケースもあります。
2.体の外側から肌のカサカサを対処する方法
肌がカサカサする場合は、体の内外からアプローチすることが大切です。まずは、体の外側からケアする方法を解説します。
2-1.肌の保湿
入浴するお湯の温度は、熱すぎないぬるま湯にして、長風呂を避けるとよいでしょう。なお、お風呂上りは、特に乾燥しやすいので保湿ケアをすることも重要です。肌を乾燥させないためには、丁寧な保湿が大切です。化粧水や美容液、保湿クリームなどを適切に使ってきちんとスキンケアをしましょう。
空気の乾燥を防ぐことも大切です。寒い季節に暖房器具を使う場合は、温度を低めに設定したり、長時間の使用を避けたりして工夫しましょう。加湿器を使って、空気の乾燥を防ぐのもおすすめです。
2-2.外部の刺激から肌を守る
紫外線対策も重要です。外出する際は、日傘や帽子などを活用して肌を守りましょう。また、肌への刺激も注意してください。体を洗うときは、ナイロンタオルで体を強くこすらず、刺激の少ない優しい繊維を使いましょう。下着は、肌のことを考えて天然素材のものを選ぶことをおすすめします。
3.体の内側から肌のカサカサを対処する方法
カサカサ肌を改善するためには、体表面のケアはもちろん、内側からのケアも大切です。体の内側からできるカサカサ肌の対策について解説します。
3-1.こまめな水分補給
まず、こまめな水分補給を心がけましょう。しかし、甘い飲料には、体内の水分を蒸発させやすくしてしまうため、水分補給には不向きです。人肌程度のぬるま湯をこまめに飲むとよいでしょう。
3-2.バランスの良い食事
次に、バランスの良い食事を意識しましょう。特に、角質層を構成するおもな成分であるセラミドを多く含む食品がおすすめです。セラミドには、肌の水分を逃がしにくくする機能があると報告されています。ヨーグルト・大豆・生芋こんにゃく・ホウレンソウなどセラミドを豊富に含む食品を積極的に摂りましょう。
3-3.十分な睡眠
また、十分な睡眠時間を確保して、心身をリラックスさせることも大切です。睡眠は、肌を回復させる貴重な時間のため、しっかり休息を取りましょう。
4.肌のカサカサを防ぐ保湿因子
肌の表面にある角質層には、皮脂膜・天然保湿因子(NMF)・角質細胞間脂質(セラミド)と呼ばれる保湿因子があります。
天然保湿因子は、肌の潤いを守り保湿する働きがある重要な成分です。細胞間脂質は、角質層の細胞と細胞の間に存在しており、水分を保つ役割があります。
潤いのある正常な肌は、天然保湿因子を含む角質細胞がレンガのように積み重なり、その隙間を細胞間脂質が満たしている状態です。そのため、十分な水分を肌に蓄えることができ、さらに外部からの異物の侵入も防ぎます。
しかし、角質層のバリアとしての機能が低下すると天然保湿因子が減少し、細胞間脂質を作る働きも弱まります。その結果、肌が乾燥し異物が侵入しやすくなり、肌の炎症につながります。
カサカサ肌の原因を知りしっとり肌を目指そう
肌がカサカサする原因は、体の内外にあります。
保湿不足や空気の乾燥などの外的な要因と、水分補給の不足や新陳代謝の乱れなどによる内的要因です。
そのため、空気の乾燥を防いだり丁寧な保湿ケアを意識したり、十分な休息を取ったりバランスの良い食事を心がけたりして、体の内側と外側の両方から肌をケアしてください。
カサカサ肌の原因をしっかり理解し、体の内外からアプローチして潤いのある肌をキープしましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。