冬でも日焼け止めは必要?日焼けのメカニズムや対策方法について紹介

日焼け対策は、夏だけのものと思っていませんか?実は、冬も紫外線は降り注いでいるため、紫外線対策が必要です。気温が高くない春先も紫外線には注意しましょう。しかし、どのような対策があるのか、知らない方もいるでしょう。

そこで今回は、日焼けのメカニズムや基本的な紫外線対策を紹介します。

1.日焼け止めは冬でも必要?

冬の紫外線は、夏と比べて強くありません。しかし、太陽がある限り紫外線は降り注いでおり、地域によっては強さも異なります。

紫外線は、地表面の種類により反射率が大きく異なるため、地表の種類によっては通常より紫外線を多く浴びる可能性が高いでしょう。

地表ごとの反射率は、新雪の場合約80%、砂浜では10~25%、コンクリート・アスファルトは約10%、水面は1~20%、草地・芝生・土面の場合10%以下です。比較的紫外線が弱いとされている冬でも、高い山や雪では反射率が大きくなるため、紫外線には注意しましょう。

2.そもそも日焼けとは?

そもそも日焼けとは、どのような状態なのでしょうか。
日焼けとは、皮膚が炎症を起こしている状態です。紫外線には、A波とB波があり、それぞれが与えるダメージは異なります。

A波は、肌の奥深くに届き、シワやたるみといった老化現象を引き起こす原因です。一方B波は、肌に炎症を起こしシミやそばかすの原因となります。このように、皮膚の炎症である日焼けは、紫外線B波が原因です。

日焼けには「サンバーン」と「サンタン」の2種類があります。
サンバーンは、紫外線を浴びてから数時間後に肌が赤くなり、ヒリヒリ痛みを感じる日焼けのことです。サンバーンは、8~24時間でピークを迎え、多くの場合2~3日経つと赤みが消えます。

サンタンは、日焼けによる肌の赤みが消えてから、数日後に肌が黒っぽくなる状態を指します。サンタンによる肌の黒さは、数週間から数カ月ほど残るでしょう。色が黒くなる原因は、紫外線が色素細胞を刺激することで、メラニンが生成されるためです。

ひどい日焼けの場合は、皮膚の深くまで火傷し、水膨れができて皮がむけてしまうこともあります。日焼けしすぎたと感じたときは、冷たいタオルで患部をなるべく早く冷やすとよいでしょう。

3.基本の日焼け対策方法を紹介

日焼け対策にはさまざまな方法がありますが、ここでは基本的な3つの方法を紹介します。

3-1.日焼け止めを塗る

日焼け止めには、紫外線カット率の目安であるSPFやPAという値があります。数値が高くなるほど、紫外線カットの効果が期待できます。

日常生活で使う場合は、SPF5/PA+といった弱いタイプでも問題ないでしょう。しかし、山や海など屋外での活動をする場合、SPF30以上PA+++の強いタイプが必要です。日焼け止めを使う場合は、適切に使わないと期待どおりの効果が得られません。

例えば、顔に塗る場合は、パール2個分の量を顔全体にムラなく伸ばすことが大切です。さらに、汗をかいたり強くこすったりすると、日焼け止めが落ちてしまうため、こまめに塗り直すことがポイントです。

また耳たぶやうなじ、首など塗り忘れやすい場所は、特に注意して塗りましょう。

3-2.日焼け対策グッズを活用する

日差しを物理的に遮るためにグッズを使うのも良い方法です。例えば、日傘・広いつばが全周にある帽子・長袖・長ズボンなどで、肌を覆って紫外線から保護しましょう。

UVカット仕様のレンズやプラスチックレンズのサングラスも有効です。長波長紫外線であるUVAは、ガラスレンズでは防げないため、通常のメガネを使っている方は紫外線対策用のものに変えることをおすすめします。

3-3.β-カロチンやビタミンEなどを摂るようにする

紫外線による悪影響を防ぐためには、β-カロチンやビタミンEなどの栄養を摂取するのも有効です。しかし、これらの栄養素を摂れば良いわけではなく、前提として直射日光を防ぐことが非常に重要です。

冬でも日焼け止めは必要

夏より気温の低い冬は、紫外線対策をしなくても良いと考える方も多いでしょう。しかし、紫外線は季節問わず年中降り注いでいるため、冬でも紫外線対策は必要です。特に、雪山や標高の高い場所は、反射により紫外線が強くなるため注意しましょう。

日焼け対策には、日焼け止めクリームや日焼け対策グッズ、特定の栄養素を摂取するなどの方法があります。

今回紹介した日焼け対策方法を活用して、紫外線から肌を守りましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。