血行不良で起こる緊張型頭痛の特徴や改善方法を解説

日本人の約3割は、慢性的な頭痛を持っているといわれています。
「慢性頭痛は仕方がない」と我慢して諦めている方も多いのではないでしょうか。

頭痛にはいくつか種類があり、種類によって対策方法は異なりますが改善することができます。

今回は、おもに血行不良が原因で起こる緊張型頭痛の特徴や対策方法を解説します。

1.そもそも血行不良が起きる原因とは?

緊張型頭痛の原因である血行不良は、どのように起きるのでしょうか。

ここでは、血行不良をまねく原因を解説します。

1-1.運動不足

長時間座って足を動かさないでいると、血行不良が起こりやすくなります。軽い体操やストレッチを行ないましょう。

1-2.不適切な食生活

朝食を抜く、脂っこいものや甘いものが好き、食事が不規則であるなどの食生活を続けていると、血液がドロドロな状態になりやすく、血流が悪くなります。

スムーズに流れやすい血液を保つには、栄養バランスの良い食事を規則正しくとることが大切です。

1-3.水分不足

水分の摂取量が少ないと血液が濃くなるうえ、血流が悪くなります。特に、高齢者は脱水状態になりやすく、気温が高い季節や運動後には意識して水分を摂ることが大切です。一日800~1000ml以上を目安に水分を摂りましょう。

1-4.喫煙

煙草に含まれるニコチンは、体内に吸収されると血管を収縮させて血行を悪くします。できる限り、禁煙することをおすすめします。

1-5.着衣による締め付け

体を締め付けるような服や靴は、血行不良をまねくことがあります。体のサイズにあったものを身に着けましょう。

2.血行不良が原因で起こる緊張型頭痛の特徴

頭痛にはいくつか種類があり、その中の一つが血行不良による緊張型頭痛です。

緊張型頭痛とは、肩こりや精神的な緊張、ストレスなどが要因となり筋肉が収縮し、血行が悪くなることで引き起こされる頭痛です。

緊張型頭痛は、ほぼ毎日のように頭痛が起こり、一日中痛いこともあれば数時間で収まることもあります。頭を締め付けられるような痛みが起こりますが、多くの場合、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みはありません。

頭痛だけでなく肩や首のこり、目の疲れ、だるさや疲労感などをともなうこともあります。

3.血行不良が原因の緊張型頭痛を改善する方法

ここからは、緊張型頭痛を改善するための方法を紹介します。

3-1.ストレスを解消する

緊張型頭痛は、ストレスなどによる筋肉の緊張も原因となります。

ストレスの原因となるものをチェックし、それらを遠ざけることで、ストレス解消につながるでしょう。

3-2.運動やストレッチを取り入れる

緊張型頭痛は、何もせずにじっとしていると痛みが出やすい特徴があるため、適度な運動を習慣として行なって筋肉をほぐすとよいでしょう。

おすすめの運動に水泳やウォーキングがあります。水泳やウォーキングは頭や体重への負担を減らした状態で運動ができるため、緊張型頭痛の方おすすめです。

ウォーキングをする場合には、猫背にならないように背筋をまっすぐ歩くとよいでしょう。

緊張型頭痛でデスクワークが多い方は、1時間経ったら5分ほど休憩することが大切です。ストレッチなどで体を伸ばすとよいでしょう。

3-3.ぬるめのお風呂にゆっくりつかる

お風呂で体を温めましょう。入浴中には両手を首の後ろで組んで首を温めることで、首周りの筋肉をほぐせます。

3-4.首や肩は冷やさないようにする

首や肩を冷やすことは血流を悪くします。そのため、体を冷やさないように羽織れる服やスカーフなどを持っておくことがおすすめです。

4.血行不良を改善するおすすめ食べ物

最後に、血行を改善しやすいといわれている食べ物を紹介します。日頃の食事の参考にしてください。

4-1.れんこん

れんこんには食物繊維やビタミンCが豊富に含まれていて、血行促進にも役立つとされています。

煮物に使ったり、すりおろしてハンバーグに入れたりしてもよいでしょう。

4-2.生姜

生姜にはジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンという3種類の辛み成分が含まれており、これらの成分には体を温める作用などがあることが報告されています。

すりおろしてさまざまな料理にプラスしたり、炊き込みご飯に加えたりするのもおすすめです。

4-3.ごぼうや大豆

ごぼうや大豆に含まれるサポニンという成分には、血流を良くする働きがあるといわれています。

大豆サポニンは大豆、がんも、油揚げ、おから、豆乳、高野豆腐などに含まれており、なかでも含有量の一番多い食品は高野豆腐です。

ごぼうは皮の部分にサポニンを多く含むため、よく洗ってから皮をむかずに料理するとよいでしょう。

血行不良を改善して緊張型頭痛を予防しよう

緊張型頭痛は、血行不良によって引き起こります。

血行を良くするためには、適度な運動やストレッチをしたり、体を温めたりすることがおすすめです。また、血行を改善しやすい食べ物を意識して取り入れるのもよいでしょう。

今回紹介した血行改善の方法を参考に、生活習慣を見直してみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。