眠くて朝起きられない原因とは?
すっきり目覚めるための方法を解説

朝まで熟睡してスッキリ起きたいけれど、どうしても起きられない方もいることでしょう。

朝起きられない原因の一つに、体内時計の乱れが深く関係しています。そこで今回は、朝起きられない原因や起きるための方法について紹介します。

1.朝起きられない原因

朝起きられない原因には、体内時計の乱れ・自律神経の不調・その他の原因があります。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

1-1.体内時計の乱れ

体内時計の乱れは、朝起きられない原因の一つです。体内時計とは、人の脳内に存在して24時間のリズムを刻む機能のことで、昼と夜の地球の自転に合わせて、睡眠と覚醒のリズムを調整する働きがあります。

体内時計は約25時間のため、地球の周期である24時間とは約1時間の差が生じています。通常は、光の刺激によって体内時計を早めたり遅らせたりして、その差を埋めているのです。

しかし、体内時計と地球周期との時間差をきちんと調整できない場合、睡眠と覚醒のリズムが乱れて朝起きられなくなります。

朝起きられない人は、寝起きのタイミングが乱れる睡眠相後退症候群や非24時間睡眠覚醒症候群、不規則型睡眠覚醒パターンなどが原因となっている場合もあるでしょう。

1-2.自律神経の不調

朝起きられないケースには、自律神経の不調も考えられるでしょう。自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、それぞれ異なる働きがあります。

交感神経の働きは、脳と体を適度な緊張状態に保ち、適切なコンディションで動かせるようにすることです。一方で副交感神経は、疲れた脳と体を休ませて、次の活動に向けてエネルギーを蓄える働きがあります。そのため、通常は日中に交感神経が活発になり、夜になると少しずつ副交感神経が活発になるものです。

しかし、ストレスや不規則な生活などで自律神経のバランスが崩れると、夜になっても交感神経が優位な状態が続きます。交感神経が活発だと脳が興奮状態にあるため、いつものように休息を取れません。眠れたとしても浅い眠りが続くため、睡眠不足となり朝起きられなくなります。

1-3.その他の原因

朝起きられなくなるその他の原因には、以下の3つが考えられます。

  • 睡眠時無呼吸症候群

    睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる病気です。この病気のおもな原因には、肥満や太り過ぎによって気道が詰まりやすくなることが考えられます。そのまま放置すると、他の重大な疾患を招くおそれもあるでしょう。

  • レストレスレッグス症候群

    レストレスレッグス症候群とは、むずむず脚症候群とも呼ばれる病気で、夕方から夜にかけて、足を中心にむずむずとした痛みやかゆさを感じるのが特徴です。じっとしていると症状が現われるため、睡眠が浅くなり十分に眠れません。そのため、不眠や寝過ぎの原因となります。

  • 周期性四肢運動障害

    周期性四肢運動障害は、足が周期的にピクピク動くことで、睡眠の質が低下する病気です。足が動くことで、十分に睡眠がとれず、寝不足や日中の寝すぎを引き起こします。レストレスレッグス症候群と併せて発症することも多く、年齢を重ねるごとに増えるのが特徴です。

2.しっかり睡眠をとることは大切

睡眠時間の不足は、肥満や高血圧、メタボリックシンドロームなどを引き起こす原因の一つです。そのため、適切な睡眠をとることで、このような生活習慣の予防につながるでしょう。

また、睡眠によって得られる休息は、メンタルの健康にも大きく影響しています。睡眠障害は、うつ病の代表的な症状の一つであると研究で報告されるほどです。

適切な睡眠時間は年齢や季節などによって異なりますが、目安は日中に眠気を感じない程度です。極端に長い・短い睡眠は、健康を害する可能性があるため、何かしら心身の不調を感じている場合は睡眠習慣を見直しましょう。

3.すっきり朝目覚めるための対策

朝すっきり目覚めるためにしたほうがよいことや、悪いことを紹介します。

3-1.朝すっきり目覚めるためのよい習慣

朝、すっきり目覚めるためには、体内時計のリズムに合わせて、規則正しい生活をすることが大切です。規則正しい生活をすると夜に自然と眠くなるため、十分な睡眠をとれるようになります。

規則正しい生活を送るポイントは、毎日同じ時間に寝て起きることです。睡眠の質を高めるために、夜や朝の習慣も見直しましょう。

また、朝はカーテンを開けて自然光をたっぷり体に浴び、体内時計をリセットしましょう。

3-2.朝すっきり目覚めるための悪い習慣

夜眠る2~3時間前に入浴を済ませたり、覚醒作用のあるカフェインを含むコーヒーや緑茶は避けたりすることが大切です。

さらに、スマートフォンやパソコン、タブレット端末など強い光や脳を興奮させる情報は避けましょう。つい寝る前にスマートフォンを触る癖がある方は、注意が必要です。

眠くて朝起きられない方は生活習慣を見直しましょう

どうしても朝起きられない方は、寝る前や起きるときの生活習慣を見直し、規則正しい生活を意識することが大切です。

睡眠不足はさまざま病気の原因になるため、早めに対応する必要があります。適切な睡眠を取り、心身ともに元気な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医