1.成人喘息とは?発症の原因について
喘息には小児喘息と成人喘息があります。喘息とは慢性的な気道の炎症によって、咳・痰・喘息発作などの症状が引き起こされる病気です。喘息の発症には、個体因子だけでなく環境因子が関わっています。
小児喘息は「アトピー型喘息」と呼ばれるタイプが多く、対して成人喘息の多くは「非アトピー型」です。アトピー型喘息はハウスダストやダニが原因で発作型が多く、季節(おもに春や秋)によって症状が悪化しやすいのが特徴です。一方で、非アトピー型喘息は慢性型であり、重症例が多く一年を通して症状が現れます。
小児喘息がそのまま成人喘息に移行したり、小児喘息が一度治まったあとに大人になって再び発症したりするパターンもありますが、中高年の喘息患者の7~8割は、成人後の発症です。
また、気管支喘息はアレルギー性疾患の一つと考えられており、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の症状が現れることも少なくありません。アレルギー性鼻炎も発症している大人の喘息患者は7割にのぼります。
2.喘息はどのような症状が出る?
喘息の症状には次のようなものがあります。
喘息患者はアレルギーなどにより、慢性的に気道の炎症が起こっています。そのため、わずかな刺激でも気道が過剰に反応し、気道が狭くなりやすいのです。特に夜中から早朝にかけて、発作性の喘鳴や咳、息苦しさ、痰が繰り返し現れる傾向にあります。
3.喘息の発作や悪化を防ぐために日常生活で気を付けること
喘息発作を予防するには外部からの影響(ホコリ、カビ、感染症など)や生活習慣の改善が重要です。
喫煙者は禁煙を心がけましょう。また、受動喫煙も、喘息を悪化させます。可能な限り喫煙所を避け、家族に喫煙者がいる場合は禁煙の協力をお願いしましょう。
ホコリやカビを除去するためには、部屋の定期的な掃除が大切です。呼吸器系の感染症にならないために、外出時はマスクを着用し、帰宅したらうがいや手洗いを行ないましょう。
また、ストレスも喘息悪化の一因です。趣味を見つけるなど、自分なりのストレス解消法があるとよいでしょう。
大人の喘息は症状のコントロールが重要
大人になって喘息にかかる人が増えてきていますが、非アトピー型の成人喘息は重症化しやすいといわれています。
喘息はおもに夜中から早朝にかけて、ヒューヒュー・ゼーゼーといった喘鳴や咳、息苦しさが起こるのが特徴です。喘息症状の悪化を防ぐためには、ホコリやカビ・感染症などの外部からの要因を排除し、生活習慣を整えることが重要となります。
喘息と診断された場合には、呼吸器内科を受診し適切な治療と生活習慣の見直しを行ない、喘息をコントロールしましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。