1.眼精疲労の原因について
眼精疲労の原因や対処法を解説します。
1-1.目に負担がかかっている
長時間のパソコン作業などで目に負担がかかりすぎると、眼精疲労が起こります。
パソコン作業の際には、ディスプレイとの距離を30cm以上とり、デスクに置いた腕が直角よりやや広めの角度で曲がる状態にするなど、目の負担を軽減しやすい作業環境にするよう心がけましょう。ディスプレイがちらついたり、部屋の照明が暗かったりするのも、眼精疲労を悪化させる原因となります。
また、一日の作業時間が長くなりすぎないようにして、こまめに休憩を挟むことも大切です。厚生労働省のガイドラインによると、1時間以内を1サイクルとし、サイクルとサイクルの間に10~15分の休止時間を入れること、1サイクルのなかでも1、2回の小休止をとることとされています。
参照:厚生労働省ホームページ「情報機器作業における労働衛生 管理のためのガイドライン」
合わないメガネの使用も、ピントが合いづらくなり眼精疲労の原因となるため、定期的に視力検査を受けて適切な度数のメガネを使うようにしましょう。
1-2.病気によるもの
緑内障や白内障、ドライアイや斜視、眼瞼下垂などの目の病気が原因で眼精疲労が起こる場合があります。更年期障害やアレルギー性鼻炎、風邪、心的ストレスなども眼精疲労を悪化させるケースもあり、眼精疲労の原因は多岐にわたります。そのため、目の不調が続いているときは「ただの疲れ」と決めつけず、眼科医に相談すると安心です。
2.眼精疲労の改善が期待できる栄養素と食べ物
目に良いとされる栄養素は、ビタミンAやβ-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB12などです。
ビタミンAは、ニンジンやホウレンソウなどに多く含まれるビタミンで、目の網膜細胞を守ったり、網膜が光を感知するのを助けたりする働きがあります。β-カロテンは体内でビタミンAに変換される物質で、かぼちゃやモロヘイヤ、ケールなどに多く含まれています。
ビタミンB1やビタミンB12にはさまざまな働きがありますが、視神経の働きをサポートし、視力を良くしたりするうえでも有用です。ビタミンB1は豚肉や米、豆類などに、ビタミンB12はしじみやあさり、いくらなどに豊富に含まれています。
3.眼精疲労の改善が期待できる食べ物を使用したレシピ
眼精疲労の改善が期待できるよう、前述した栄養素を含む食材が使われているレシピを紹介します。
3-1.いくらと鮭の炊き込みご飯
まずご紹介するレシピは、「いくらと鮭の炊き込みご飯」です。
【材料(2合分)】
-
・米 2合
-
・甘塩鮭 1切れ
-
・いくらのしょうゆ漬け 30g
-
・みつば 適量
-
・【A】
-
・薄口しょうゆ 大さじ1
-
・酒 大さじ1
-
・顆粒だしの素 小さじ1
-
・塩 適量
【作り方】
-
1. 米を研いで、30分くらい水に浸します。
-
2. 甘塩鮭を3等分に切り、みつばを1cm幅のザク切りにします。
-
3. 炊飯器の釜に1、【A】の調味料を入れます。水加減は通常量として、その上に甘塩鮭を載せて炊飯しましょう。
-
4. 3が炊けたら、甘塩鮭の皮と骨を取り除き、身をほぐしてご飯に混ぜます。
-
5. お茶碗に4をよそって、仕上げにいくらのしょうゆ漬けとみつばを載せればできあがり。
甘塩鮭にも塩分が含まれているため、【A】で加える塩はやや控えめにするのがおすすめです。
3-2.かぼちゃのクリームシチュー
次のレシピは「かぼちゃのクリームシチュー」です。
【材料(2人分)】
-
・かぼちゃ 1/8個
-
・玉ねぎ(小) 1個
-
・にんじん 1/3本
-
・パセリ 適量
-
・鶏もも肉 1枚
-
・バター 20g
-
・小麦粉 20g
-
・水 350~400mL
-
・顆粒コンソメ 大さじ1
-
・牛乳 200mL
-
・塩 適量
-
・こしょう 適量
【作り方】
-
1. かぼちゃ、玉ねぎ、にんじんを一口大のサイズに切り、パセリはみじん切りにします。
-
2. 鶏もも肉は一口大の大きさに切ったら、塩、こしょうで下味をつけましょう。
-
3. 鍋にバターを熱して、溶けたら玉ねぎを炒めます。玉ねぎが透き通ってきたところで、にんじんと鶏もも肉も加えて炒めましょう。
-
4. 鶏もも肉の色が変わってきたら、鍋にかぼちゃも加えます。さらに炒めて全体によく油がなじんだら、小麦粉を振り入れてまた炒めます。
-
5. 粉っぽさがなくなったところで、水と顆粒コンソメを加え、材料が柔らかくなるまで弱火で煮てください。
-
6. 煮えたら、牛乳、塩、こしょうを加えて味を整えます。
-
7. 器に盛り付けて、仕上げにパセリのみじん切りを散らせばできあがりです。
材料が焦げないように、弱火から中火の火加減でじっくり炒めるのがポイントです。
眼精疲労を改善する食べ物を摂取して健やかな毎日を送りましょう
眼精疲労は、目の不調や頭痛、肩こりなどの身体症状が起こり、目を休めても症状がなかなか回復しない状態のことです。目の酷使やさまざまな病気が原因となって、眼精疲労が起こります。不調が長引く場合には、無理をせず眼科を受診しましょう。
目を休める時間を適切に設けたり、目に良いとされる栄養素を意識的に摂取したりすることも大切です。目をいたわって眼精疲労を解消し、健やかな毎日を送りましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。