中性脂肪を低くする食べ物とは?おすすめのレシピも紹介

「健康診断で中性脂肪の数値が高めだった」「お腹周りの脂肪が気になる……」などと、中性脂肪が気になり始めた方もいるのではないでしょうか。

メタボリックシンドロームの指標の一つでもある中性脂肪。中性脂肪が高すぎるとLDL-コレステロールが増えるので、放置せず適正値に保つことが重要です。運動や減量を行なうことに加えて、食生活の見直しが欠かせません。

今回は中性脂肪が気になる方に向けて、中性脂肪の概要や中性脂肪低下におすすめの食品などを解説します。

1.中性脂肪の概要について

中性脂肪は肉や魚、食用油など食品中に豊富な脂質であり、人体においても体脂肪の大部分を占める成分です。中性脂肪は中性を示す物質であり、3つの脂肪酸がグリセロールと呼ばれる物質で束ねられた構造であるため「中性脂肪」という名称が付けられました。

人体の重要なエネルギー源である中性脂肪は、ビタミンA、D、K、Eといった脂溶性ビタミンや、必須脂肪酸の吸収にも不可欠な物質です。中性脂肪は、エネルギー源として脂肪組織に蓄えられ、飢餓状態の備えになります。皮下脂肪として体温を保ったり、振動や衝撃などから人体を保護するクッションとなったりします。

しかし、中性脂肪を過剰摂取すると肥満の原因になり、脂質異常症などの生活習慣病を招きます。

2.中性脂肪を低くする食べ物

中性脂肪を下げたい方におすすめの食品は、食物繊維や植物性タンパク質を多く含む食材、青魚などです。食物繊維には、食品中の脂質を吸着して体外に排出させる働きがあります。動物性食品には食物繊維はほとんど含まれないため、植物性食品を意識的に摂るとよいでしょう。例えば、豆や野菜、きのこ、海藻、果実などは食物繊維が豊富です。

食事の基本を押さえた食生活を送ることも、中性脂肪対策には欠かせません。主食・主菜・副菜の3点をそろえることで、タンパク質、脂質、炭水化物をバランス良く摂取することが期待できます。良質なタンパク質を摂るにはアミノ酸スコアの高い食品、つまり必須アミノ酸の豊富な食材を選ぶことが大切です。大豆はアミノ酸スコアの高い植物性タンパク質の一つで、肉類に比べて脂質の含有量が少なくなっています。

また、イワシ類やサバ類などの青魚には不飽和脂肪酸のEPAやDHAが含まれており、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる働きなどが注目されています。

3.中性脂肪を低くする食べ物が含まれているレシピ

中性脂肪低下におすすめの食材を、気軽に食べられるレシピを紹介します。

3-1.エリンギとオクラの納豆和え

一つ目のレシピは「エリンギとオクラの納豆和え」です。

【材料】2人分

  • ・エリンギ 1パック

  • ・オクラ 5本

  • ・ひきわり納豆 1パック

  • ・塩 適量

  • ・サラダ油 小さじ1/2

  • ・辛子 適量

  • ・しょうゆ 適量

【作り方】

  • 1. エリンギを、半分の長さにカットしてから薄切りにします。

  • 2. フライパンでサラダ油を熱したら1を炒め、しんなりしたら塩で味を調えます。

  • 3. オクラに塩をまぶして板ずりしたら、塩を加えた熱湯でゆでます。その後、食べやすい大きさにカットしてください。

  • 4. ひきわり納豆をよく混ぜて、辛子としょうゆで味を調えたら、2と3を加えてしっかり混ぜ合わせればできあがりです。

食物繊維の豊富な納豆とエリンギ、オクラをたっぷり食べられる和え物です。

3-2.魚介類のパセリマリネ

次のレシピは「魚介類のパセリマリネ」です。

【材料】2人分

  • ・ホタテ貝柱 5個

  • ・えび 10尾

【A】

  • ・白ワインビネガー 大さじ1.5

  • ・塩 小さじ1/4

  • ・オリーブ油 大さじ2

  • ・イタリアンパセリのみじん切り 適量

【作り方】

  • 1. ホタテ貝柱を半分の厚みにカットします。

  • 2. 【A】を十分に混ぜ合わせましょう。

  • 3. 熱湯で1のホタテ貝柱をゆでて、貝柱が白っぽくなったら取り出します。熱が冷めないうちに2のマリネ液に漬けてください。

  • 4. 残りのお湯で、えびもゆでます。えびの色が変わったところで取り出して、殻をむいたら熱いうちに3に加えて漬けます。

  • 5. 10~15分ぐらい漬け込み、器に盛ったら完成です。

マリネ液に漬け込む時間は、お好みで調節しましょう。

中性脂肪を低くする食べ物で血液サラサラを目指そう

中性脂肪は、人体のエネルギー源として重要な物質です。しかし、過剰に摂取すると肥満の原因となり、脂質異常症などを引き起こしかねないので注意しましょう。

中性脂肪の低下には、日頃の食生活でタンパク質、脂質、炭水化物をバランス良く摂取し、青魚や食物繊維なども意識的に摂ることが大切です。栄養バランスの整った食事で中性脂肪を適正に保ち、血液サラサラの状態を目指しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。