目次
1.ビタミンD3について
ここでは、ビタミンD3の概要やビタミンDの働き、不足のリスク、一日の摂取量を解説します。
1-1.ビタミンD3とは
ビタミンD3は、別名「カルシフェロール」というビタミンDの一種です。人間にとって必要なビタミンDには、植物由来の「ビタミンD2」と動物由来の「ビタミンD3」があります。
ビタミンD3は、2つの方法によって体に取り入れられます。一つは、食品から補給する方法で、もう一つは、日光(紫外線)を浴びることによって体内で合成する方法です。
ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、油を使った料理や脂質を多く含む食品から摂取すると吸収率が高まります。
1-2.ビタミンDの働き
そもそもビタミンDは、腸管によるカルシウムやリンの吸収を促し、丈夫な骨と歯を維持する働きがあります。
その他に、血液中のカルシウム濃度を一定に保ち、筋肉の収縮や神経伝達を正常に行なうことにも関わっています。神経伝達が円滑に行なわれることで、免疫系が正常に機能しウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぎます。
このようにビタミンDは、健康的な体を維持するうえで必要不可欠な栄養素です。
1-3.ビタミンDが不足すると発症するリスクがある疾患
ビタミンDが不足すると、腸管や腎臓でのカルシウムの吸収が低下します。これにより血液中のカルシウムが不足し、低カルシウム血症を引き起こす場合があるのです。その結果、骨が軟らかくなり、さまざまな疾患を発症するリスクが高まります。
1-4.ビタミンDの一日の摂取量(18~69歳)
ビタミンDの摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によって示されています。成人における、ビタミンDの一日あたりの目安量と耐容上限量は以下のとおりです。
目安量 | 8.5μg/日 |
耐容上限量 | 100μg/日 |
参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※目安量:私たちの良好な栄養状態を維持するのに十分な量であり、不足によるリスクがほとんどない量のことを指します。
※上限量:過剰摂取による健康への悪影響を未然に防ぐ量のことです。
※μg(マイクログラム):100万分の1グラムを表します。
なお、ビタミンDの目安量は、日照により皮膚でつくられるビタミンDの量を考慮して設定されています。
日本は日照に恵まれているので、健康な人が適度な日光の下で生活している分にはビタミンDが不足する心配は少ないでしょう。
しかし、高齢者は皮膚でビタミンDをつくる力が低下するうえに、外出の時間や機会が減る場合が多く、日光を浴びる頻度が少なくなる傾向があります。このため、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂るように心がけることが大切です。
高齢者に関わらず、日頃から紫外線対策をしているなど日光に当たる機会が少ない人は、食事で意識的にビタミンDを摂るようにしましょう。