1.栄養バランスの良い健康的な食事とは?
そもそも、栄養バランスが良い食事とはどのような食事でしょうか。
食べ物は私たちの体をつくるうえで欠かせない役割を担っています。そして、これらをバランス良く摂ることは生活習慣病の予防や重症化予防に役立つとされているのです。
野菜をたくさん摂ればいいという考え方の人もいるかもしれませんが、そうではありません。エネルギーのもとになるタンパク質・脂質・炭水化物を中心にバランス良く摂ることが重要です。
2.栄養バランスが良い健康的な食事の摂り方とは
ここでは、どうしたら栄養バランスの良い食事が摂れるのかを解説します。
2-1.自分に最適な栄養バランスを把握する
人によって一日に必要なエネルギー量は異なります。友人や家族と同じような食事量を摂っていては、過剰に摂りすぎている可能性もあるのです。
では、自分にとってバランスの良い食事とは、どのように考えたら良いのでしょうか。
これには、厚生労働省と農林水産省が共同で策定している「食事バランスガイド」の活用がおすすめです。
食事バランスガイドとは、健康で豊かな食事の摂取を目的とした「食生活指針」を具体的に実現できるように、一日に何をどれだけ食べたら良いのかをイラストでわかりやすく表したものです。
理想的な食事量や組み合わせなどが示されているため、バランスの良い食事のヒントにしてみてください。
農林水産省の「食事バランスガイド」はこちら
2-2.3食きちんと食べる
朝食を抜いても、一日のうちで必要な栄養素量を摂取できていれば問題ないと思われている人もいるかもしれません。
しかし実際は、一日に必要なエネルギーや栄養素を2食で補うことは難しいものです。
そのため、朝・昼・夜の3食をしっかりと摂りましょう。
バランスの良い食事にするためには、主食・主菜・副菜2品・汁物で構成されている「一汁三菜」が理想とされています。
食事バランスガイドにおいて、一日分の必要エネルギーを2200kcal±200kcalと想定した場合のメニュー例を紹介します。
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朝食:ご飯150g、目玉焼き1皿、ほうれん草のお浸し、牛乳コップ半分、りんご1/2個
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昼食:スパゲッティ―1皿、野菜サラダ、ヨーグルト1パック
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夕食:ご飯150g、豚肉の生姜焼き、野菜の煮物、具たくさん味噌汁、みかん1個
これらは一例であるため、日頃の食事バランスを整えるときには食事バランスガイドのメニュー例も参考にしてみてください。
3.健康的なおすすめレシピ
ここからは、野菜やタンパク質をおいしく摂れる、健康的なおかずのレシピを2品ご紹介します。
3-1.さわらのレモン南蛮漬け
まずは、「さわらのレモン南蛮漬け」をご紹介します。
【材料】2人分
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・さわら 2切れ
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・玉ねぎ 1/4個
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・にんじん 4cm
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・ピーマン 2個
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・レモン 1個
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・サラダ油 小さじ1
(A)
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・だし 150ml
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・砂糖 小さじ2/3
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・しょうゆ 小さじ1
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・塩 少々
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・赤唐辛子(輪切り) 適量
【作り方】
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1. さわらは食べやすい大きさにカットします。
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2. 玉ねぎは薄切りにし、にんじんとピーマンは細切りにします。レモン1/2個分は果汁を絞り、残りは1mm幅のいちょう切りにしましょう。
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3. 鍋に(A)の調味料を入れて煮立てたら、玉ねぎ、にんじん、ピーマンを加えてひと煮立ちさせます。火を止めてレモン果汁を加えましょう。
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4. フライパンにサラダ油を中火で熱し、さわらを焼きます。両面に焼き色がつき中まで火が通ったら、熱いうちに3に漬け込み、15分ほど味をなじませたら完成です。
レモンの酸味と香りを使って、減塩ができるレシピです。
3-2.たっぷり野菜の納豆チャーハン
次に、「たっぷり野菜の納豆チャーハン」をご紹介します。
【材料】2人分
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・にんじん 4cm
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・玉ねぎ 1/4個
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・えのき茸 1/2株
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・刻みねぎ 15g
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・卵 2個
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・納豆 2パック
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・ご飯 茶碗2杯分
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・サラダ油 小さじ2
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・鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1/2
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・こしょう 少々
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・しょうゆ 小さじ1/2
【作り方】
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1. にんじんと玉ねぎはみじん切りにし、えのき茸は細かく刻んでおきます。
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2. 卵をよく溶きほぐし、納豆と混ぜ合わせましょう。
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3. フライパンにサラダ油(小さじ1)を中火で熱し、にんじん・玉ねぎ・えのき茸を炒めます。玉ねぎが透き通ってきたら、取り出しておきましょう。
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4. フライパンに残りのサラダ油(小さじ1)を熱し、3を加え、さらに卵と納豆を入れて卵が固まる前にご飯を加えて炒めます。
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5. ご飯が炒まったら、鶏ガラスープの素、こしょう、刻みねぎを加えてさらに炒め、仕上げにしょうゆを鍋肌から回しかけたら完成です。
野菜の食感や納豆の旨味を使って、薄味でもおいしく食べられるメニューです。
健康のためには栄養バランスのとれた食事を摂りましょう
健康を保つために、食事のバランスを意識することが重要です。いくら体に良い食材だからといっても、そればかりを集中的に食べ続けるのはおすすめできません。
そのため、一日3食、そして主食・主菜・副菜をそろえた食事を摂ることが推奨されています。
また、栄養バランスのとれた食生活は、生活習慣病の発症や重症化の予防に役立つものです。
今回お伝えした食事バランスガイドやレシピも参考に、健康的な毎日を過ごしましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医