目次
1.トイレの回数が多くなってしまう「頻尿」とは?
頻尿とは、排尿の回数が増えることです。昼間の排尿回数が7、8回以上、もしくは夜間の排尿回数が2回以上だと頻尿と診断されることがあります。
多くの場合、頻尿は命に関わる病気ではありませんが、生活に支障が出るならば対処が必要です。
「夜中にトイレで何回も起きてしまい、ゆっくり眠れない」「尿意を感じたら、我慢をするのが難しい」など、頻尿症状が生活に影響をおよぼすことも多く、悩みを抱える人は少なくありません。
今回の記事では、頻尿症状が現れる病気の種類を解説するとともに、自分でできる改善方法を3つ紹介します。
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頻尿とは、排尿の回数が増えることです。昼間の排尿回数が7、8回以上、もしくは夜間の排尿回数が2回以上だと頻尿と診断されることがあります。
多くの場合、頻尿は命に関わる病気ではありませんが、生活に支障が出るならば対処が必要です。
頻尿は、原因や特徴でいくつかの種類に分けられます。ここでは、頻尿症状を引き起こす病気を3つ紹介します。
昼間は特に問題がなくても、夜になると何度もトイレに行きたくなるのを夜間頻尿と呼びます。
夜間頻尿の原因は、おもに4つあります。膀胱にためられる尿の量が少なくなる「膀胱蓄尿障害」、一日を通して尿量が多くなる「多尿」、夜間だけの尿量が増える「夜間多尿」、なかなか眠れないなどの睡眠トラブルによる「睡眠障害」です。
夜間頻尿は、男女に関わりなく年を重ねるごとに症状が現れ、生活に支障が出ることから多くの人を悩ませています。
膀胱に尿をためることを蓄尿と呼びますが、過活動膀胱はこの機能の低下によって起こる病気です。膀胱が刺激に過剰反応してしまい尿を外に排出しようとするため、排尿を我慢することが難しい状態になります。
性別による患者数に大きな差はありませんが、男性は前立腺肥大症に関連する症状の場合もあります。
習慣性頻尿とは、膀胱にためられる尿量が限界に達する前に、トイレに向かうことで排尿回数が増えてしまうことです。
こまめにトイレに行くなど、尿意がない状態や少し尿意がある状態で排尿し、排尿回数が増えてしまうことが原因です。
ここでは、頻尿症状の改善のために自分でできる対処法を3つ紹介します。
排尿の回数が多く痛みをともなう場合や尿の色が濁っている場合は、膀胱炎や尿道炎など感染症の可能性が考えられるため、なるべく早く医師に相談しましょう。
尿意を感じてもすぐトイレに行かず、尿を膀胱にためる練習が膀胱訓練です。尿意を感じても5~10分ほど我慢してから排尿を行なうと、徐々にトイレに行く間隔を延ばすことにつながります。
頻尿の原因によって効果に差があるため、訓練を行なう際は主治医と相談のうえで実施しましょう。
日中はいつもどおり水分を摂取しますが、夕方から就寝までは水分摂取をできるだけ控える方法です。特にカフェインは利尿作用をもつため、コーヒーや紅茶を飲みすぎないように心がけましょう。
ただし、薬による治療を行なっている人は、飲水量の調節は医師に相談することが必要です。
機能の弱まった骨盤底筋を鍛えることにより、尿もれを軽くできます。骨盤底筋体操のやり方は次のとおりです。
1.あおむけ、もしくは四つんばいになります。
2.肛門に力を入れてキュッと締め、そのまま5秒キープしてください。そのあと、力を緩めます。
ポイントは、腹筋には力を入れないことです。10~20回を1セットとし、一日4セットを目安に行なうのがおすすめです。
トイレの回数が増える頻尿症状は生活に支障が出やすく、悩んでいる人も多く存在する病気です。
頻尿の種類には、夜間頻尿、過活動膀胱、習慣性頻尿などがあります。治療のためにも、症状に気付いたら泌尿器科への受診など早めの対処が大切です。医師に相談して膀胱訓練や飲水制限をするほか、骨盤底筋体操などの自分でできる改善策にも取り組んでみましょう。
トイレの回数を減らす対処法を実践して、頻尿に悩まない穏やかな暮らしを送りましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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