1.「サラサラな血液」とは
血液はものすごい速さで体中を駆けめぐりながら、生命や健康を保つために重要な役割を果たしています。健康を考えるうえで知っておきたいのが「サラサラな血液」と「ドロドロな血液」の存在です。
サラサラな血液は糖や脂質の量が多すぎず、血管中をスムーズに流れています。そのため、栄養素や酸素を体のすみずみまで素早く運搬でき、老廃物や二酸化炭素を効率良く回収できる血液です。一方でドロドロな血液は、過度な糖や脂質のせいで流れにくい状態になっています。
健康的な生活を送るためには、自分の血液の状態を意識することも大切です。
2.納豆は血液をサラサラにする?
納豆とは、大豆をナットウ菌で発酵させたものを指します。納豆に含まれている栄養成分は、次のとおりです。
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・ナットウキナーゼ:納豆菌が作り出す酵素
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・リノール酸:必須脂肪酸の一つ
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・ビタミンE:抗酸化ビタミン
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・イソフラボン:抗酸化物質の一種
納豆に含まれるビタミンEやイソフラボンといった抗酸化物質で、血管や細胞の若々しさをサポートし、ナットウキナーゼやリノール酸などが血液をサラサラにすると考えられています。このように、納豆は健康に良いと注目されている食品です。
なお、抗凝固薬のワルファリンを服用している方は、納豆に含まれる栄養素(ビタミンK)が薬の効果を阻害してしまうため、主治医に確認をするようにしましょう。
3.納豆を使った血液をサラサラにするおすすめレシピ
ここでは、納豆を使ったおすすめレシピを2品紹介します。
3-1.たっぷり野菜の納豆チャーハン
まず紹介するのは「たっぷり野菜の納豆チャーハン」。納豆のうまみに野菜の食感が合わさり、薄めの味付けでもおいしい一品です。
【材料】2人分
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・にんじん 4cm
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・玉ねぎ 1/4個
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・えのきだけ 1/2株
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・刻みねぎ 15g
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・卵 2個
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・納豆 2パック
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・ご飯 茶碗2杯分
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・サラダ油 小さじ2
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・鶏ガラスープの素(顆粒) 小さじ1/2
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・こしょう 少々
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・しょうゆ 小さじ1/2
【作り方】
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1. 玉ねぎ、にんじんをみじん切りにし、えのきだけは細かく刻みます。
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2. 溶きほぐした卵に、納豆を加えて混ぜ合わせます。
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3. フライパンに小さじ1のサラダ油を敷いて中火で熱し、1の具材を炒めます。玉ねぎに火が通ったら、一度取り出しましょう。
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4. 3のフライパンに残りのサラダ油を入れて熱し、2を加えます。卵が半熟状態の段階でご飯を入れて炒めます。
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5. ご飯を炒めたら、鶏ガラスープの素、こしょう、刻んだねぎを入れてさらに炒めます。最後に、しょうゆを鍋肌に沿って回しかけたら完成です。
3-2.ゆで豚の納豆ドレッシング
次に紹介する「ゆで豚の納豆ドレッシング」は一つの鍋で調理でき、手軽に作れる料理です。
【材料】2人分
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・豚薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 150g
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・ほうれん草 1/2束
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・ひきわり納豆 1パック
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・ポン酢 大さじ2.5
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・サラダ油 大さじ1
【作り方】
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1. お湯を沸かした鍋でほうれん草をゆで、ゆであがったら冷水に浸します。粗熱が取れたら、4cmほどの長さに切ります。
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2. 豚薄切り肉を広げながら1の鍋でゆで、火が通ったら取り出します。
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3. ひきわり納豆にポン酢とサラダ油を加え、よく混ぜます。
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4. 器に1と2を盛り、3のドレッシングをかけて完成です。
血液をサラサラにする納豆を意識して摂取しましょう
糖や脂質の量が多すぎないサラサラな血液は、栄養素や酸素の運搬・老廃物や二酸化炭素の回収をスムーズに行なえます。健康のためには、血液の状態を良好に保つことが大切です。
納豆にはサラサラな血液づくりに役立つ、ナットウキナーゼ、リノール酸、ビタミンE、イソフラボンなどが含まれています。納豆はそのまま食べる以外にも、料理でアレンジもできるため毎日のメニューに取り入れやすい食品です。
健康につながる納豆を積極的に食べて、血液サラサラな状態を目指しましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医