1.血行不良になってしまう原因とは?
血行不良になってしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか。5つに分けて解説します。
1-1.運動不足
運動には、血管を広げて血行を促進する効果があるため、運動不足だと血行が悪くなるといわれています。デスクワークなどで、座っている時間や同じ姿勢をとっている時間が長い方は、血行不良により、肩こりや足のむくみが起こりやすくなります。
1-2.不適切な食生活
不適切な食生活によって血液がドロドロになると、血液の流れが低下します。ドロドロ血液とは、一般的に脂質や糖質を多く含む血液のことです。
血液がサラサラになるかドロドロになるかは食生活で変わるため、どういった食事をとるかが重要だといえるでしょう。
1-3.水分不足
体内の水分が不足すると血行不良になり、全身に十分な量の血液が巡りにくくなります。高齢の方は特に脱水状態になりやすいので、注意が必要です。
また、夏場など外気温の高い場合には、多量の汗による水分不足で血行不良になった結果、熱中症を引き起こすこともあります。こまめな水分摂取を心がけましょう。
1-4.喫煙
タバコなどに含まれるニコチンには、血管を収縮させ血行を悪くさせる働きがあります。日頃から喫煙して度々このような状態が引き起こされると、高血圧などの病気になるおそれがあります。
1-5.衣服の締め付け
締め付けの強い衣服などを着用していると、血液を体の末端まで届けにくくなります。そのため、体をぎゅっと締め付けるような服や靴は避けましょう。
2.血行不良の改善に運動がおすすめの理由
健康的な体づくりにおいて運動は欠かせませんが、血行不良の解消においても運動は重要になります。それは、適度な運動によって筋肉がつくと、血流が良くなるためです。
また、運動によって血行が良くなると、血管の内皮細胞が刺激されます。その刺激によって血管が広がるとしなやかな血管になり、血圧低下にもつながります。
血行改善を目指すには、激しい運動は必要ありません。やや心拍数が上がる程度の運動を一日30分前後行なうだけでよいので、血液の循環を良くするためにも、適度に運動する習慣をつくりましょう。
3.血行不良改善におすすめの運動方法
血行不良を解消するには、次の運動を行なうのがおすすめです。
3-1.ウォーキング
忙しくて運動する時間がない方にも向いているのは、ウォーキングです。ウォーキングは、ほとんど準備が必要ないためすぐに取り組めるでしょう。
有酸素運動として生活習慣病の予防・改善に役立つうえ、激しい運動ではないので、急激に血圧を上昇させることもありません。
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一日の目標歩数
一日の目標歩数は以下のとおりです。
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・20~64歳では男性9,000歩、女性8,500歩
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・65歳以上では男性7,000歩、女性6,000歩
1,000歩を歩くのに必要とされる時間は約10分で、距離にすると600~700mほどです。ウォーキングを取り入れる前に、毎日歩く時間を10分ほど増やすことから挑戦してもよいでしょう。
3-2.ストレッチ
血行不良の解消には、ウォーキングに加えてストレッチを行なうのがおすすめです。ストレッチで筋肉をほぐせば、より血流の改善効果を期待できるでしょう。
血行を良くするには、約70%の筋肉が集まっている下半身を鍛えることが大切です。足の筋肉には、上半身に血液を押し出すポンプのような働きがあるため、下半身を鍛えると血液がスムーズに流れやすくなります。
下半身を鍛えるには、スクワットがおすすめです。
バランスの良い食生活と適度な運動で血行不良を改善しましょう
この記事では、血行不良の原因と、血行不良の解消におすすめ運動方法を解説しました。
血行不良の原因にはいくつかありますが、血行不良の解消には運動習慣を身につけるのがおすすめです。
生命維持に関わる血液がスムーズに流れることは、生きていくうえで非常に大切です。日々の食事に気を付けながら適度な運動をして血行を良くし、健康的な体を目指しましょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。