1.マグネシウムの働きについて
マグネシウムは、生命活動を維持するための必須ミネラルとして知られています。カルシウムと深い関わりがあり、健やかな骨の維持に必要な栄養素です。マグネシウムは体全体で約25g含まれており、50~60%は骨に分布しています。
マグネシウムのおもな働きは次のとおりです。
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• 骨の弾性維持
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• 神経伝達物質
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• 体液の平衡維持
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• ホルモン分泌とその活性
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• 筋肉の収縮
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• 血圧や体温の調整
このようにマグネシウムは、人が生命を維持するために必要不可欠な働きをしています。
2.マグネシウムが不足するとどんな症状が起こる?
マグネシウムが不足すると、高血圧が引き起こされる可能性があります。なお、マグネシウムは、摂取量が不足したり排泄量が増えたりすることで不足します。利尿剤の副作用で排泄量が増加するため、基礎疾患のある方で長期間利尿剤を内服している方は、マグネシウムが不足しがちです。
しかし、健康に問題がなく、通常の食事をしっかり摂っていれば、マグネシウムが不足することはほとんどないでしょう。
3.マグネシウムを多く含む食品
ここからは、マグネシウムを多く含む食品についてご紹介します。
マグネシウムは、海藻などの藻類に多く含まれています。例えば可食部100gあたりに対し、あおさの素干しの3,200mg、あおのりの1,400mgが特に多く、普段の食事に取り入れやすいひじきにも640mgのマグネシウムが含まれています。
その他、マグネシウムは魚介類や種実類にも豊富です。
具体的に魚介類では、さば缶や桜えび、生がつおなど、種実類ではごま、アーモンドなどが挙げられます。
4.マグネシウムが含まれている食品を使ったレシピ
マグネシウムを効率良く摂るには、調理方法を工夫して摂取するのもおすすめです。ここからは、マグネシウムが含まれている食品を使ったレシピをご紹介します。
4-1.具だくさんのさば缶冷や汁そうめん
まずご紹介するレシピは、たっぷりの具材が入った「具だくさんのさば缶冷や汁そうめん」です。マグネシウムが豊富な食材として、さば缶のほか、あおさも使用しています。
【材料】2人分
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さば缶(水煮) 1缶
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絹ごし豆腐 1/2丁
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だし汁 400ml
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味噌 大さじ2
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すりごま 大さじ2
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きゅうり 2/3本
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大葉 8枚
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みょうが 2個
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赤ラディッシュスプラウト 1/2パック
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そうめん 2束
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あおさのり 適量
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納豆 1パック
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塩 適量
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ごま油 適量
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いりごま 大さじ1
【作り方】
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1. だし汁を温めながら味噌を溶き、ボウルに入れます。
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2. 味噌を入れたボウルに身をほぐしたさば缶を加えます。さらに、食べやすい大きさにした豆腐やすりごまを入れます。すべての具材を混ぜ合わせたら、冷蔵庫に入れましょう。
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3. 薄切りにしたきゅうりに塩を振り、しんなりしてきたら水気を切ります。大葉とみょうがを細く千切りにし、赤ラディッシュスプラウトは半分の長さにカットしましょう。
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4. 茹でたそうめんを冷水でしっかり冷やしたら、水気を切ってお皿にのせます。その後、2で作った冷やしたスープを上からかけます。
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5. 最後にカットした3の具材と納豆を載せ、ごま油といりごまをかけたら完成です。
そうめんは、普段より短い時間で茹でるのがポイントです。
4-2.ひじきと大豆の簡単煮
次にご紹介するレシピは、慣れたら簡単に作れる「ひじきと大豆の簡単煮」です。
【材料】2人分
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ひじき 15g
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水煮大豆 70g
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にんじん 4cm
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油揚げ 1/2枚
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サラダ油 大さじ1
【A】
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水 300ml
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麺つゆ(3倍濃縮) 50cc
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しょうゆ 大さじ1
【作り方】
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1. ひじきを約10分水に浸けて戻します。サッと洗ったら、水気をしっかり切りましょう。
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2. にんじんを約2cmに細長く切り、油揚げは食べやすいサイズにカットします。
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3. 鍋にサラダ油を敷き熱したら、1と2を炒めます。具材に油がなじんだ頃に、【A】の調味料を入れます。中身が煮立ったら中火から弱火にして、約15分煮て完成です。
食べきれなかった場合は、冷凍庫で保存できます。
マグネシウムを多く含む食品を積極的に食べるように心がけましょう
マグネシウムは、カルシウムと深い関係があり、健康な骨の維持をはじめ、生命活動のために不可欠な必須ミネラルです。
マグネシウムが不足すると、高血圧などさまざまな症状が出現する可能性があります。しかし、健康状態に問題がなく、食事を普段どおり摂っていれば、マグネシウムが不足することはほとんどありません。
それでもマグネシウム不足が気になる方は、今回ご紹介したレシピなどを参考に、マグネシウムを多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医